特定非営利活動法人白河花里倶楽部れぽーと

東北の南端福島県白河市で活動するNPO法人。2017年10月より、動物関連はアメブロ「花里れぽーと」で更新致します。

社会福祉事業家の詠んだ歌 

2013-12-19 14:08:19 | 養育里親制度
先日、NHK大河ドラマ「八重の桜」が終了しました。福島原発事故後、福島は世界のフクシマとなりました。放射能汚染により、被ばくだけではなく、差別にも苦しんできたのです。このドラマ放映により、福島には素晴らしい人がいたことを思い出していただけたことでしょう。

さて、「八重の桜」後半の重要人物でもある徳富蘇峰を、私の父は尊敬していたようです。番組を見ながら、父が生きていたなら、どんなにか喜んだであろうと思ったものです。父の財布には、蘇峰の著書の一節を書き写した紙きれが入っていました。そこまで尊敬をするのはなぜか?全くわかりません。

昨日、父の残した山室軍平氏関係の本を救世軍に寄贈するべく、目を通していました。山室軍平著「私の青春時代」という本で、軍平氏のご長女山室民子氏よりいただいた本のようです。この本に、蘇峰の謎を解明する文を発見しました。山室軍平氏は、当時『国民の友』という雑誌を発行し、大変に名声高かった徳富蘇峰に講演を依頼したそうです。快く承諾した蘇峰は、講演の中で同志社大学創設者新島襄に触れ、『新島先生は、真の品行を有する人物である』と演説をしたそうです。これに感動した山室軍平は、何としても同志社に入学したいと考え、その後同志社大学で学んだそうです。

山室軍平の本の中には、石井十次が頻繁に登場します。親友であったようです。石井十次は、キリスト教の影響を受け、岡山孤児院を創設し、生涯を孤児救済に捧げた人で、「児童福祉の父」と呼ばれています。



以前、日本初の知的障害者施設創設者石井筆子の映画を観に行った時に「石井のおとうさんありがとう」というDVDを買いました。素晴らしい映画です。

山室軍平は、救世軍を日本で立ち上げ、社会福祉事業を推進した人物のようです。同志社出身ということで、新島八重とも交流があったと思われます。

さて、山室民子氏も社会事業家として活躍されたそうです。



これは、山室民子氏の直筆で、私へとなっています。残念ながら、私はクリスチャンではありません。



山室民子氏の歌です。心に響きます。

この仕事 為さねばふらず 花吹雪 己待たざる 春を恨まず  山室民子


社会福祉に人生を捧げた山室民子氏の想いを感じる歌です。クリスチャンだった父を信仰的に支えてくださったことに心から感謝しています。今では貴重であろう山室軍平全集や直筆のお手紙等など、クリスマスまでに寄贈させていただきたいと考えております。

ちなみに、福島県出身の瓜生岩子氏は、「社会福祉の母」「日本のナイチンゲール」と称されているそうです。東京の養育里親の方々に、「福島は瓜生岩子を生んだ土地ですよね」と言われたことがあります。瓜生岩子氏は、里親の方々にも尊敬されているそうです。福島県には、素晴らしい功績を遺した優秀な人物が何人もいます(山室軍平と石井十次は岡山県の出身)。

今、我々福島県民に必要なのは、誇りを取り戻すことではないでしょうか

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10月里親月間 ~花里が里親になって思うこと~

2010-10-21 06:03:58 | 養育里親制度


 10月は里親月間です。昨年、花里倶楽部は里親さんご夫妻をお招きし講演会を主催しました。今年は諸事情により講演会等のイベントは主催しませんが、昨年の私たちの講演会がキッカケとなり里親登録をされたご夫婦がいらっしゃいます。とても素敵なご夫妻で本当に嬉しく思っています。また、先日は県内在住の方から問い合わせをいただきました。このブログをご覧になったとこのとで、これも大変嬉しく思っております。

 私自身、里親に登録をしていますが、一度も委託はないまま・・・5年? 登録のキッカケは「オレンジリボンキャンペーン」でした。偶然、かなり早期の段階でオレンジリボンキャンペーンを知り(ネットで知りました)早速活動参加申し込みをしました。その後、東京で行われた活動報告会に参加し、オレンジリボンの産みの親である専門里親さんやヘネシー澄子先生、アン基金の方々、他全国で活動する方々にお会いすることができました。この時の感動。里親さんて何て素敵な人たちだろうと心から感動し、これは「人生をかけたボランティア」だと感じました。本当に里親さんは心がピュアで温かいのです。また、オレンジリボン考案者の里親さんのお話に心打たれ、その後も活動を続けています。残念ながら、白河ではボランティアの認識が違うのか「オレンジリボン」をボランティアの利権と考える他ボランティアグループ及び人もあり、嫌な体験も重ねました。好意で差し上げたリボンが違ったカタチで配布されたと知ったこともあります。このリボンまでボランティアの利権となるのかと衝撃を受けましたが、理性を失うことなく活動を続けてこれたのは、発案者の里親さんの想いと人柄です。

 今年も悲惨な子ども虐待問題がありました。近所の人が通報しても助けることができなかったケースもありました。「通報」に関しては啓発が進んだと思いますが、その後に関してはどうでしょうか。児童相談所の仕事は大変だと思います。保護する家庭の親が皆良い人だとは限りません。子どもに暴力を振るう親に優しく話しかけ子どもを保護するということは難しいことでしょう。しかし、そこには命があるわけですから、対策を考えなければなりません。また、保護した後の問題もあります。施設はいっぱい、里親への委託は進まない。実際、委託を受けない里親さんも少なくありません。親権の問題も含め、多くの問題があると思います。また、世間の里親への理解不足もあります。

 里親制度・・・夏休みの1週間等や連休などの短期間なら預かってもいいという人がいますが、私の知っている限り、現在このような形での委託は「福島県」ではないと思います。緊急保護で短期間の委託はあるとしても、こちらが望んでの短期間はないと思います。

 子どものいないご夫婦・・・実際、登録をする人の多くはお子さんのいないご夫婦です。私も子どもはいませんが、登録した時点では子どもをあきらめる年齢ではなく(もしかすると今も)、実子と里子と区別することなく育てる欧米的な考えでした。血縁よりも縁という考えです。お子さんのいない方が「子どもに恵まれなかった」という表現をされることがありますが、私は一度も言ったことがありません。「恵まれている」と感じるから里親登録しました。だって、五体満足で生まれ、貧しくとも飢えることなく育てられました。生意気と言われてもへこたれない強い性格を持ち、普通に生きれることの幸せを思えば、これ以上何を求めるのでしょう。私の同級生は1歳にもならない赤ちゃんを残し32歳で天国へ旅立ちました。私は彼女よりも10年以上も生きています。また、世界には飢えた子どもがたくさんいます。今も戦争の中で苦しんでいる人たちがいます。この時代にこの日本に生まれたことに感謝しています。そして、愛情に恵まれない(何より必要なもの)子どもがいるなら、私で役に立てるならと里親登録をしました。
 子どもに恵まれなかったと思う方々の中に苦しみを見ることがあります。それは、社会の偏見や周囲の言葉により心傷ついて生きてきた・・・その苦しみかもしれません。少子化が問題とされる日本で肩身の狭い思いをし、ママ友のない生活をし、「足りない」という思いが心をよぎるのかもしれません。しかし、私は全く違う考えです。足りないものを欲しがるのではなく、あるものに感謝したい。雨は犯罪者の上にも降ります。太陽は誰の上にも平等に降り注ぎます。
 お子さんのいないご夫婦も「人生に恵まれているから社会貢献したい」と登録するようになってほしいと感じています。登録後、行政の対応などを見て「子どもを誘拐したいほど欲しい」とバカにされてるんじゃ?と思ったことが何度もあります。その都度、行政サイドの意向を確かめ、改善を求めてきました。先日も里親コーディネーターの自宅訪問があり、里親登録理由について申し上げました。「人生に恵まれているから社会貢献がしたい」と。お子さんのいない方々、差別的発言に甘んじることはありません。堂々と生きましょう。そして、堂々と「里親です」と言える社会にしましょう。
 

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里親講演会『里親という生き方』報告

2009-11-09 15:34:40 | 養育里親制度



11月9日(土)、白河市中央公民館で白河花里倶楽部主催により里親講演会『里親という生き方』を行いました。講師は福島県里親連合会副会長幕田ご夫妻です。幕田様とは、県主催の里親講演会で初めてお会いし、その人柄に魅かれ、白河市で講演をしていただきたいと願っていました。2年前、そのようなお願いをしながら、こちらの勝手な事情で叶わず、今回また無理なお願いをさせていただきました。断られても仕方ないような状況の中、本当に快くお引き受けいただきました。本当に素敵なご夫妻です。

福島県各地に里親会がありますが、県南地区(須賀川を除く)にはありません。また、長年里親不在(養子縁組目的ではない)であったために、里親制度を理解しない風土となっているようです。その中、各関係機関などにポスター掲示をお願いし、市内各地に掲示して歩きましたが、反応は良くありませんでした。「?」という表情を何度されたことでしょう。残念ながら、里親制度を知っていただかないと困るというような立場・職業の方までもが「?」です。これは30年前の都会と同じなのではないでしょうか。県北から起こしいただくご夫妻に申し訳ない気持ちでいっぱいで、ご夫妻の優しい笑顔を見た時には涙が出そうになりました。本当に里親さんは心の温かい方ばかりなんです。





講演会参加者の人数は少なかったのですが、真剣にお話に耳を傾けてくださる方ばかりでした。そして、講師の優しさあふれるお話に皆さん心和んだようです。こんなに優しい人がこの世にいるのか・・・いるんです。血のつながらない子どもを実子と同じように育てる人たちがいるんです。感動しました。素敵な講演でした。

不思議ですが、里親さんとお会いするたびに優しさに圧倒され、涙が出るほど感動します。優しさがオーラとなって数メートル四方に漂っているような感じ。優しさって人を感動させるし、心を癒すパワーがあるんですね。また、県北から応援に駆けつけてくださった里親さんご夫妻もいらしゃいました。どれだけ里親さんたちに慕われているのかがわかり、またまた感動。こちらの里親さんも優しい方で、ご縁に感謝しています。

里親制度は里親さんに会えば簡単に理解できます。優しいんです。とにかく優しい人たちなんです。講演会終了後、里親会への加入を申し込まれた方が。まずは里親登録をと説明させていただきましたが、この気持ちわかります。また、他にも里親に関する問い合わせがあり、今後白河の里親が増える気配を感じました。白河里親会も夢ではなくなりました。

オレンジリボン発案者の里親さんに出会ったことから長年里親不在の土地に里親が生まれました。そして、また里親さんの講演により里親が生まれそうです。里親さんの優しさが伝われば里親は増えることを確信しました。全国各地でこのような里親講演会が行われたなら日本の里親制度も前進するのではないでしょうか。小さな講演会が白河児童福祉史上、画期的な1歩となったことに勇気を得て、今後も活動に力を入れたいと思います。また、行政機関もこのような活動に協力をしていただきたいものです。他のイベントや講演会では行政から電話でお誘いを受けます。「共催」でなければ動けない。「共催」となるには規定がある。等など、難しい問題もあるようですが、これこそ行政が力を入れる問題であると信じ、関係各所に陳情をしていきたいと思います。この日の講演会には地元県議が会議を抜け出し参加してくださいました。県議には里親制度及び児童虐待問題の重要性を理解していただけたようです。今後の県議会に期待したいと思います。昨年は犬猫殺処分場を視察していただきましたが、今度は里親家庭の視察を陳情したいと思います。





小さな講演会も活動も多くの方々の協力があってこそできます。講演会のポスターは、グラフィックデザインを仕事とする知人がボランティア価格で引き受けてくれました。格安の上にダメだしありの我儘団体です。でも、こんなに素敵なポスターになりました。心から感謝しています。また、後援をくださったオレンジリボン事務局(NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク)の皆さま、行政の皆さま、ボランティアの皆さま、心より感謝申し上げます。




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里親のためのレスパイト・ケア

2009-10-12 15:56:52 | 養育里親制度



レスパイト・ケアをご存じですか?
これは、児童を委託養育している里親のための制度だそうです。里親にレスパイト・ケアが必要になった場合に、委託児童を児童養護施設や他の里親(あらかじめ定めておく)に委託するもので、期間は年間7日間だそうです。ちょっと少ないですね。

里親に関しての暴言を何度か耳にしたことがあります。悲しいことに、児童福祉のプロと称される肩書きを持つ人からでした。「手当がでる」とか何とか言ってましたが、何も知らないことがわかり別の意味で驚きました。また、いまだに養子縁組目的だと思っている人も多いようです。
一般的に、里親さんはボランティアとして子どもを預かりますが、現在は虐待などで保護される子どもが多く、昔と違って養育も難しいようです。心の傷からくる問題行動もよく耳にしますが、里親さんたちは勉強会を開くなどしており、知識も豊富な方ばかりです。以前、児童福祉関係者数人に質問し、具体的な回答を得られなかったことについて、ある専門里親さんは即座に的確な回答をくださいました。その経験と知識は大変に貴重なものであると思います。これを社会は理解していないようですが。

里親には手当が支払われますが、多くの場合、子どもの塾代や進学費用の積立などに充てられると聞きます。実子同然に育てた場合、塾や習い事にも通わせたいでしょう。私立の学校を選択するケースもあるでしょう。このような場合、足りない部分は「持ち出し」だと聞きます。本当に人生をかけたボランティアです。

ボランティア・・・様々な分野のボランティアがあり、この世界にも権力闘争があることを知り驚きましたが、ボランティアをする人の中には「1円も出費したくない」人や「暇だから友達を探したい」人や「解雇され仕事がなくお弁当を食べれるので」という人など様々な人がいろんな思惑を持って参加することもあるようです。これと里親さんを一緒に考えた場合、理解不能となるでしょう。理解できないから除外する・・・これが現在の状態であると感じています。自分のお金を使ってまで、24時間他人の子どもを育てるなんて何のために?と理解できない人が殆どなのです。それには、宗教の違いもあるでしょう。日本は血縁を重んじますから。しかし、そんな日本にも社会貢献として里親をしている方々が存在します。この大変な社会貢献をする方々に、もっと休暇をあげてもいいのではと思います。行政も社会も政治家も、里親さんを「利用」「活用」するばかりではなく、もっと実情を知る必要があると思います。時々、「里親制度を活用する」という言葉を耳にし、心のない表現だと感じ悲しくなります。





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里親講演会のポスター完成

2009-10-07 18:31:20 | 養育里親制度



11月7日(土)に白河市中央公民館で行われる里親講演会「里親という生き方」のポスターが完成し、現在印刷中です。
ポスターデザインは、いつも格安ボランティア料金でお願いしている方に、またまた無理を言ってお願いしました。お花とオレンジのリボン(子ども虐待防止のオレンジリボン)の輪をとお願いしたのですが、想像以上に素敵な仕上がりになりました。Iさん、本当にありがとうございました。
講師の里親さんのお名前は、ネットですので伏せさせていただきました。また、下の後援ですが、福島県は(予定)ですので、却下されたら忙しくなります(笑)。すぐにOKをくださったNPO法人児童虐待防止全国ネットワーク(オレンジリボン事務局)の皆さま、本当にありがとうございます。里親から始まったオレンジリボン運動、今年も頑張ります。

地元白河市では、長年里親不在であったために様々な中傷も受けます。事務局には子どもがいませんので、「子どもが欲しいんだろう」などとも言われていることでしょう。そのような中傷はあまり気にならないのですが、このような状況では里親制度の普及は難しい。今回講演してくださる里親さんは、実子とともに里子さんを育ててきた方です。お話するたびに感動します。本当に優しくて素敵なご夫婦です。ボランティアの世界でも、地位や名誉を求める人が多い現在に、人知れず愛を与え続ける人もいるのです。ぜひ多くの方に参加していただきたいと思います。


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