特定非営利活動法人白河花里倶楽部れぽーと

東北の南端福島県白河市で活動するNPO法人。2017年10月より、動物関連はアメブロ「花里れぽーと」で更新致します。

飲酒と貧困 薬物依存と飲酒

2010-02-10 11:24:24 | 生活困窮者支援

 生活困窮者支援をする中で、「飲酒」の問題に直面することがあります。これは本当に深刻な問題です。「飲まなきゃ好い人なのに・・・」なんて言葉をよく耳にしますが、飲むんですよ。止められないんです。
 以前、生活困窮者支援をした際に、バザーやカンパなどで集めた資金(本当に大変な思いをして集めても少し)を財源に、参加者には納得していただき「有償ボランティア」という形で美化活動を行いました。お昼も送迎もボランティアで行います。もちろん、ボランティアは持ち出しはあっても無償です。そして、一日が終わり・・・「これから飲みに行く」という言葉を聞いた時の脱力感は忘れることができません(笑)。立場上、笑顔を固定しますが、引き攣った笑顔だったでしょう。
 生活困窮者が困窮から抜け出すにはアルコール依存症を克服する必要があります。貧困と飲酒で検索するとウィキペディアにこんな文章がありました。

飲酒と貧困 には、世界の貧困問題と不可分である。世界的に、学歴が低く、低所得、失業中などの人において飲酒率が高いことが多数の統計的研究によって裏付けられている。~ウキィペディアより

 信憑性は不明ですが、これは周知の事実だと思いますので引用させていただきました。
 貧困者支援をしていた救世軍も飲酒の問題に直面し、アルコール依存症の施設をつくっています。信者は飲酒を絶つそうです。ちなみに、私の父は救世軍の信者ではなかったのですが、山室軍平氏の思想に共感していたようで、お酒を飲めるのに飲みませんでした。父も母も全く飲みませんでした。ある日、台所で焼酎の文字を見た父は非情に驚き、「酒は諸悪の根源だ!」と叫び驚きました。「すべての過ちは酒から起こる」とか何とか言ってました。その後、山室軍平氏の活動と、お嬢さんの山室民子氏に父が信仰的に励まされていたことを知り、理解したのですが、当時は目が点状態でした。親と言うのは、子どもが理解できなくても言う必要があるのでしょう。

 なぜ貧困状態の者が飲酒に走るのでしょう。

 「時間があるから。暇だから。仕事があれば終わるまで飲まない。」そんな言い訳を耳にします。しかし、自分でコントロールできない人が多い。毎晩飲まなきゃいられない人が多い。これが問題です。世界的スターのマドンナは、飲酒どころか肉食も絶ち、ものすごい運動を自分に課しているそうです。食べる楽しみやお酒の楽しみよりも重要なものがあるからでしょう。スターでいることは彼女にとって飲酒などとは比べることができないほど重要なのだと思います。とすれば、酒以上に楽しいことや重要なことがない人たち・・・となりますが、どうでしょうか。
 私自身、シェーカーを自分で振るほどのお酒好きです。ですが、健康上の理由で(肝臓ではありません)お酒を止めようと決心したことがあります。その時、虚無感に襲われました。一日が終わらないような、楽しみを奪われたような、そんな感情です。もし健康上の理由でなければ・・・克服できなかったかもしれません。でも発作の痛みと飲酒の楽しみを比較した時、健康であることの方を選ぶ自分がいました(正解)。では、私はどうしたでしょう?

 まず、晩酌の時に飲酒をするのが習慣になり、それを一日の終わり=楽しみと自己設定していたことに気付きました。夜の楽しみを別なモノに設定することが必要なわけです。ということで、私はスカパーのミステリードラマを観るようになり、それを楽しみにするように自分を持っていきました。それを観ながら女性らしく編み物や縫物をしました。そして、寝る前の楽しみとしてココアを飲む習慣をつくりました。自分を説得し、それを楽しみにするようにコントロールするのです。結果は成功。女性らしい趣味を持つ自分が存在し、満足しています

 では、多くの人が私のように克服できないのはどうしてでしょうか?

貧困者のホビーの欠如

 だと思うのですが、どうでしょうか?
薬物依存リハビリ施設ダルクさんでは、入所者をとにかくアチコチ連れまわし気分転換させ、農作業や音楽などで得る高揚感を体験させるそうです。薬ではない高揚感を体験させることが重要なのでしょうか。動いて疲れればグッスリ眠る。この繰り返しで意識を薬物から離すのでしょう。
 飲酒も同様に酒以外楽しみやホビーが必要なのでは?また、飲酒が習慣となっていることが問題です。歯磨きのような習慣になっているケースが多い。お酒を飲んで楽しかった経験や嫌なことを忘れられた経験がインプットされ、お酒を飲めば・・と習慣にしているように思います。周囲のアルコール依存者を見ると、「お酒」以外に楽しみはないようです。女性も男性も、早い時間から飲んでいます。

 そして、何より飲酒により失うものの大きさ。支援していた方は、飲酒状態になると暴力的になるのですが、ある時あるイベント会場で私に殴りかかりました。警察官も入る大騒ぎ。その他、様々な問題行動があり、支援は打ち切りとなりました。支援よりも何よりも、信頼を失ったのです。私だけではなく、多くの人の信頼を失う行動がありました。昼間からお酒を飲む、金がないと騒いでも同情する人はいない。深刻な問題です。
 このようなアルコール依存症の方々が生活保護を受給したとしても、朝から酒を飲み体を壊すのではないでしょうか。事実、そのようなお店が市内にありました(今は閉店)。


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NPO法人申請 取り下げの報告

2010-02-08 13:19:50 | 日記

花里倶楽部は、NPO法人申請を昨年9月に県に受理していただき、現在申請中だったわけですが、事情により取り下げすることになりました。審査も終わり1月末に設立認可がおりたようですが、最終連絡をいただいた時に「理事の変更」はやり直しになると教えていただき、残念ながら取り下げした後に、再度申請することになりました。

理事の変更ですが、花里設立当時から力になっていただいた理事が他界されたためです。頼りにしていた方なので本当に残念です。ご冥福を心からお祈りいたします。

再度・・・ということで、早くても3カ月はかかるそうです。ちょうど春ですね。人生には「待つ」ことも必要な時が多々ありますので、のんびりいきたいと思います。ただ、失業中の方々の生活が困窮していることが気になります。緊急雇用対策を拡大していただきたいと思います。

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