まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

「秩序を乱す」という理由って、何?

2007年01月30日 | ニュースに絡んで
あの頭痛はなんだったんだろうか。随分、正気に戻った気がする。
というわけで、少しは、論理的に考えられそうです。

今回も、日本の会社の常識ということで。

職場の酒席で上司を批判 「4階級降格は妥当」 逆転敗訴で上告 札幌高裁判決

  職場の懇親会での発言を理由に、管理職の部長から四階級降格の処分を受けた
  のは違法だとして、空知土地改良区(滝川)の総務部長だった男性(58)が
  地位確認を求めた訴訟で、札幌高裁(末永進裁判長)は、男性の請求を認めた
  一審判決を取り消し、

  「管理職は酒席でも節度ある言動が必要」として、男性の請求を棄却した。

  男性は高裁判決を不服として二十九日、上告した。

  男性は「酒席での役員批判を理由に四階級も降格させるのは裁量権の逸脱で
  違法」などと主張。
  改良区は「発言は職場秩序を乱すもので、総務部長の素質に欠ける」と反論した。

  高裁判決は「懇親会の費用は改良区が負担しており、職務に関連がないとは言
  い難い」とした上で、「総務部長には酒席でも節度ある言動が求められる」と
  した。

ホワイトカラーエグゼンプションに関する議論が白熱している中で、
日本という国で常態化している、「業務」の考え。
えーっと、懇親会も、業務の一環というお答えでした。
すんごく、毎度、日本的。

確かに、どのような人物なのか、どういう業務なのか、これでは判断しかねますが
最近の政府の考える、
自分の判断で、業務をコントロールしなさい。
休日も、残業も、個人が個人の裁量で行う。
そのための一つの方法として、ホワイトなんたらを推進しています。

ところが、実際はどうなのかわかりませんが、この判決。
「発言は職場秩序を乱す」という。
20年も前に、同じ理由で、降格処分を受けた前歴がある職員ということですが、

秩序を乱す。
この「考え」が、いかに日本の会社に蔓延しているか、
これがために、勤務時間を、個人でマネージメントすると、
どうしても「勝手な行動」ととられかねない。
こういう声が、いかに多いか。

年齢給を捨て取り入れた成果主義で、年俸制というものが、
どうして「破綻」するのか、
繰り返し指摘される中で、
また、同じ理由で、その議論なのか喧嘩なのか、酒席での暴言なのか
その何が不適当なのか「理由」も示さずに、
個々のやり取りの「内容」を開示することなく、
「秩序を乱す」ということを最大の理由にしてしまっている。

少子化の問題として、「一家団欒」の時間を増やそう。
そういう声も閣僚から聞こえてきますが、
先にあげた商社の社長さんは、
残業をしてでも、スキルアップしたいと考える若者に、
残業をさせてはいけないという制度の為に、叶える事ができない、
なんて「とんでも発言」しておりました。

要するに、個人の成果を何かしら期待する、
業績は、個人の力量と作業内容に反映されるものである。
それだったら、そういうことを前提に、
司法も、そういう「判決」を出してほしかった。

例え準公務員という今回の方であったにしても、
秩序に重きを置くこの社会では、特に、公務員の世界が如実に表すように、
「個人の裁量権」の逸脱とは、いったいどこまでなのか、
明確に判断がつかなければ、
管理職まで、その能力を認められて登用された人間でも、
簡単に、秩序の中で、降格されてしまう。

色々議論があろうかと思うし、ある意味、ホワイトカラーエグゼンプションは
適用できる所もあるとは思う。
が、いまだ、日本的な会社観が残るこの国で、
アメリカなんか、当然のことだなんて理由で導入しようとする発想。
あまりにお手軽すぎて、またか、なんて思ってしまうんですが。

なんて、くどく、連日に渡りましたが、
頭が、まだまだ、ちゃんとしていません。
はぁぁぁぁ。悲しい。