昨年4月8日、白河市内農村部で1頭の母犬と4頭の仔犬が捕獲されました。通常は、抑留場に収容されます。老朽化した県南保健所抑留場では、授乳中であっても母子は離されるそうです。しかし、全頭引き取ると申し出ていましたので、担当職員さんのご配慮により、捕獲当日より、我が家に母犬仔犬を迎えることができました。あれから1年が経ちます。あの時のことを懐かしく思い出しています。
知人宅の納屋・・・納屋?昔住んでいた家を放置しているようです。知人も知らないい間に、母犬と仔犬4頭が住んでいました。母犬グレースは、前年末より放浪し、その後妊娠、この廃墟で独り子育てをしていたようです。
このベッドの下に仔犬を隠し、餌を求めて歩いていたようです。仔犬たちは、母犬の言いつけを守り、危険が迫った時以外は、ワン!とも言わず、おとなしくしていました。多分、帰るとベッドの上で、親子で寝ていたのでしょう。
昨年4月8日早朝より、県南保健所捕獲車と共に、担当の行政獣医師2名が捕獲に来ました。グレースは、人懐こい犬ですが、仔犬を育てているので非常に警戒心が強く、捕まえることができませんでした。
シッポを丸め、怖がりながらも餌を食べています。妊娠期と授乳期は、通常の何倍もの栄養を必要とします。きっと、近隣の方々の慈悲により、生き延びていたのだと思います。
仔犬がいるので、警戒しています。
保健所の獣医師が仔犬を保護。HPにアップするために写真を撮っています。
仔犬たちです。キャリーケースに4頭はいるほど小さかった仔犬たち。
仔犬が心配で吠えている母犬グレース。仔犬がいる限り、母犬は逃げません。しかし、仔犬を保護すれば、母犬も消えるでしょう。何としてでも、この日母犬と仔犬を捕まえなければなりませんでした。
賢いグレースは、捕獲器には入りません。職員さんたちは午後から別の仕事場へ
急遽、オリジナルの柵を作り、夕方まで粘って、やっと保護しました。どのような性格か不明なので、職員さんにSOS!無理して、噛まれた場合、噛み犬というレッテルがつきます。それを避けるのが、犬のためだと思いました。
夕方、職員さんが到着し、首輪をしていただきましたが、嫌がる気配もなく、本当に人懐こい犬です。
突如、大家族を迎え入れた我が家。ミニドッグランをグレース親子に使っていただきました。昼間は、座布団の上で日向ぼっこ。夜はハウスの中で一緒に寝ていました。もう少し発見が遅れたら、野犬になっていた可能性もあります。人に唸るようになれば、殺処分だったことでしょう。奇跡のような出来事でした。まだ不安そうな表情をしているグレース。
獣医さんによれば、グレースの仔犬は、もっといたようです。栄養不足で育たなかったのかもしれません。昨年は大雪もありました。その間、どうやって餌を調達していたのか?その時のグレースの気持ちを想えば、人間の苦労が小さく思えます。
コロスケ君(旧名ワトソン)
最後の最後までご指名をいただけなかったワトソン君。向こう側はゆずちゃん(旧メアリー)。
2匹が残り、メアリーが茨城県の大家族の一員となりました。
最後の最後、幸運が待っていました。
昨日、コロスケ君の現在のママさんより、写真とメールをいただきました。4月8日の記念日を覚えていてくださった本当にお優しいご家族です。
グレースは20キロ弱ですが、30キロの体格に成長したそうです。現在は、東京都世田谷区の一戸建て住宅で、室内犬として生活をしているコロスケ君です。ネットを通じてのご縁ですが、こんなに素敵なご縁もあるのですね。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。コロスケ君のご家族様、本当に有難うございます。
母犬グレースの今朝の日向ぼっこ風景。
年齢不詳ですが、白髪を見ると高齢出産だったのかもしれません。動画を撮りましたので、宜しければご覧ください。
母犬グレースの近況
今後とも宜しくお願い致します