法律の周辺

核心ではなく, あくまでも物事の周辺を気楽に散策するブログです。

皇位継承に係る第1子優先主義について

2005-10-22 10:00:14 | Weblog
asahi.com: 皇位継承は第1子優先 有識者会議 - 政治

「女系天皇」慎重派が考える会設立 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 「第1子優先案の方が安定性が高く,国民にわかりやすい」を理由としているが,世論の動向を見極めながら,ということのようだ。ただし,世論調査などは行わないとのこと。

 男系男子主義(皇室典範第1条)については,憲法第14条,同第24条との関係から,憲法違反の疑いがあるとする意見がある一方,そもそも,憲法が世襲主義を認める以上,男系男子主義は憲法第14条等の例外として許容されるとする意見がある。後者に対しては,女子が皇位を承継できないことと世襲制は無関係,という反論も可能。


日本国憲法の関連条文

第一条  天皇は,日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて,この地位は,主権の存する日本国民の総意に基く。

第二条  皇位は,世襲のものであつて,国会の議決した皇室典範 の定めるところにより,これを継承する。

第十四条  すべて国民は,法の下に平等であつて,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。
2  華族その他の貴族の制度は,これを認めない。
3  栄誉,勲章その他の栄典の授与は,いかなる特権も伴はない。栄典の授与は,現にこれを有し,又は将来これを受ける者の一代に限り,その効力を有する。

第二十四条  婚姻は,両性の合意のみに基いて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない。
2  配偶者の選択,財産権,相続,住居の選定,離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては,法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して,制定されなければならない。

皇室典範の関連条文

第一条  皇位は,皇統に属する男系の男子が,これを継承する。

第二条  皇位は,左の順序により,皇族に,これを伝える。
一  皇長子
二  皇長孫
三  その他の皇長子の子孫
四  皇次子及びその子孫
五  その他の皇子孫
六  皇兄弟及びその子孫
七  皇伯叔父及びその子孫
2  前項各号の皇族がないときは,皇位は,それ以上で,最近親の系統の皇族に,これを伝える。
3  前二項の場合においては,長系を先にし,同等内では,長を先にする。

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時間外手当が基本給に含まれるとする東京地裁の判決について

2005-10-22 09:06:06 | Weblog
時間外手当,基本給に含む場合も 東京地裁が判断示す (朝日新聞) - goo ニュース

 労働形態の多様化,労働成果の重視傾向等とあいまって,従来からいろいろ議論のあるところ。

 本判決が打ち出した例外ケースは,要約すれば,(1) 給与決定における労働成果要素・労働時間要素等の相関関係,(2) 人事管理の如何,(3) 基本給の額,の3つということになりそう。これらを具備する場合,サービス残業助長のおそれはなく,労基法にも違反しないとする。
被告は外資系証券会社。実力主義は,日本企業以上に徹底しているのだろう。確かに,自己管理能力の低さを棚にあげ,「長時間働いたから,手当てを頂戴」は困りもの。しかし・・・。

労基法の改正が必要などとも言われており,今後も動きがあると思われる。


労働基準法の関連条文

(休日)
第三十五条  使用者は,労働者に対して,毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2  前項の規定は,四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

(時間外及び休日の労働)
第三十六条  使用者は,当該事業場に,労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合,労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし,これを行政官庁に届け出た場合においては,第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず,その協定で定めるところによつて労働時間を延長し,又は休日に労働させることができる。ただし,坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は,一日について二時間を超えてはならない。
2  厚生労働大臣は,労働時間の延長を適正なものとするため,前項の協定で定める労働時間の延長の限度その他の必要な事項について,労働者の福祉,時間外労働の動向その他の事情を考慮して基準を定めることができる。
3  第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者は,当該協定で労働時間の延長を定めるに当たり,当該協定の内容が前項の基準に適合したものとなるようにしなければならない。
4  行政官庁は,第二項の基準に関し,第一項の協定をする使用者及び労働組合又は労働者の過半数を代表する者に対し,必要な助言及び指導を行うことができる。

(時間外,休日及び深夜の割増賃金)
第三十七条  使用者が,第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し,又は休日に労働させた場合においては,その時間又はその日の労働については,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
2  前項の政令は,労働者の福祉,時間外又は休日の労働の動向その他の事情を考慮して定めるものとする。
3  使用者が,午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては,その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては,その時間の労働については,通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
4  第一項及び前項の割増賃金の基礎となる賃金には,家族手当,通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない。

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総務省検討会による住基台帳等の閲覧に係る報告書について

2005-10-22 08:20:23 | Weblog
住基台帳は限定公開、営業目的は禁止…総務省検討会 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

「公益性」の有無を閲覧の是非の判断基準にするとのこと。

素朴に考えれば,ダイレクトメールなどの営業目的の利用は「全面禁止」ということになりそうだが,記事によれば「原則禁止」ということのよう。営業目的でも閲覧が認められるというのは,どのようなケースなのだろうか。抜け穴のないようにしていただきたいもの。

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組織的犯罪処罰法の改正案の要綱骨子について

2005-10-22 07:50:01 | Weblog
答申(犯人から財産犯等の犯罪収益をはく奪し,これを被害回復に充てるための法整備に関する要綱(骨子))

 法務省HPにおいて,先に決定していたヤミ金による被害回復を目的とする組織的犯罪処罰法の改正案の要綱骨子が公表されている。

 被害回復給付金の支給を申請することができる者に係る対象犯罪行為の範囲は,検察官が定める。また,犯罪被害額及び被害回復給付金の額の裁定も検察官がおこなう。この裁定については,弁護士を,裁定のための審査その他一定の事務をおこなう者として選任できる。
対象犯罪行為の範囲を定める処分や上記裁定については,不服申立て手続も設けられるとのことだが,全体として,検察官の役割が随分大きいという印象。

 なお,支給手続終了後の残額は一般会計の歳入に繰り入れらるとのことだが,他の犯罪被害者救済のためにも特別会計として積み増ししていく方がベターなのではないだろうか。


組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の関連条文

(犯罪収益等の没収等)
第十三条  次に掲げる財産は,不動産若しくは動産又は金銭債権(金銭の支払を目的とする債権をいう。以下同じ。)であるときは,これを没収することができる。
一  犯罪収益(第六号に掲げる財産に該当するものを除く。)
二  犯罪収益に由来する財産(第六号に掲げる財産に該当する犯罪収益の保有又は処分に基づき得たものを除く。)
三  第九条第一項の罪に係る株主等の地位に係る株式又は持分であって,不法収益等(薬物犯罪収益,その保有若しくは処分に基づき得た財産又はこれらの財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産であるもの(第三項において「薬物不法収益等」という。)を除く。以下この項において同じ。)を用いることにより取得されたもの
四  第九条第二項又は第三項の罪に係る債権であって,不法収益等を用いることにより取得されたもの(当該債権がその取得に用いられた不法収益等である財産の返還を目的とするものであるときは,当該不法収益等)
五  第十条又は第十一条の罪に係る犯罪収益等
六  不法収益等を用いた第九条第一項から第三項までの犯罪行為又は第十条若しくは第十一条の犯罪行為により生じ,若しくはこれらの犯罪行為により得た財産又はこれらの犯罪行為の報酬として得た財産
七  第三号から前号までの財産の果実として得た財産,これらの各号の財産の対価として得た財産,これらの財産の対価として得た財産その他これらの各号の財産の保有又は処分に基づき得た財産
2  前項各号に掲げる財産が犯罪被害財産(財産に対する罪,刑法第二百二十五条の二第二項 の罪に係る第三条 の罪,同法第二百二十五条の二第二項 若しくは第二百二十七条第四項 後段の罪若しくは別表第三十一号,第三十三号,第四十四号,第五十五号,第六十号,第六十六号若しくは第六十八号に掲げる罪の犯罪行為によりその被害を受けた者から得た財産又は当該財産の保有若しくは処分に基づき得た財産をいう。以下同じ。)であるときは,これを没収することができない。前項各号に掲げる財産の一部が犯罪被害財産である場合において,当該部分についても,同様とする。
3  次に掲げる財産は,これを没収する。ただし,第九条第一項から第三項までの罪が薬物犯罪収益又はその保有若しくは処分に基づき得た財産とこれらの財産以外の財産とが混和した財産に係る場合において,これらの罪につき次に掲げる財産の全部を没収することが相当でないと認められるときは,その一部を没収することができる。
一  第九条第一項の罪に係る株主等の地位に係る株式又は持分であって,薬物不法収益等を用いることにより取得されたもの
二  第九条第二項又は第三項の罪に係る債権であって,薬物不法収益等を用いることにより取得されたもの(当該債権がその取得に用いられた薬物不法収益等である財産の返還を目的とするものであるときは,当該薬物不法収益等)
三  薬物不法収益等を用いた第九条第一項から第三項までの犯罪行為により得た財産又は当該犯罪行為の報酬として得た財産
四  前三号の財産の果実として得た財産,前三号の財産の対価として得た財産,これらの財産の対価として得た財産その他前三号の財産の保有又は処分に基づき得た財産
4  前項の規定により没収すべき財産について,当該財産の性質,その使用の状況,当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは,同項の規定にかかわらず,これを没収しないことができる。

(追徴)
第十六条  第十三条第一項各号に掲げる財産が不動産若しくは動産若しくは金銭債権でないときその他これを没収することができないとき,又は当該財産の性質,その使用の状況,当該財産に関する犯人以外の者の権利の有無その他の事情からこれを没収することが相当でないと認められるときは,その価額を犯人から追徴することができる。ただし,当該財産が犯罪被害財産であるときは,この限りでない。
2  第十三条第三項の規定により没収すべき財産を没収することができないとき,又は同条第四項の規定によりこれを没収しないときは,その価額を犯人から追徴する。

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郵政公社の偽造・盗難カード等の被害に対する補償について

2005-10-22 07:11:55 | Weblog
偽造・盗難キャッシュカード等被害に対する補償 郵政公社

 郵政公社からも,来年2月10日から施行される「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」にあわせ,「偽造・盗難キャッシュカード等被害に対する補償」という文書が公表された。

 内容は全銀協の「「カード規定試案」の改正,「預金の不正な払戻しへの対応」等について」と概ね同じ。
ただ,郵政公社が,偽造カード等又は変造カード等による払戻しの効力が生じない場合を,a 預金者又は代理人の故意による場合,b 当該払戻しについて公社が善意かつ無過失であって預金者又は代理人に重大な過失があることを公社が証明した場合,の2つのケースを除いた場合としているのに対し,全銀協のカード規定試案には同様のケースにつき「代理人」の文言がない。

 なお,郵政公社の公表文書には,「ATMの利用上限額等の設定について」という文書が含まれており,利用者にとってはこれが案外重要。実施は,郵便貯金等規定の改定等は平成17年11月14日,ATMの利用上限額等の設定は平成18年1月4日から。

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