マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

デング熱

2014年09月20日 | 診療
デング熱。
今度は上野公園ですか。
まだもう少し続きそうですね。

外来でもたまにデング熱とか違いますか?と聞かれてしまいます。

正直。。。

診たことないのでわかりません^^;

今回の一連の感染報道も、そもそものきっかけは、
たまたまデング熱などに詳しいドクターが疑いを持って検査を依頼したら、
まさしくデング熱だったとお話。

で、少なくとも都内ではある程度の患者さんがいるというわけで、
日本国内で他でも確認されてもおかしくないということになります。
典型的な経過をたどる場合くらいは疑えるようになっておかないといけませんね。

というわけで、今更でもありますが、
そして、すでにご存じかもしれませんが、自分のためにも少し触れておきます。


デング熱は、日本ではウィルスを持ったヒトスジシマカ(ヤブ蚊)に刺されると感染する可能性があります。
たとえ感染したとしても、発症するのはそのうちの10~20(~50?)%程度とされています。

自然経過で治癒するデング熱と、
ほっといたらやばい、重症型のデング出血熱やデングショック症候群の2つに分けられます。

蚊に刺された3~7日後に発症し、
発熱(38~40℃)、頭痛(目の裏が痛い)、関節痛、下痢などの症状が5~7日間続き、
熱が下がる頃に皮疹が現れます。

デング熱の皮疹は、全面が赤くなり、中に白い斑点がポツポツとあるのが特徴で、
風疹のような発疹で終わる人もいるとされるのが悩ましいところ。

蚊に刺されたという事実と、
その後の高熱に加え、頭痛、目の奥の痛み、ふしぶしの痛み、筋肉の痛みがあれば疑いが。
逆に、咳、のど痛、鼻水などの症状がある場合はデング熱の可能性は低くなるとのこと。

高熱が続いて消耗するか倦怠感が強い、食事や飲水が十分にできないなどで入院になることもあるようです。
熱が下がり始める発熱から5~7日後に全身倦怠感が強く表れ、重症化する可能性があるので一応油断できませんね。

デング熱には特効薬はないため、対症療法しかありません。
解熱剤もアスピリンやロキソニンなどは使用できません。
アセトアミノフェン(カロナールやコカールなど)のみですね。

ということは、明らかな重症化のサイン
(不安・興奮、多汗、末梢冷感、鼻出血・消化管出血、血液検査異常など)がない限りは、
あわてずあせらず、おとなしく治るのを待つだけということに。

ワクチンもありませんので、対策としては蚊にさされないようにするしかありません。
一言で済ませると簡単ですが、実行は難しいですけどね。





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目次(湿疹:アトピー性皮膚炎、ステロイドなど)

2014年09月20日 | 目次
乳児湿疹

アトピー性皮膚炎

肌の強い子

ステロイド軟膏

ステロイド

ベルツ水とミョウバン水

アトピー性皮膚炎と海水浴



蕁麻疹

水イボ(伝染性軟属腫)(その1その2その3

とびひ(伝染性膿痂疹)

あせも
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