法律の周辺

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政党のビラ配り等と住居侵入罪について

2005-09-11 16:20:31 | Weblog
警視庁官舎に侵入容疑で逮捕 共産党機関誌を配布 (朝日新聞) - goo ニュース

 入り口には「ビラ配りなど許可のない方の立ち入りを禁止します」というプレートがあったというから,住居侵入罪の保護法益についていかなる立場をとろうとも,法益侵害は認められ易いように思われる。ただ,氏名を答えなかったにせよ,時間帯はお昼時。現行犯逮捕ではあるが,はたして逮捕の必要性(刑訴法第199条第2項参照)があった事案なのか・・・。それにしても,立ち入ったところが警視庁の官舎というのは,何とも大胆,あるいは不運?

顔隠して証人尋問、弁護側反発 共産党ビラ配布事件 - asahi.com 社会

 政党の配布物と住居侵入罪については,先週の東京地裁の公判においても,証人と傍聴席の間を遮へいするかが問題になったようである。
この事案で遮へいを求めた理由は,「人前で話すのが苦手で,傍聴人の前ではあがってしまう」ということ。これのみで,遮へい措置をとるというのはどうなのだろうか。疑念を抱かれないよう,検察,裁判所とも慎重な対応を望みたいものだ。

関連条文

(住居侵入等)
刑法第百三十条  正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入し,又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は,三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

憲法第八十二条  裁判の対審及び判決は,公開法廷でこれを行ふ。
2  裁判所が,裁判官の全員一致で,公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には,対審は,公開しないでこれを行ふことができる。但し,政治犯罪,出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は,常にこれを公開しなければならない。

刑事訴訟法第百五十七条の三  裁判所は,証人を尋問する場合において,犯罪の性質,証人の年齢,心身の状態,被告人との関係その他の事情により,証人が被告人の面前(次条第一項に規定する方法による場合を含む。)において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であつて,相当と認めるときは,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,被告人とその証人との間で,一方から又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。ただし,被告人から証人の状態を認識することができないようにするための措置については,弁護人が出頭している場合に限り,採ることができる。
2  裁判所は,証人を尋問する場合において,犯罪の性質,証人の年齢,心身の状態,名誉に対する影響その他の事情を考慮し,相当と認めるときは,検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き,傍聴人とその証人との間で,相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。

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