私の実家の菩提寺でもある寺は、広い境内を持つためか、猫の遺棄が多く(参道に住んでいた住民談)、捨てられた猫が可哀想だと・・・思ったのはお寺敷地内の長屋に住み質素な生活をされていた高齢の一人暮らしのお爺さんでした。
私たちは、市内愛猫家数名より相談を受け、11月に現場を確認しました。その中で、人から忘れ去られたような場所に住むお爺さんが、捨てられた猫に餌を与えていることがわかりました。Nさんは、猫を守るためか、最初は怖い表情をされていましたが、キチンと説明をさせていただき、野良猫の不妊去勢手術に納得いただくことができました。
また、
ご住職には、TNRの説明をさせていただき、「増やさないことが重要」ということに了承いただきました。その後も、報告をさせていただき、TNRをするという条件の下で、寺敷地内のNさん宅前で今まで通りに餌付けをすることにご理解をいただきました。
なぜなら、
長年、ここで産まれ育った飼い主不明猫たちです。突然餌やりを止めれば、他の近隣へと広がります。寺ほど広大な敷地はありませんので、
今までの数倍、数十倍かもしれない多くの住民が迷惑をするのです。また、これに関しては、
動物愛護法により、長く餌付けをしてきた動物への餌付け中断は、虐待行為となっており禁止されております。この場で、自然に減少させることがベスト。そして、人馴れした猫は、譲渡していくことが必要なのです。
しかし、20キロ圏内のペットたちの悲惨な状況を見てもわかるように、
福島県は動物に関しても大変に遅れた地域です。これは、福島入りをされている日本各地のボランティアさんの間では有名な話。その中でも、白河市は遅れていると思います。
当会は、TNRの費用などをすべて支払い、
お寺からは1円もいただいておりません。また、深刻な虐待を受けた猫(棒等で殴られ4か所の骨折をしている)他重症の猫計3匹は、リターンさせずにおります。その中の1匹は、静岡県の獣医師さんのご厚意により、全額無償で治療を受けております。本当に有難いことですが、有難く思えない人が多いことが残念でなりません。
TNR後、Nさんは突然体調を崩されました。しばらくは、安否の確認もあり、毎日お訪ねしました。その際、玄関まで出られることも大変なご様子がわかり、玄関前での餌付けは私がするので、安心して休養されてくださいと申し上げました。その後は、部屋の気配で安否を確認させていただきました。その後、お子さんに引き取られ引っ越すという連絡を周囲からいただきましたが、「猫に餌をあげないと、お腹を空かせて散らばり、周辺の方々に迷惑を掛ける」と非常に気にされていたそうです。Nさんには、「Nさん宅の前で、今まで通りに餌付けをするので安心してください」とお伝えくださるようにお願い致しました。そして、TNRから約一か月後、Nさんは亡くなられたそうです。
1人の高齢者が、最後の最後まで気にかけていた心配事。私は、少しでも安心していただけたのなら、TNR費用も無駄ではなかったと思いました。それは23匹分他、リターンできない猫の費用もありますので、20万円ほどにはなるでしょう(寺や住民からは1円もいただいていない)。また、ボランティア獣医師E先生のご負担と猫への想い・・・これを考えると、私の負担など安いものかもしれません。E先生には、いつもいつも感謝の気持ちでいっぱいです。
重症猫・・・先生は、片手に猫を容れたケースを持ち、新幹線で静岡まで帰られました。その後、人馴れしていない野良猫ですので、看護師さんと数人での治療が毎日続いているそうです。こんなに大変なことを無償でされる獣医師さんがいる。こんな感動と出会えるから、理不尽な要求にも耐えられるのかもしれません。
お寺の猫のために、白河の猫のために、本当に有難うございます。
しかし、残念ながら、本日お寺の方より、餌付けを止めてほしいとの話が事務局にあったようです。まだ住職とは話していませんが、非常に残念でなりません(先日までの話と違うので)。
今後、環境省のガイドライン及び動物愛護法についてのご説明をさせていただきます。それと同時に、深刻な猫の虐待が行われる地域で、餌付けを止めれば殺害や虐待が増えるでしょう。野良猫たちは、TNRしたにも関わらず、殺される可能性が高い。この危険性を訴え、シェルターに移動させるための資金へのご支援を全国の皆さまにお願いしたいと思います。それと同時に、
近隣町内の方々にもご説明を差し上げ、こちらに猫が移動する可能性を指摘し、ご支援をお願いしていくことも検討致します。
※当会は、更なる遺棄があるとご迷惑をお掛けすると考え、場所等を公開しませんでしたが、今後は、公開させていただきます。
また、白河市全域が、野良猫にとって危険な地域だと考えられます。早急にTNRを勧める必要があります。この活動へのご支援をお願い致します。すべてを公開し、広く多くの皆さまにご支援をお願いします。そのためには、不本意ながら、白河市で起こった出来事を、皆さまにお伝えし、ご理解いただくしかないと考えております。
Nさんは、ご自分の食べるものも減らして、猫たちに餌をあげていたそうです。参道をNさんが歩くと、猫たちがゾロゾロと歩いてきたと聞きました。参道入り口に来ると、猫は止まりNさんを見送る。Nさんは近くにたった1軒あった生協に買い物へ行き、戻ると野良猫たちに餌を与えていたそうです。この光景が何年も続いたそうです。
Nさん、私は嘘つきにはなりたくありません。Nさんが、死ぬときに私を信じ、安心して天国に行かれたのだとすれば、私は彼らを何としてでも守ります。そうしなければ、天国へ行った時に、Nさんに謝らなければなりませんから。猫たちを残して、どんなにか不安だったことでしょう。死ぬ間際の高齢者に、嘘を言うようなNPOなら、存在意義などありません。
今後は、ブログでの発信も本気でやりたいと考えております。白河市に愛猫家は少ないかもしれませんが、世界にはたくさんいるはずです。フランスや東京の方々から、声援とご支援をいただいているのですから。
勇気を持って頑張ります。
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