マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

インフルエンザワクチンと卵アレルギー

2011年09月30日 | インフルエンザ/ワクチン
インフルエンザワクチンは製造の過程で鶏卵を利用します。
そのため、極微量とはいえ、鶏卵の成分がワクチンに含まれる可能性があります。

ただし、現在ではワクチンに含まれる鶏卵成分は極めて微量のため、
卵アレルギーに関してそれほど神経質になる必要はないと考えています。
アナフィラキシーショックの既往があるなどよほどの重症の場合は少し慎重にならざるをえませんが、
そこそこの卵アレルギーであれば、実質「気にせずに」接種しています。
うちの上の子だってそうですし。

むしろ、卵アレルギーがあろうが、なかろうが、
ワクチン自体へのアレルギー反応は誰にでも起こりうるわけですから、接種した後が大事だと思います。
院内で少なくとも30分は様子をみてもらっているのもそのためです。
とはいえ、30分大丈夫だからといって、その後何も起こらないことの保証にはなりませんが。
実際、接種後1時間とか、数時間後とかにアレルギー症状が起こることもありますから。
帰ってからもできたらおとなしくね。。。は無理と知りつつ言ってますが、大事なことなんですけよね。

それでも卵アレルギーが心配で。。。という場合は、
うちなら、昼の部の一番最後に接種して、しっかり経過観察するのが一番いい選択だと思いますよ。
相談してもらったら、そのあたりは配慮しますので。

ちなみに、MR(麻疹・風疹)ワクチンも同じ扱いですね。
卵アレルギーが一人歩きしないように注意ですね。

インフルエンザワクチン(接種したほうがいいですか?)

2011年09月29日 | インフルエンザ/ワクチン
これまた毎年よく聞かれることですが。

「インフルエンザワクチンは接種したほうがいいですか?」

インフルエンザはワクチンを接種していたとしても、
ある程度の子がインフルエンザにかかってしまいますので、
どうしてもこの手の質問はなくなることはありません。
お金もかかりますしね。

定期接種になってしまえば問題なしになるのですが、
以前の集団接種(1962-1994)が中止になって以降、
今のところ、定期接種になるほどの話は聞こえてきませんね。

集団接種がなぜ中止になったのか。
「インフルエンザワクチンは無効!」という流れが加速し、
接種率が低下し続け、最後には任意接種になったということのようです。

無効だとする報告に問題もあるとの意見もみましたが、
いずれにせよ、中止になってしまったのは事実です。

集団接種が中止になってから、なぜだかインフルエンザ脳症の報告が急に増えるようになります。
インフルエンザの診断方法の進歩や脳症・脳炎の診断方法の進歩だけの問題なのでしょうか。
インフルエンザ脳症という概念が知れ渡るようになっただけの話でしょうか。

年によってばらつきがあるものの、年間で100~300名程度の脳症・脳炎が報告されます。
確かに、ワクチン接種していても脳症を発症したという例もあることはありますが、
個人的には脳症・脳炎の子をもうみたくないということだけでも接種しておいてもらいたいですね。
大きな病院で重症の子をみておられる先生たちはもっと切実に感じておられると思います。
ワクチン接種以外に脳症・脳炎に関しては、うつ手がないからです。
ワクチン接種済みで亡くなった子はいまのところ聞いたことがありません。
唯一、新型インフルエンザで、ワクチン接種済みの成人女性が脳症で亡くなった話は聞いています。

ワクチンを接種してなかったのに、インフルエンザにかかってしまい、
やたらとしんどそうなわが子を目の前にして、ワクチンを接種しておけばよかったと思う親御さんもおられます。
逆に、せっかくワクチンを接種していたのに、インフルエンザにかかってしまって、がっかりな親御さんもね。
毎年接種していたのに、意味ないかなとやめた時に限って、きっちりかかって後悔なんてケースも。

かかって免疫をつけたらいいという意見。
かかってもタミフルなど治療薬があるのだから、すぐ薬で治せばいいやんという意見。
たしかにインフルエンザも普通は何もしなくても治る感染症なのですから、一理ありともいえます。
タミフルは散々叩かれましたが、他の抗インフルエンザ薬が続々と登場してきましたし、
治療の選択の幅はこれまでとは比べ物になりませんしね。

そんなこんなでも、トータルとして、インフルエンザワクチンは接種するだけのメリットは大きいと思います。
「接種していてもかかる」が強調されやすいですが、「かかりにくくなる」のも事実ですし。
あとは、お金がかかる・100%安全なワクチンは存在しないという点とで、
天秤にかけてどうしますか?。。。でしょうか。

400g超

2011年09月28日 | その他
昨日は下のチビがいつもにも増してハイパー状態
結局寝たのは23時。。。

まあ。。。
あまりにテンション高くて、こちらも笑いっぱなしやったんですが^^;

さて、昨日は、朝、嫁・チビ×2を送りだして、自分もでかけるまでちょっとだけ時間が。
晩ご飯の予定は叔父からもらってあった黒毛和牛ヒレ♪
冷凍してあったので、とりあえず出しておいて、出かける直前に冷蔵庫にもどすつもりでした。
そう、つもり。。。

出したことすら忘れて、出かけ、その足でそのまま出勤。
夜診が一段落したところで、嫁からメールが届いてました。

はい。
怒りのメールですね(≡д≡)
晩ご飯どうすんねんヾっ(`Д´)ノ゛ってことですね。
変な汗でますね。

すっかり変色してなんともいえないニオイを放っていたそうな(T-T)

多少傷んでいても、自分は食べるからと連絡しておきましたので、
色の変わった肉は冷蔵庫に眠ってました。
そう、大人×2+子ども×2でしめて400g超

確かに色的にはもう食べたくない色してます。
ダメもとで洗ってみます^^;
肉を洗ったのは初めてです。
そして、恐る恐る「ニオイ」チェック。
嗅覚には自信があります。
なんだかいけそうな予感です♪

牛さんに申し訳ありませんので、全部自分で責任とることを改めて決意します。

まずは1枚。
じゅー。
ジュー。
じゅじゅ~。

表面だけはいつもよりこんがり♪
焼けるニオイからはやはり問題なさそうです。
焼いてしまえば、色が変わってたのなんてわかりません(。-∀-)化♪

ヾ(@⌒¬⌒@)ノウマイウマイ♪
ビールもすすみます^^

もうこうなったら、1枚も全部も一緒。
うまい肉食べてあたっても本望です。
ビールでちょっとくらい消毒できんかなと素人まるだしな妄想も飛び交います。

結局全部胃袋に♪
何も問題なくても消化不良起こしそうですが、気にしない。
1時間くらいして、ちょっとだけ胸やけ!?感がありましたが、その後は無事。

そして今日も今のところ、何の症状もなし。
めでたしめでたし。
牛さんどうもごちそうさまでしたm( __ __ )m

インフルエンザワクチン(接種回数)

2011年09月27日 | インフルエンザ/ワクチン
途中まで書いていたのに、ワクチン不足問題で棚上げになっていた件です。


「2回うたないとダメですか?」

毎年よく聞かれます。

基本的に接種量と接種回数は規定されてますので、
「ほな1回でいいよ」とも言いにくいのは確かです。
添付文書ってやつはなかなか手ごわいヤツなのです。

でも、毎年接種しているのなら、1回でとしておられるところもあったのも事実。

また海外、たとえば、アメリカでは9歳からは1回接種で、
9歳未満でも毎年接種しているのなら、1回接種でとなっているようです。

今シーズンからは13歳未満の場合、接種量が増えました。
これに併せて、接種回数についても変更があるのかもとの話もありましたが、
結局今まで通りということになっています。
もしかしたら、来シーズンあたりには回数についても変更があるかもしれませんけどね。

あとは少なからずお金もかかりますので、
毎年接種してるからという理由で1回だけで済ませるのは、
それが親の判断であれば、頭から否定することはありません。

でもしつこいですが、あくまでも基本は、
生後6ヶ月~3歳未満が0.25mlを2回。
3歳~13歳未満が0.5mlを2回。
13歳以上は0.5mlを1回です。

ちなみに、うちのチビ(4歳、2歳)はもちろん2回接種の予定です。

インフルエンザワクチンの接種・予約について

2011年09月26日 | インフルエンザ/ワクチン
北里第一三共のインフルエンザワクチン240万本が出荷できないこととなり、
その影響で他のメーカーのインフルエンザワクチンまで入荷が難しくなっているのはお伝えしてきた通りです。

供給不足が判明して以降、これまでにある程度の数のワクチンを入荷する目処はたちましたが、
現状では、当初本年度分として予定していた数にはまだまだ届いていません。

今津の岡田先生がインフルエンザワクチン予約延期としておられる影響がどこまであるのかもわかりません。

接種時期が迫ってますので、病院の方針として、まずは予定通りに予約を受付けることになりました。
10月3日(月)から予約を開始します。
接種は10月17日(月)からです。

予定表はこちら

小児科だけでなく、内科などなどの予約も受付することになりますので、
入荷が確実な分の予約が埋まり次第、一旦予約受付を中止になることも考えられます。
入荷時期がはっきりしないけれども、遅れて入荷することは決まっている分もありますので、
入荷することがわかり次第、また再開という可能性もあります。

13歳未満は2回接種ですので、2回分の予約を一緒にお願いします。
風邪などで延期の場合は、予約分を押させておく形でさせてもらいます。

どうしても夕方の接種希望が多くなりますので、
昼でも可能であれば、できるだけ昼の部での接種にご協力お願いします。

運動不足

2011年09月23日 | その他
今日は嫁が朝から仕事でいないことになっておりましたので、
チビども2人を抱えて路頭に迷うことは間違いなしでございました。

そのSOSに快く応じてくれた友人一家とロクハ公園に繰り出してまいりました。

11時に落ち合って、思ったよりも長く(空腹を忘れてという面で)遊んでくれて、
12時にお昼ごはん。

なんとか無事?食べさせおわって、木陰を利用していたその木に子どもを登らせたくなります。
子どもをけしかけるには自分がやるしかありません。
午前中、いやに身体が軽いことに気をよくしていましたので、
何の問題もなく、枝の上に飛び乗っているイメージでした。

右足にかなりの痛みを覚えるまでは(T-T)

。。。足をぶつけた挙句、木にも登れず。

これはまるで、50M走をやったときに、「頭では走っているのに、足は空回り」な状況と同じではないですか!

そんなはずはないと、再度飛び乗ろう。。。同じ場所に痛みが(┳◇┳)

午前中で体力使い、昼ごはん食べてまったりした身体は早くも言うことを聞かんということですね><;
こんなところで年齢を感じている場合ではないのですが、現実はやはり厳しいようです。。。
おとなしく登って、上の子を引き上げて、目的は果たしたのですが、目標ができたってことに。

6月の激しい腰痛以降、かなり色々考えて身体をケアしているのですが、
「走る」を筆頭に、有酸素運動がなかなかやれません。

休みの日に、チビどもと遊びにいっても、上の子ですら、走るのはまだまだヘタクソですし、
ちょっとマジメに走ってみたら、泣かれます。。。
下の子はまだ走るなんて次元ですらなし。
子どもも利用しつつ、なんとかできないか考えないといけませんね。

来年度の50M対策もしないといかんのですが(*0*;)☆
運動会のリレーに出ずに済んで助かったと言っている場合ではないようです。

しかも、いつも夜に寝てくれなくて難儀している下の子。
今日はさすがにびっくりするくらいおとなしく落ちていきました。
まあそれまでに自分も落ちてたんですけど^^;

やはり「肉体的」に疲れが根本的に足らんのですね。
園でも自分から走り回るような子ではないし、平日は夕方に園から帰ったらもう外にはいきませんし、
そら運動も足りてないんだよなと再確認。
これから涼しくなってきますので、ロクハ公園へはかなりの頻度で突撃な予感です。

もちろん木登りリベンジは次回にきっちり果たしてきますがΨ(+Φ∀Φ)Ψ

インフルエンザワクチン(追加)

2011年09月20日 | インフルエンザ/ワクチン
昼ごはんを食べていると。。。

「O先生のところはインフルエンザワクチンしない」なんて情報がありますけど?と衝撃の話が。

早速HPで確認してみると。。。なんと本当です><;
正しくは、「予約開始の延期」なんですけど、接種の見通しはまったく立っていないのは事実です。

連休ボケしてる場合でなかったですね。
うちのかかりつけさんの分くらいはなんとか。。。なんて甘い考えは考える前に却下されてしまったことに。

ワクチンの供給量とその時期が具体的にいつわかるのかと、
他の医院・クリニックと高島病院の状況にもよりますが、
高島市や医師会で動いてもらわないと、どうしようもないことになるかもしれません。
そうなると、新型ワクチンの時と同じ。。。

ドタバタで申し訳ないですが、一旦予約開始の日は撤回させてもらいます。
日程はとりあえずそのままの予定にしてきますが、場合によっては変更することも検討します。

インフルエンザワクチンが

2011年09月20日 | インフルエンザ/ワクチン
当初、薬局から初期の分に関しては問題ないとの報告を受けた時点で、
自分の中ではもう解決済みな問題にすりかわってたんですが。。。


インフルエンザワクチンを製造しているメーカーは4社あります。

実は、先週にこんなニュースが。

(ここから)
第一三共は9月12日、インフルエンザHAワクチン『北里第一三共』と同シリンジの約240万本について、
9月中の出荷が遅延することになったと発表した。同社によると、品質規格試験で一部バッチ(製造の単位)で
外来性ウイルスの陽性反応があり、混入の可能性が判明したため。
(ここまで)

第一三共のワクチン「だけ」が乳児(6ヶ月~1歳未満)に接種できないし、
このメーカーだけシリンジタイプは0.25ml製剤が使えないとされていて、
なにやってんだか。。。と思っていた矢先のニュース。

それでも当院分のワクチンは他のメーカーもあわせてなんとかなったと勘違いしてたんですが、
今朝、薬局長から「予約の受付の時点から考えていかないと問題になるかも」との報告。

この土曜に日程決めたばかりなんですが(T-T)
と泣いたところで、院内の情報伝達がしっかりしていなかったのは自分が悪いわけでして。

「ワクチン不足を病院側の努力でなんとかするっていうのもおかしな話で」と怒る薬局長に激しく同意しつつ、
書きかけの「インフルエンザワクチンの接種回数」をどうするか悩むことになってしまいました。

第一三共って、ヒブワクチンで散々混乱を撒き散らかしてくれたメーカーなんですけどね。
ロタワクチンもなぜだか第一三共が絡んでくるんですよね。

しょうもないコマーシャルに金使ってるからだと僻んでみても仕方ないと知りつつ、
謝りにきてばっかりのかわいそうな担当MRは、これからも謝ってばっかりになりそうです。

予約開始までまだ少し時間がありますので、対応を考えます。
しばしお待ちを。

インフルエンザワクチン接種日程

2011年09月17日 | インフルエンザ/ワクチン
早くもインフルエンザの予防接種の時期がやってまいりました。

予約は10月3日(月)から開始します。

今年から「新型」の名前がなくなり、
「新型」も「季節性インフルエンザ」扱いとなっています。
A型とB型に対する混合ワクチンです。

以前にもちらっとお話していますが、今シーズンから接種量が変更になっています。
生後6ヶ月~3歳未満が0.25mlを2回。
3歳~13歳未満が0.5mlを2回。
13歳以上は0.5mlを1回です。

接種予定日は以下の通りです。
10月:17日(月)18日(火)24日(月)27日(木)31日(月)

11月:1日(火)7日(月)10日(木)14日(月)15日(火)
    21日(月)24日(木)28日(月)29日(火)

12月:1日(木)5日(月)8日(木)12日(月)13日(火)15日(木)
    19日(月)22日(木)26日(月)27日(火)29日(木)

 1月:5日(木)10日(火)12日(木)19日(木)

*接種時間帯は
 1.13-14時
 2.16-17時

*10月27日(木)、11月24日(木)、12月22日(木)、
 1月10日(火)・12日(木)・19日(木)は16時からのみ

*12月27日(火)・29日(木)は13時からのみ

*夕方は昨年も夜診との兼ね合いで色々問題がありましたので、
 受付時間と接種枠を3つに分けています。
 1.受付時間15時50分
 2.受付時間16時20分
 3.受付時間16時40分
 なるべく早めの来院をお願いします。

*接種費用は以下の通りです
 13歳以上:4000円

 13歳未満:1回目 4000円  2回目 3000円 
       (他院で1回目接種、当院で2回目は4000円)

子宮頸癌ワクチン

2011年09月13日 | ワクチン その他
ちょっと誤解があるのかも?というお話を耳にしたので、もう一度お話を。


自分がサーバリックスをすすめていると聞いたのですが理由は?との質問が。

いやいや、別にすすめたことはないんですけど^^;

情報が錯綜するなかで、うちのような小さな病院で2種類ともに扱うだけの
メリットを今の時点で確認できなかったので、
既に自院で扱っていて、接種に慣れてきた方を優先することにしただけでもあります。
接種時期の微妙な違いとか、管理側の勝手な都合と言うこともできます。

基本的にどちらのワクチンも歴史の浅いワクチンですので、
その効果について優劣を語れる段階ではないと思っています。
色んな立場のひとたちがこっちがいい、あっちがいいと言うのに振り回されるのは意味のないことです。

ガーダシルを接種して、稀だけれども難治と言われる多発性咽頭乳頭腫を
予防しないといけないという話も聞いていますが、
「ついで」の効果として期待するだけなのか、
癌の予防並みに「ちゃんと」期待するべきほどのレベルの話なのか、
自分の中で判断しかねています。
強いて言うならこの点だけちょっと保留ということでしょうか。

それにしても、最初は、素直にすごいワクチンもできたもんだなぁと感心してただけした。
でも、何かこうすんなり納得しにくい経過で、急に公費負担が決まり、
その頃からどうもこのワクチンに関しては、受け身のままです。
サーバリックスの接種希望があれが、淡々と接種していますけどね。

そして、別にガーダシルがダメと言ってるつもりも、もちろんありません。
結局、保護者が納得の上で、子に説明し、子が理解したのであれば、
ぶっちゃけた話、どっちでもいいとも思っています。
正直、ポリオワクチンの方がよほど悩ましい問題です。
親子で考えて、ガーダシルにしようと思うのであれば、
申し訳ないけれども今はうちでは取り扱っていませんという話です。

あとは、性行為感染というちょっとデリケートな話が絡む問題なのですから、
逆にせっかくの機会ととらえて、親子で上手に話し合えるといいなと思っています。
子宮癌健診がワクチンよりも大事であることをもっと伝えておくこともね。
親に言われたからよくわからないけど接種しに来たなんて言われたら、たぶんがっかりします。。。

ポリオ

2011年09月10日 | ワクチン その他
秋のポリオ目前ですが。。。

(以下貼り付け)

厚生労働省健康局結核感染症課
不活化ポリオワクチンの導入に関する新聞報道について

予防接種行政につきましては、日頃よりご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、9月7日付けの一部の新聞において、
不活化ポリオワクチンが来春から導入されるとの誤認をまねく報道がなされました。
不活化ポリオワクチンの導入に向けてのスケジュールは、8月31日に開催された
「不活化ポリ才ワクチンの円滑な導入に関する検討会」の資料(別添1)において
お示ししているとおり現在、複数の企業により不活化ポリオワクチンンの開発が
進められており、本年度末ごろより順次薬事承認申請がなされる予定です。
このため、早ければ平成24年度にもDPT(ジフテリア・百日せき・破傷風)と
不活化ポリオワクチンとの4種混合ワクチン(DPT-IPV)が
導入されることも想定されますが、
平成24年度当初からの実施は予定しておりません。
現在、予防接種法に基づいて、
経口生ポリオワクチンの接種が勧奨されているところであり、
その実施を継続するとともに、接種に関する住民への周知に当たって遺憾のないよう、
管下市町村の周知方お願いいたします。

(ここまで)

現時点で予定してなくても、4月まで半年あるんだから、
「平成24年度当初からの実施は予定しておりません」
と言い切られるのもどうかと思いますが。。。

そらまあ、不活化ワクチンの申請が通るかどうかなんて、通ってからでないとわかりませんからね。

いずれにせよ、春までどうなるか。。。ですね。

もう秋?

2011年09月08日 | 診療
とんでもない雨台風が去ったら、すっかり涼しくなって。。。

わかりやす~くゼーゼー、ヒューヒューの受診が増えました。
喘息シーズン突入ですね。。。

と思っていたら、早速入院も続き。。。

これはまあだいぶ前からではあるのですが、よりにもよってこの時期にかぶる形で、
1週間くらいかけて咳が着実にひどくなる風邪の子が結構多いです。
がっつり肺炎とまではいかないのに、かなりしっかり咳がひどくなるやらしい感じです。
2歳までの子でレントゲン撮るくらいまでになる率も高めです。
この季節の変わり目に、喘息っ子がこの風邪までもらったらひとたまりもないのはもう仕方ありません><;

さらには保育園も学校も、運動会の練習も始まる時期でもあり、
新学期で生活リズムが変わる上に、疲れもでてくる。。。
この時期は喘息っ子にはつらいものがありますね。

喘息系の症状は、どうしても夕方から夜、朝にかけて悪くなりやすいので、
どうしたらいいのかといつも聞かれます。

どうしたらと一概に言うのも難しいのですが、
あからさまにゼーゼー、ヒューヒュー聞こえて、咳が激しいとか、
横になれない(=寝られない)ようだと、夜中でも受診したほうがいいに決まってます。

どこに行けばいいのですか?と絶対聞かれるのがこちらとしてもつらいところ。
月3日ほどは当直してるんですけどね。。。
そうそううまく自分の当直にはあたりませんし。

「受診したほうがいいのかどうか悩むくらいの症状=受診したほうがいい」
とは思ってますが、夜間休日は受診自体が難しいのも重々承知しています。

でも寝れないくらいしんどいのに朝まで待っていいとも言えるはずもなく。。。
ついつい、なんとか耐えて、朝まで待ってから外来に来たお母さんに、
さすがにこれだけしんどいのなら、夜中でも受診せんと。。。とお小言モードになってしまいます。

そうそう、まだちらほらですが、嘔吐や下痢の子を咳の子に混じってみかけるようになってます。
こちらもいつ流行ってもおかしくはないので、嘔吐の際は気をつけてくださいね。

ちなみに、点滴するほどの子はまだいませんので、ノロとかロタとかの検査もしてませんし、
あまり原因自体は気にはしてません。
その辺は、今後の流行次第ですね。

小児科って?

2011年09月06日 | 診療
「小児科って何歳までですか?」

「子ども」って何歳までかということにすると、一応20歳になるまでですね。

どこかで区切らないとややこしいですので、
だいたいどこでも中学3年生までとか、16歳未満とかを目安にしているはずです。
うちは中学3年生までですね。

でも、長いこと同じ病院にいてると、ずっと知っているわけですから、
高校生になっても、小児科で診てもらえませんか?ってケースはまあまああります。
診てもらえませんかって言われて、あかん!とは言えませんので^^;、
風邪くらいが多いので小児科に回ってもらうこともしばしば。

でもよくある、胃が痛いとかおなか痛いが典型的な例ですが、
始めから内科で診てもらっておくのが話はやいことも。

そもそも子ども特有の病気って、小学校高学年を過ぎてくるとほとんどなくなります。
内科でよくみられる病気のほうが可能性的に多くなってきます。

あとは思春期特有の、起立性調節障害をはじめとする不定愁訴が問題になることが多いですね。
この辺は内科の先生たちは苦手かもしれません。
小児科医の自分が得意というわけでもありませんが。。。

小児科と内科の間に思春期科があっても悪くはないのですが、
そんな医療資源的余裕のある病院は全国見渡しても数少ないですよね。

そうそう、予防接種は分けると色々ややこしくなるので、子宮頚癌ワクチンの高校生や、
MRワクチンの高校3年生も赤ん坊や小さい子に混じって小児科でやってますね。

日本小児科学会の見解では、「20歳までは小児科で!」と数年前に宣言されてます。
でも、うちの嫁に言わせると、内科と小児科の「感覚」は本当にベツモノなようですので、
その話をしたら、「(´・ε・`)エー」って返事でしたね。。。

子どもさんの受診と一緒におかあさん(たまにはおとうさんも)も小児科でダメですかってのもありますが、
まあ風邪症状なら、子どもと同じ風邪なんでしょうから、一緒に済ませてしまうことも。
「風邪以外」はとなりに内科があるのですから、やっぱりとなりへ。。。ですね(+Φ∀Φ+)

不活化ポリオワクチン(長文)

2011年09月03日 | 診療
ここ数日、色々な立場の小児科医の先生方のコメントを追っかけています。

「とりあえず春まで待ったらあかんのかなぁ。。。」の自分に近い考えも伺えて、
まあそれほどおかしな発想ではないのかもとちょっとは安心。

でも正しいとは自分でも思ってません。
同じように考えていたけれど、他の先生たちの話を聞いて悩みが。。。という先生も。

生ワクチン・不活化ワクチン問わずに一旦中止にしてしまった場合、
海外(インドやパキスタンなどの4カ国)から野生株ウィルスが持ち込まれた場合、
感染がまとまって発生する「可能性」があります。

でも、その「可能性」と、100万人に2~4人に起こるとされるポリオワクチン関連麻痺の「可能性」。
現実問題としてどっちがより危険なのでしょうかね。
可能性可能性と言い始めたら、もうすべてが可能性です。
極端な話、マキノ今津あたりの「田舎」での野生株持ち込みの「可能性」と、
東京などの「大都会」での持ち込みの「可能性」は桁が違うと思ったらダメなんでしょうか?

そして、生ワクチンを接種した子のウンチから、二次感染の「可能性」がありますね。
これまた「可能性」。
保育園で乳児ばっかりの環境にさらされているのなら、「可能性」が多少上がるのかもしれません。
でもその場合でさえも、うんちに直接触ることがあるのはまずは保護者・保育者です。
手洗いの徹底だけで「可能性」をかなり低くできるのではないのでしょうかね。
(乳児→親の二次感染。平成16年から5例。
感染経路不明の乳児の二次感染が2月に神戸であったのですが、乳児例はおそらく初めて)
実際に発症があったのですから、「可能性」はゼロにはなりませんけどね。
ということは、兄弟もおらず、保育園にも行ってない乳児は。。。どうします?
待ったらあきません?
いままでだって、他のワクチン優先で1歳過ぎてから初めてのポリオってこともよくあったはず。

逆に三重県では多くの地区で生後6ヶ月までに初回の生ワクチンを済ませてしまうのだそうです。
ワクチン関連麻痺の発生がほぼ生後7ヶ月以降だからという理由で。
これは知らなかったのでちょっとびっくりでした。

ちなみに1回生ワクチンを済ませている場合、
2回目の生ワクチンでポリオを発症したというケースはないようです。
1回目のワクチンで免疫がつくわけですから、まあ当然な気も。
それでも不活化ワクチンをどうしようかと悩むくらいなら、春までゆっくり待ちましょう。

で、「何もずっと接種しないでおこうよ」と言うわけでなく、
大きな「期待」をこめて、「まずは春までの半年くらい保留にしたらそれほど問題なんだろうか?」。。。です。
春まで待ったけど、国産4価ワクチン・海外の単独ワクチンの承認や公費負担が遅れるようなら、
またそのときに悩むしかないのです。
日本脳炎ワクチンが新しくなるときに承認が大幅に遅れたのは記憶に新しいことですので、
悩まないといけなくなる「可能性」は結構高いのも事実ですが。

国がさっさと不活化ワクチンを緊急輸入した上で、ただちに公費負担を認めるのが最善で唯一の解決策です。
それでも秋のポリオ接種が差し迫っていて、現時点で「委員会レベルで検討」という状況なのですから、
そもそも医療関係者個人や、さらには保護者個々人が
ちょっとやそっと考えただけで結論がでるような問題でないのです。

いいのか悪いのか知りませんが、こんな意見、あんな意見、そんな意見!?が
ネット上を日々飛び交ってますので、余計に話はややこしくもなりえます。

個人的に一番いやなのは、結局最後はお金の問題になってしまっていることです。
保護者の考え方が経済的な側面から影響されるようなことは本来おかしな話です。

先日のお話で誤解があるといけないのですが、
不活化ワクチンが安全性に問題があるとは思っていません。
100%安全なワクチンは存在しないからねと言いたかっただけです。

ぶっちゃけた話、お金の問題を特に気にしないでいいのなら、
悩むもなにも、接種できるところで不活化ワクチンをさっさと接種してしまったらいいのです。
副反応に対する補償が十分でないのは事実ですが、それこそまた「可能性」云々の次元ですから。

でも、お金を気にしなければならないのに、
「それだったら100万分のいくらなんて確率をどうこう考えてないで普通に生ワクチンにしたら」。。。
なんて言えるわけありません。

以前も紹介しましたが、
実際にワクチン関連麻痺を起こした子と親御さんたちにとっては確率論なんて意味がなく、
結果としての「1分の1」なんですから。
運が悪いとかそういう次元の話で済む問題では決してないのですし。

ダラダラ綴ってみましたが、今の時点での自分が考えていることです。
納得の上で生ワクチンを接種することを止めるつもりもなく、
お金を払って不活化ワクチンにするのもあかんというつもりもさらさらなく、
いいのかどうかわからないけど、ちょっと待ってみるのはどうなんでしょうね?です。
個々の環境に応じて考えていくべきだとも思ってます。
参考程度にはなるでしょうか。
それともますます悩みが深くなるでしょうか。

生ワクチンの集団接種にも参加してませんし、当面、自分のところでは不活化ワクチンを
取り扱う予定もないのにえらそうなこと言うのはこれくらいにしておきますm( __ __ )m