まなびの途中

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海外日本食レストラン認証は、農水省の生き残り戦略か

2007年01月11日 | 社会的全般
最初、自分も何だか妙なことにならなければいいのにな、
と思っていた。

海外日本食:変わった味に”選別”必要?

  海外の日本料理店で出される「ちょっと変わった日本食」を“選別”する制度
  を、農林水産省が検討している。背景には日本食材の輸出もあるようだが、お
  役所が味付けにまで注文を付けることに疑問の声も少なくない。

  農相は「日本の農林水産物は世界の市場で十分受け入れられる」と主張する輸
  出促進論者。優良店構想には、沈滞する農業を食材の輸出増で元気にする狙い
  もある。具体化は同省の有識者会議で検討中で、07年度にスタートする予定だ。

例の、「認定制度」みたいなやつ。
自分は、海外旅行など行く機会が今のところないので、スルーな記事だったが、
どうやら、色々な事情があるようです。

日本でも、本場が顔色を失うような、ピザやらスパゲティーを提供している、
イタリアンレストラン、通称イタ飯なんて感じで利用しているが、
「味」が勝負ということで、どういうものであれ、
行きたくなければ行かないし、利用もしない。

まぁ、日本料理は、案外、素材勝負。
お寿司など、海外では定着し始めているが、テレビで紹介される「ご当地巻き」
なんかは、とても食べたいとは思えないし、
そもそもあれは、寿司なんだろうか?と思うことが多い。

とは言っても、日本料理風な料理に、いちいち目くじらをたてることも
あるまいし、認定などと、事を大事にするのも、大人気ない。
多分、世間ではそんなトーンであるようだ。

こういう「認定」みたいな作業。
どうして農水省が?日本ピーアールみたいな作業を?

昨今の世界情勢の中、物品の輸出入に関しては、「障壁」を取り除く作業が
どこも盛ん。
経済産業省やら外務省などが、積極的に「多角的な貿易自由化や
通商ルールの整備」を進めているが、
農水省は、必ず自国産の農産物保護を打ち出し、「足を引っ張る」省として
有名だ。(理解はしているつもり)

おまけに、国内では、農業経営の再編など、農協問題やらあって、
ある時には、「こんなに予算、いらないんじゃないか?」など、
非常に影が薄くなってきているのは間違いない。
頑張ってほしいところなんだが。



この省が、今、まさに取り組んでいることは、「農林水産物等の輸出促進」!
「皆さん、日本は農林水産物の輸入国だと思っていませんか」

このキャッチフレーズ。
2004年度実績で3000億円を、2009年には倍の、6000億円に
したいという目標があるのだ。
そして、画像が、その決意を表明する「輸出促進ロゴマーク」なんである。

すでに中国、マレーシア、シンガポール、タイにはその為の常設店が。
アメリカ、アラブ、イギリス、そしてフランスには、
「展示・商談会」が設営。

さらに、農林水産物等輸出促進メールマガジンが、昨年9月から毎月発刊。

   農林水産物等の輸出拡大は、国内生産の拡大を通じて農林漁業者
   の所得の向上等に寄与するという直接的な意義を有しますが、それに
   とどまらず、自分が生産した農林水産物等が海外で高い評価を受ける
   ことにより、農林水産漁業者の発想の転換、勇気と活力にもつながり、
   農林水産業の活性化が図られるという、極めて大きな意義があるもの
   と考えています。
   さらに、日本の食生活・食文化の良さが海外で評価されることに
   より、国内での再認識につながることも期待できるのではないかと
   考えています。

そうなんです。
この「政策」の一環として、行われる作業なんです。

以前、いちごの、とある品種を持ち帰り、
栽培して、とある国のいちご消費を拡大させた「事件」がありましたが、
その国では、いちごはいちご、「特許」もへったくれも、
農産物にあるものか、という市民の声が取り上げられていましたが、
もちろん、「遺伝解析」を含めた「部署」もございます。

ただ、今更ながらという声もあります。
国内で、生かさず殺さず、法人化なんてご法度!
補助金行政で、農協の指導の下、「完全管理下」が大自慢だった「農水省」。
異端であった「ブランド戦略」を、どうやら推し進めるようです。
何だか、生き残りをかけて、というエネルギーを感じますが、
そっちに、使うのか?という気もいたします。