法律の周辺

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会社法下の清算株式会社の権利能力について

2005-09-27 08:15:05 | Weblog
 25日に弥永会社法を読み終えた。脚注は読み飛ばし,条文も引かず,という具合いなので,読み流したというのが正確か。
誤植も散見されるが,実質的には改訂初版といってよいから,これはやむを得ない。誤植情報については弥永先生のHPで公開されている。ただ,他にもあるように思うが。

 さて,要綱や雑誌の会社法特集号等では分からなかったが,弥永会社法で初めて気付かされた点がある。それは,P472「10-3-3 清算株式会社の能力」の第2段落の記述。以下に引用する。

~~~~(引用開始)~~~~

 他方,平成17年改正前商法の解釈としては,会社の物的・人的拡大をもたらす新株発行や社債発行は現務を結了し,債務を弁済し,残余財産を分配するという清算の目的に合致しないから行えないし,営業をこれから行うことを前提とする行為である支店の新設等も行うことはできないと解するのが通説であったが(全集483),会社法の下では,清算の目的の範囲内である限り,そのような行為も行うことができる(491・482Ⅲ・489Ⅵ・487Ⅱ①参照)。

~~~~(引用おわり)~~~

会社法第476条があるから「清算の目的の範囲内」で絞り込みがかけられるが,現行商法では判例・解釈等に委ねられ,不可能ないし困難とされている部分。明文化されたことの意味は小さくないような気がする。

コメント
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