法律の周辺

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プライバシーを理由とする国勢調査の回答拒否について

2005-10-09 19:48:16 | Weblog
国勢調査の回答拒否増加/プライバシー理由に - さきがけonTheWeb

 国勢調査の結果は,国や地方公共団体における各種の行政施策を立案するための基礎資料となる。このため,統計法第18条の2で行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の適用除外となっている。
プライバシーを理由とする回答拒否は,認識不足というほかないが,気持ちは分からないではない。確かに,「氏名」「男女の別」「出生の年月」「世帯主との続柄」「配偶の有無」「国籍」「1週間に仕事をしたか」「1週間に仕事をした時間」「勤めか自営かの別」「従業地又は通学地」「勤め先などの名称及び事業の内容」「本人の仕事の内容」等を記載した時,丸裸にされるような感じがしたのも事実。
回答拒否の態度の根源には,詰まるところ,調査員の人選手続の不透明さや調査員の質等に対する疑念があるような気がする。このあたりについて十分な説明がない限り,調査員による記入漏れ等のチェック=覗き見られる,という感覚は払拭されないような気がする。「調査員は総務大臣が任命する非常勤の国家公務員」「調査員には守秘義務が課されている」とだけ言われてもね・・・。

統計法の関連条文

(申告義務)
第五条  政府,地方公共団体の長又は教育委員会は,指定統計調査のため,人又は法人に対して申告を命ずることができる。
2  前項の規定により申告を命ぜられた者が,営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者若しくは成年被後見人である場合又は法人である場合には,その法定代理人又は理事その他法令の規定により法人を代表する者が,本人に代わつて,又は本人を代表して申告をする義務を負う。

(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律等の適用除外)
第十八条の二  指定統計を作成するために集められた個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第二項に規定する個人情報及び独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)第二条第二項に規定する個人情報をいう。以下この条において同じ。)及び届出統計調査によつて集められた個人情報については,これらの法律の規定は,適用しない。

(罰則)
第十九条  次の各号の一に該当する者は,これを六箇月以下の懲役若しくは禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
一  第五条の規定により申告を命ぜられた場合申告をせず,又は虚偽の申告をした者
二  第五条の規定により申告を命ぜられた調査につき申告を妨げた者
三  第十三条の規定による検査を拒み,妨げ,若しくは忌避し,調査資料を提供せず,若しくは虚偽の調査資料を提供し,又は質問に対し虚偽の陳述をした者
四  指定統計調査の事務に従事する者又はその他の者で指定統計調査の結果をして真実に反するものたらしめる行為をした者

第十九条の二  統計官,統計主事その他指定統計調査に関する事務に従事する者,統計調査員又はこれらの職に在つた者が,その職務執行に関して知り得た人,法人又はその他の団体の秘密に属する事項を,他に漏らし,又は窃用したときは,これを一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
2  前項に掲げる者が,総務大臣の承認を得た場合のほか集計された結果を,第七条の規定により定められた公表期日以前に,他に漏らし,又は窃用したときは,これを十万円以下の罰金に処する。
3  職務上前二項の事項を知り得た第一項に掲げる者以外の公務員又は公務員であつた者が,前二項の行為をしたときもまた当該各項の例による。

コメント (1)
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