法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

悪質な教材販売行為に対する特定商取引法等に基づく行政処分について

2005-12-13 20:03:55 | Weblog
親の不安あおり教材販売・4都県が業者を行政処分 NIKKEI NET

 特定商取引法は,基本的に,行政取締法規。必ずしも,違反行為→民事の問題,とはならないが,平成16年の改正により第9条の2が新設。一定の場合,訪販における契約の申込や承諾の取消が認められることとなった。
もちろん,当該「一定の場合」にあたらなくても,消費者契約法,民法といった消費契約に係る一般法により,契約の無効,取消,損害賠償請求が可能な場合がある。

秋田県民の消費生活の安定及び向上に関する条例

秋田県民の消費生活の安定及び向上に関する条例施行規則

秋田県民の消費生活の安定及び向上に関する条例による不当な取引方法の指定


「特定商取引に関する法律」の関連条文

(禁止行為)
第六条  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次の事項につき、不実のことを告げる行為をしてはならない。
一  商品の種類及びその性能若しくは品質又は権利若しくは役務の種類及びこれらの内容その他これらに類するものとして経済産業省令で定める事項
二  商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三  商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四  商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五  当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込みの撤回又は当該売買契約若しくは当該役務提供契約の解除に関する事項(第九条第一項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六  顧客が当該売買契約又は当該役務提供契約の締結を必要とする事情に関する事項
七  前各号に掲げるもののほか、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの
2  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、前項第一号から第五号までに掲げる事項につき、故意に事実を告げない行為をしてはならない。
3  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約を締結させ、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、人を威迫して困惑させてはならない。
4  販売業者又は役務提供事業者は、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに営業所等以外の場所において呼び止めて同行させることその他政令で定める方法により誘引した者に対し、公衆の出入りする場所以外の場所において、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。

(合理的な根拠を示す資料の提出)
第六条の二  主務大臣は、前条第一項第一号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該販売業者又は当該役務提供事業者に対し、期間を定めて、当該告げた事項の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該販売業者又は当該役務提供事業者が当該資料を提出しないときは、次条及び第八条第一項の規定の適用については、当該販売業者又は当該役務提供事業者は、同号に掲げる事項につき不実のことを告げる行為をしたものとみなす。

(指示)
第七条  主務大臣は、販売業者又は役務提供事業者が第三条から第六条までの規定に違反し、又は次に掲げる行為をした場合において、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
一  訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約に基づく債務又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の解除によつて生ずる債務の全部又は一部の履行を拒否し、又は不当に遅延させること。
二  訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、当該売買契約又は当該役務提供契約に関する事項であつて、顧客又は購入者若しくは役務の提供を受ける者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの(第六条第一項第一号から第五号までに掲げるものを除く。)につき、故意に事実を告げないこと。
三  前二号に掲げるもののほか、訪問販売に関する行為であつて、訪問販売に係る取引の公正及び購入者又は役務の提供を受ける者の利益を害するおそれがあるものとして経済産業省令で定めるもの。

(業務の停止等)
第八条  主務大臣は、販売業者若しくは役務提供事業者が第三条から第六条までの規定に違反し若しくは前条各号に掲げる行為をした場合において訪問販売に係る取引の公正及び購入者若しくは役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、又は販売業者若しくは役務提供事業者が同条の規定による指示に従わないときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、一年以内の期間を限り、訪問販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができる。
2  主務大臣は、前項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

(訪問販売における契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第九条の二  申込者等は、販売業者又は役務提供事業者が訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該売買契約若しくは当該役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一  第六条第一項の規定に違反して不実のことを告げる行為 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二  第六条第二項の規定に違反して故意に事実を告げない行為 当該事実が存在しないとの誤認
2  前項の規定による訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもつて善意の第三者に対抗することができない。
3  第一項の規定は、同項に規定する訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又はその承諾の意思表示に対する民法 (明治二十九年法律第八十九号)第九十六条 の規定の適用を妨げるものと解してはならない。
4  第一項の規定による取消権は、追認をすることができる時から六月間行わないときは、時効によつて消滅する。当該売買契約又は当該役務提供契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。

「特定商取引に関する法律施行規則」の関連条文

(訪問販売における禁止行為)
第七条  法第七条第三号 の経済産業省令で定める行為は、次の各号に掲げるものとする。
一  訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をし、又は訪問販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除について迷惑を覚えさせるような仕方でこれを妨げること。
二  老人その他の者の判断力の不足に乗じ、訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結させること。
三  顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行うこと。
四  訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結するに際し、当該契約に係る書面に年齢、職業その他の事項について虚偽の記載をさせること。
五  訪問販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするため、道路その他の公共の場所において、顧客の進路に立ちふさがり、又は顧客につきまとうこと。
六  法第九条第一項第二号 の政令で定める商品の売買契約の解除を妨げるため、当該売買契約を締結した際、購入者に当該商品を使用させ又はその全部若しくは一部を消費させること。

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自民税調の税制改正大綱素案について

2005-12-13 19:02:29 | Weblog
登録免許税,土地売買や信託除き増税・自民税調の大綱素案 NIKKEI NET

 信託の事情はよく分からないが,土地の売買に係る登録税の軽減措置の2年延長は,やはり,景気への影響を顧慮してのことであろう。自民税調の税制改正大綱の最終決定は15日とのこと。
因みに,来年は3年に一度の固定資産の評価替えの年。

国税庁 登録免許税の税額表

(財)資産評価システム研究センター Q. 固定資産の評価替えとは何ですか。

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未成年後見人の業務上横領について

2005-12-13 09:19:26 | Weblog
亡母の1400万円,14歳少年の同居祖母らが横領 YOMIURI ONLINE

 一見,手の込んだ解釈のようにも思えるが,さほど無理があるわけでもない。

ただ,心情としては,未成年者・後見人間の委託信任関係から,ストレートに,後見人である祖母の刑責を追及,処罰を求めたいところではある。
本ケースのような場合,期待可能性の有無・程度といったことはともかくとして,単純に「法は家庭に入らず」→刑罰阻却,とすることについてはやり切れなさが残る。後見人に直系血族が就任したのは,未成年者の福祉を考慮したからこそなのだ。刑法255条の同244条の一律の準用,全く問題がないのかどうか・・・。

下手な立法論はさておき,本ケース,家裁への財産管理報告書の提出が頻繁におこなわれていたなら,被害はもっと押さえられていたはず。家裁の後見事務,改善の余地がありそうである。

刑事責任の追及はもちろん必要だが,件の少年にとっては,被害の回復こそ重要。


民法の関連条文

(未成年後見人の選任)
第八百四十条  前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは,家庭裁判所は,未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって,未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも,同様とする。

刑法の関連条文

(共同正犯)
第六十条  二人以上共同して犯罪を実行した者は,すべて正犯とする。

(身分犯の共犯)
第六十五条  犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは,身分のない者であっても,共犯とする。
2  身分によって特に刑の軽重があるときは,身分のない者には通常の刑を科する。

(親族間の犯罪に関する特例)
第二百四十四条  配偶者,直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪,第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は,その刑を免除する。
2  前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は,告訴がなければ公訴を提起することができない。
3  前二項の規定は,親族でない共犯については,適用しない。

(横領)
第二百五十二条  自己の占有する他人の物を横領した者は,五年以下の懲役に処する。
2  自己の物であっても,公務所から保管を命ぜられた場合において,これを横領した者も,前項と同様とする。

(業務上横領)
第二百五十三条  業務上自己の占有する他人の物を横領した者は,十年以下の懲役に処する。

(遺失物等横領)
第二百五十四条  遺失物,漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は,一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

(準用)
第二百五十五条  第二百四十四条の規定は,この章の罪について準用する。

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