老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

  彼岸花

2020-09-29 18:06:35 | シニア
     


曼珠沙華が見ごろの公園に。
最近は公園の管理も大変らしく、一年ごとに花がまばらになってさみしくなる。

それでも見る楽しみの場所があることは、喜ばしいと秋の半日を楽しんだ。


畔道や堤に咲いているのは、この朱色の曼珠沙華だ。

この公園は、品種改良をした色ばかりだ。

ピンク、黄色、白、と色とりどりで、優しい花色ばかり。

曼珠沙華は法華経から出た言葉で赤いという意味だそうな。

彼岸花、、これはまだ普通。死人花、幽霊花、捨子花等々、マイナーな名前をもっている。

忌まわしいと思う人と美しい花と思う人が、、、

この花は根に毒があり、土竜が畔道に穴をあけるので、この花を植えると、田んぼに張った水が漏れぬようになる。土竜除けの役目を負って畔や池堤を飾っているらしい。

私が子供の時の記憶。
遊び仲間と少し遠出をして、町はずれまで足を伸ばした。

連れが
「この家は、おんぼーが住んでいる」
なぜか小さい声で秘密めいた言い方。意味深長で普通でない雰囲気だった。
「へー」
聞いても意味は分からないだろうし、聞たら悪い気がした。

川淵の小さな家の辺り一面をこの赤い曼珠沙華が咲いていた。

手を引かれ、走ってその場から遠のいた妙な記憶があるのだ。

私の知っていたのは、この家に住んでいる夫婦は戦争中に都会から疎開をしてきて、そのまま、この町に住んでいると、、、そんなことを誰かに聞いたような?あえて大人の事情や生活には興味がない、全くのその日が暮れたらよい子供であった。

     

                    
曼珠沙華の印象はその時の記憶がいつも心の底にある。
死人花、捨子花、、、とマイナーな感情を思いおこさせるのだ。
幼友達の感情が分からぬまま私に移入をしたような。
曼珠沙華を見るといつも、いつもこの時の記憶が甦る。

どこの町でも同じような環境の人がこの職業に就いて都会へは戻らずにいた。
なくてはならぬお仕事に従事をしてくれたとは、成長をしてから思った。

   

    
今日、曼珠沙華を見に来ている人たちは我々の年代の人ばかりだった。

コロナの事を忘れ、しきりに写真を撮っている。そのうちの一人が私。

平和がいつまでも続くことを、、、

そしてパソコンにゲームに身を入れて極楽とんぼの生活を送っているが、、、
有難い田舎生活 🙌  バンザイ 。
涼しくなって体の調子も少し良いしな~。


     🐢     故郷は過疎となりゆく彼岸花

     🐢     立ち枯れの朴の木秋の日照りなる





コメント
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