マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

麻疹風疹ワクチン(MRワクチン)

2010年03月31日 | ワクチン その他
「命定め(いのちさだめ)」

麻疹(はしか)はこう呼ばれていたそうですね。
はしかにかかって死ななかったら強い子(運がいい?)だというニュアンスでしょうか。
それだけ死亡率の高い感染症というわけです。

麻疹(はしか)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/e953d740dce16caaccdf63db9629a3d7
でもお話しましたが、研修医の頃は春にたくさんの麻疹にかかった子どもを診ました。
ほぼ入院になります。
症状は高熱、激しい咳、鼻、目やに、発疹などなどですが、軒並みぐったりに。。。
治療薬はないので対症療法のみ。
とはいえ、細菌性肺炎の合併も多く、抗菌剤の点滴も必要になることも。
ワクチンがあるのになんで接種しないのだろうとは当時も思っていました。

大きくなってからかかると余計にしんどいのは水痘やおたふくと同じですね。
17歳女の子の麻疹を診たことがあります(内科から相談された)が、
それはもうかわいそうな(見た目からして)有様でしたね。

麻疹にかかって一旦治りますが、その5~10年後に
亜急性硬化性全脳炎という難病を発症することがあります。
頻度は麻疹にかかった数万人に1人くらいだそうですが、予後の悪い疾患です。
麻疹ウィルスが長い間潜伏したのちにゆっくりゆっくり進行する病気です。
治療法はありませんので、予防接種での予防しかありません。

麻疹がそこそこ流行している間は1回だけの予防接種である程度の効果があったようですが、
このところの麻疹患者の減少で、予防接種を2回すべき状況になってきました。
原則1歳になったらすぐと、保育園・幼稚園の年長児相当の年に2回目を接種します。

今は移行措置として中学1年と高校3年生も接種対象となっています。
都市部では特に高3の接種率の低さが問題になっているみたいです。
高島市はまずまず(でもまだまだ)接種できているようですね。

ポリオワクチン

2010年03月30日 | ワクチン その他
ポリオウィルスはポリオ(急性灰白髄炎)の原因となるウィルスです。
ウィルスが中枢神経に感染し、急性の麻痺を起こします。
小児麻痺と呼ばれていたのがこのポリオです(脳性麻痺とは別)。
現在では予防接種により発症はほぼないはずです。

ただし、予防接種を受けた乳児のおむつからウィルスが排出されるため、
おむつ交換後の手洗いが不完全だと感染源となってしまいます。
時折報道されるポリオの感染はこのためだと思います。
ただし、発症の確率はものすごく低いです。

予防接種ができるのが春と秋にしかないため、なぜか今でも他の予防接種より
ポリオを優先とされるケースがあります。
基本的に他の予防接種を優先し、時間的余裕があれば接種してねと伝えています。
将来的には混合ワクチンとなって他の予防接種と一緒に接種することになるかもしれません。

ちなみに昭和50~52年生まれの方はそれ以外の年代と比べてポリオの抗体保有率が
かなり低くなっていることが知られています。
子どもにポリオを接種する際はより慎重な手洗いが必要になるかと思います。
子どもと一緒にポリオの予防接種を受けることも可能です。
市に問い合わせてみるといいと思います。


(追記)
2012年9月から不活化ポリオワクチンが定期接種として接種できるようになりました。

三種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンも始まり、
生ワクチンの接種は中止になりました。
そのため、上記の感染リスクはなくなっています。

BCG

2010年03月29日 | ワクチン その他
BCGは結核のための予防接種ですね。

あのハンコ注射は本当に痛そう。。。

乳児期の結核は髄膜炎や粟粒結核など重症化しやすいため、予防接種を行います。
以前はツベルクリン反応をしてからBCGの接種という順番でしたが、
数年前からはBCG単独の接種となっています。

結核は少なくなっているとはいえ、日本ではまだまだ根絶には遠い状況です。
注意は必要です。

DPTやヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンとの接種の順番が問題となりますが、
罹患の可能性やその際の重症度を考えて、
うちではまずは生後2ヶ月からヒブ・肺炎球菌を始め、
3ヶ月時にDPTを優先してから、BCGの時期を相談しましょうと言っています。
同時接種が徐々に受け入れられるようになってきてはいますので、
DPTとBCGを一緒にすることもぼちぼち始めてはいます。

生後6ヶ月になるまでに接種しないと公費負担でなくなりますし、
予防の意味からも3,4ヶ月の時点で接種するのがいいと思います。

若かりし。。。

2010年03月28日 | その他
若いってすばらしい。。。

ある冬のこと。
友人と無謀な旅行を計画しておりましたが。。。
なんとやつらだけ新年早々の再試験!にひっかかりよりまして、
自分だけが優雅な年末年始を迎えるハメ?にっ(゜ ェ ゜)

これはいかんっと単独旅行を計画しますっ!
12月30日の夜遅く。
毛布1枚と多少の着替えをこっそり愛車に隠します。
親が寝たあとこれまたこっそり脱出っ!

目的地は鹿児島っ!!
目的は鹿児島から年賀状っ!!それだけっ!!

ひたすら下道を激走し、気がつけばそこは鳥取砂丘( ̄m ̄*)
誰もいない早朝の浜は寒いだけでした。。。

1000km走って大分入り。
すっかり辺りも暗くなり、そろそろ限界近し。
初日の出を拝む前に仮眠しようと場所を探していると。。。

初日の出暴走の大群に巻き込まれます(T-T)
ありえへ~ん(。>д<。)

まあ危害を加えられるわけではないんですけど。
なんとかお別れし、空き地で仮眠。
ハッ!!Σ(ll゜Д゜ノ)ノと目を覚ますと辺り一面初日の出詣での人いっぱい!
一人静かに新年迎えるはずだったのに^^;
でも彼らは日が出たら速攻で消えていきましたので、満喫できましたとさ。

その後宮崎で野生の馬?とたわむれ、
無事鹿児島から再試験の連中にやらし~く年賀状も送ることができ、
桜島の火山灰にびびりながら実家に電話して怒られ
(あんたどこにいんの!?ん?鹿児島^^;)、
熊本阿蘇山でステーキほおばり、ひたすら温泉と車中泊の日々。
時間とお金^^;の都合で長崎は断念し、博多でラーメン堪能して帰路に。

3000km走破して授業にも間に合いました。
お金がないので煮干しとナッツで食事を済ませ、風呂はすべて日帰り温泉。
車で寝るので起きたら身体痛い→温泉→移動→運転疲れを温泉で。。。
若いってアホですね。。。

次回への長い長い前振りでした。。。(つづく)

夜泣き

2010年03月27日 | 診療
寝不足のせいで通勤途中で何度意識を失ったことでしょう。。。
湖西道路の和邇~真野間はなんだか吸い込まれそうな。。。以下自粛。

上の子の夜泣きは本当に悩まされました。
マンション住まいなので、離れて寝ようにも無理があり、毎晩起こされてました。
1時、3時、5時、6時。。。おまえは時計かっ!というくらい精確に泣きますね。。。
2歳半を過ぎてようやく落ち着いてきたのでホッとしてますが、
下が7ヶ月になろうとしているので、新たな夜泣きが今から心配です(T-T)

さて、なぜか夜泣きが「問題」になるのは日本だけ?なんだそうです。
欧米では赤ん坊が夜中に泣くのは当然と考えているとかでストレスにもならない??のでしょうか。

ひ○き○うがんは有名ですね。
医療用の漢方製剤もあります。
メジャーなのが2種類あるので、うちもどちらも試してみました。
1種類だけ最初の数日にすごく効いた!?と思わせておいて、結局全然。。。でした。
漢方は母児同服と言って赤ん坊と同じ薬を母親も飲むとよりいいことがあるようです。
うちはそれはしませんでしたので、そのせいもあるのかな??。。。なさそう^^;
漢方は効く子にはすごく効くようですので試す価値は十分あると思います。

アレルギーの薬で眠気の副作用が比較的よく出る薬を飲ませたことがあります(蕁麻疹で)。
いや~、毎日飲ませたくなるくらい寝てくれました。
親の日常生活に支障が出るようならそれほど悪いわけではないかもしれません。
親が寝不足→ストレス→子が余計に寝ないはありえますからね。
でも夜泣き対策の薬にするのは期間限定の奥の手にしたいですね。

夜泣きは基本的に成長過程の1つなので、成長につれて治っていきます。
まずは親ができるだけイライラしないにこしたことはありません。
日中は適宜外出したり、家の中でも頑張って遊んで疲れてもらうのも大事ですね。
あとはあまりに泣き止まないなら先日もお話したように環境を変えてあげるのは最後の手?。
仕方がないので一旦しっかり起こすなんてのも聞いたことがありますが、
うちは起きてしまって本当に寝なくなるのでこっちが疲れるだけでしたね。

夜泣きだ夜泣きだと思っていたら、その時だけ病気だった。。。は狼少年みたいなので
一応普段と変わりないかは寝ぼけながらでも注意するにこしたことはないですね。

泣き止まない

2010年03月26日 | 診療
今日は外来変更のためお休みをもらっております。
奥野医師は今日がマキノ病院での最後の外来です。

マキノに来てからはほとんどないのですが、
それ以前は当直で、「泣き止まないので病気かどうか心配」という乳児の受診が結構ありました。

たまに車で1時間もかかるところからの受診もありましたね。

で、何しても泣き止まなかったというベビーちゃんたちは
外来到着時には100%寝ているわけです。。。
受診して診察しないわけにもいかず、せっかく寝たのにまた起こす(T-T)
でも帰りの車でまた寝てくれますしね。
家に帰ってからはもう知りませんが。。。

生後2,3ヶ月頃から特に病気ではないのにやたら泣くことがあります。
多くは「コリック」と呼ばれるものだと思われます。
まあ黄昏泣きとか色々言われているやつですね。
少し前まではおなかが痛いのだと説明されていましたが、そうでもないこともあるようです。

基本的に熱がなく、嘔吐もない場合、「泣き続けられる」ことは大丈夫の裏返しと考えています。
本当に危ない病気であるのなら、泣き方も弱々しいとか、不規則とか、やはり気になるサインがあるはず。
はじめのうちはサインがなくとも、時間が経てば変化が出てくるはずですよね。

腸重積でお話しましたが、「周期的」に「おなかが痛そうに泣く」は注意が必要ですので、
結局「泣き止まない」で受診した場合は浣腸くらいはしてもいいなとは思っていました。
うんちが数日出てなければ当然便秘ですよ^^;

あと、意外と多いのがおっぱいやミルクの飲みすぎで苦しくて泣く。。。
「泣いたらおっぱい/ミルク」が無条件化しすぎて、とんでもない哺乳量になっている場合があります。
赤ん坊は飲みすぎて苦しくて泣くのですが、知らないとまだ足りないと思ってさらに飲ませますね。
乳首が口にくると赤ん坊は反射で飲んでしまうので欲しくないのに飲むハメになります。
だっこしてほしいだけだったのに何で飲まないとあかんねん!!
と思っているベビーは世に大勢いるはずです。。。
まあ二人目、それ以降は静かにしてもらいたいからとっとと授乳も多いでしょうけど。

生後3,4ヶ月にもなると一旦火がつけば、30分でも1時間でもなき続けられる体力がついてきます。
もはや自分が何で泣き始めたのかなんて覚えていません(T-T)
というわけで、「がらっと環境を変える=場所を変える」と誤魔化されることが多いのです。
ドライブは振動も加わって都合いいわけですね。
親は大変ですが。。。

ちょっと大きくなると夜泣きも始まりますね。
夜泣きは次回にしましょうか。

腸重積

2010年03月25日 | 診療
予防接種シリーズ中断ついでにもう少し。

「腸重積」
何かをきっかけに腸が腸のなかにもぐりこんでしまう状態です。
もぐりこんでしまった腸管が血行障害を起こしますので、
腹痛、嘔吐で始まり、血便を経て、腸管の壊死・穿孔へと進んでしまいます。

主に乳児期にみられます。
典型的な例では周期的に号泣します。
そらそうです、めっちゃ痛いでしょう。
腸が腸で締め付けられるわけですから。
一旦落ち着いたと思ってもまた激しく泣く。
嘔吐したり、だんだんぐったりしてくるようだと腸重積も考えることになります。
ただし、頻度はそれほど多くはありません。

研修医の時に10ヶ月の子が嘔吐で休日夜間に受診。
なんだか微妙によくないオーラです(良くないのは明らかだけど、それほど悪くもない)。
診察してみると、おなかが少し張っているのが気になります。
ところが母親がこの子はいつもおなかはこんなもんですなどとのん気に言うものですから、
駆け出しのわたくしめは「そうなん?」とレントゲンを躊躇してしまいます。
でも気になるので点滴して採血はしました。
で、データはほとんど悪くない。
でも赤ん坊はなんだか元気がありません。
とりあえずなんともしようがないかなと、一旦帰って様子を見る?なんて話をしながら、
帰る前にやっぱりおなかが気になるから浣腸だけしましょうねと。。。

看護師が血相変えて飛んできます!!
おむつに出てきたのは真っ赤な血っ!!
( ゜Д゜)ゴルァ!!おかんのうそつきぃっっヾ(`Д´)ノ゛
やっぱりおなかいつもと違うんやんっ!!
それからは親の言うことは聞かないようにしようと心にきめ。。。うそですけどね。
単に自分が経験不足だっただけなんですが^^;
結果的に最後は手術になったものの、元気に退院していきましたけどね。

さらに頻度は減るのですが、大きくなってから腸重積を起こす場合は、
憩室や稀には腫瘍などの、腸重積を起こすきっかけとなる状態が隠れていることがあります。
以前発症から1時間くらいしか経っていない年長児の腸重積を見落としたことがあります。。。
幸い結果的に大事には至らなかったので、大きな教訓としています。

国会請願(ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化を求める)

2010年03月24日 | ワクチン その他
昨日テレビでも報道されていたようですね。

「ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化を求める」
国会請願と国会内学習会が23日に行われたそうです。

先日お願いした署名は全国で4万筆となり、前回までとあわせると20万筆となったとか。
長妻昭厚生労働大臣をはじめ、各党の関係者など大勢の関係者に定期接種化を訴えることができたようです。
今後は予防接種検討委員会で議論されることになります。

ワクチンメーカーもワクチン供給体制をしっかりやると確約してくれたようですし、
あとは国の決断を待つのみです。
ここまで来て今更何の問題があって定期接種化に踏み切らないのかよくわかりませんが、
関係者の英断に期待したいです。

蓄膿(慢性副鼻腔炎)

2010年03月24日 | 診療
少しコメントしづらかったので避けていましたが、
ワクチンシリーズを一休みしてお話を。

「ちくのう」は慢性副鼻腔炎のことを指します。
副鼻腔は4種類あります。
「上顎洞・篩骨洞・蝶形骨洞・前頭洞」
副鼻腔は骨の空洞と考えていいと思います。

これらのどこかに急性副鼻腔炎が起こり、いつまでも治らない状態になると
慢性副鼻腔炎=蓄膿ということになります。
風邪やアレルギーで粘膜が腫れると空洞の入り口がふさがる
→分泌液や膿がたまって自然には出なくなってしまうのが原因ですね。
汚い鼻汁がずるずる出るのがすべて蓄膿というわけではありません。

たまってしまって出てこないものは吸い出さないとなかなかすっかりしません。
薬だけ飲んでいてもなかなか治らないのもある程度は当然なこと。
毎日しっかり吸引した上で、薬も続けるのが理想です。
ただ、そうはいってもどちらも続けるのは大変で、結果、治りも悪くなります。
やっと治りかけた、治ったと思ったらまた風邪をひいて元の木阿弥。。。もよくありますね。

一応吸引器を買って自宅で1日に何度も吸引することをお勧めはしています。
ネット通販などで値段も数千円~数万円まで色々売っています。
子どもが大きくなっても使う機会は結構多いと思うので、
初期投資は確かにちょっとかかりますが、
トータルのコストを考えると十分元が取れるのでは?
うちは上の子が風邪ひきはじめる頃に購入し、その後も散々使っています。
鼻を吸われるのがイヤだからと自分で鼻を上手に嚊めるおまけもついてきました。
夜中に鼻がつまって寝られないという事態はかなり減らせるかと。

通院が手間でなければ朝夕外来で吸引するのも悪くないと思います。
実際数日間毎日吸引だけに来られる方も結構おられます。
それほど忙しい外来ではないのでうちではかなりこってり吸引します。
ヘビーな鼻が吸えると「ぎゃー」だの「わー」だの言いながら楽しく吸わせてもらってます♪
泣き叫ぶわが子を尻目に、お母さん方も一緒に大笑い。。。なんてことも多いですね。

他の先生とか耳鼻科ではここまで吸ってくれないなんていつも言われます^^;
だって耳鼻科で同じくらい時間かけてたら待ち時間いくらあっても足らないでしょ^^;
うちだってこれ以上患者さんが増ええたら丁寧に吸ってられないかも??

というわけで、薬をずっと飲まないとだめですかとよく聞かれますが、
どこまで頑張るかで答えが違ってきますね。
何もしないで3ヶ月薬だけ飲んでも。。。とは思っています。
でも何もしないならせめて薬だけでも飲まないといつまでも治らないかもしれません。。。

ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン

2010年03月23日 | ワクチン その他
どちらも生後2ヶ月から開始するワクチンです。

ヒブワクチンについては以前の記事でほぼお伝えできているのではと思います。
供給不足解消に向けて進んでいるようですので、
あとは少しでも早く定期接種になることを待つのみです。

発熱(ヒブと髄膜炎)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/ee40e25460e97f08381a5c8c38deccaf


2月末から肺炎球菌ワクチンも接種可能となっています。
過去ログ集めてみました。
これまた一番の問題は定期接種ではないことです。。。

肺炎球菌/肺炎球菌ワクチン
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/36429bd6071e130a4f66042d08981e2b

肺炎球菌ワクチン
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/addd2957be0b38eac61d7bdf6fe536fa

肺炎球菌ワクチン(PCV7/プレベナー)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/e5d433bb6d1d880369f6fc269aa99874

肺炎球菌(その他)
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/e6e540919ad1fa24923ac94aec2d27eb

中耳炎と肺炎球菌
http://blog.goo.ne.jp/gto8513/e/81dc5f6ef9517c379c3042b7fea6e81b


(追記)
2011年1月より高島市ではヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン(子宮頚癌ワクチンも)は公費助成の対象になりました。

三種混合ワクチン(DPT)

2010年03月20日 | ワクチン その他
某保育園から予防接種について教えて欲しい。。。と間接的にですが相談がありました。
せっかくですので、こちらでおさらいも含めてお話を。

DPTは

D(Diphtheria:ジフテリア)
P(Pertussis:百日咳)
T(Tetanus:破傷風)    のことです。

まずはジフテリア。

昔は子どもの死亡原因の上位を占めていたそうです。
高熱、頭痛や嘔吐、頸のリンパ節が腫れるなどの症状がみられます。
のどが腫れて呼吸困難になるのが問題。
本来クループというのはこのジフテリアが原因で呼吸困難になることをさしていました。
ジフテリア菌の毒素によって神経症状も起こるそうです。
今は衛生環境の改善や予防接種の普及によってめったにみられない病気です。
わたくしめも診たことはありません。

ついで百日咳。

これは未だに大問題。
生後間もないうちにかかってしまうと大騒ぎ。
予防接種の効果がほとんどなくなってしまっている大人が感染源になります。
最近ようやく内科などでも認識されるようになってきており、
もしかしたら、大人への予防接種も始まるのかと少し期待はしてますが。。。

百日間咳が続くだけならともかく、文字通り「息ができない」くらいの咳をします。
もう咳を聞いているこっちも苦しくなるくらい。
その咳を止めてあげられる手は何もないのです。。。
ちいさい赤ちゃんは無呼吸になったり、咳のしすぎで低酸素になるので大変です。
なるべく早くDPTを済ませてほしいのはそのためです。
ちなみに百日咳を早いうちに、しかも正しく診断するのは難しいことが多いです。

最後は破傷風。

これまた怖い病気です。
菌で汚染された場所でケガをしたり、さびた釘など汚染された物でケガをするなどで感染します。
簡単に言うと全身の筋肉がけいれんします。
意識があるのに身体中がこわばって、息もできず苦しむことになります。
一度だけ耳鼻科から相談されてお年寄りの患者さんを診たことがあります。。。
一度見たら忘れられませんね。。。


(追記)
2012年9月より、
三種混合ワクチンにさらに不活化ポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンになっています。

熱中症

2010年03月19日 | 診療
時期的にちょっと早い話ではありますが。。。

「熱中症の疑い」

土日や祝日に当直しているとある時期にこのような受診依頼が集中することがあります。
なんでもかんでも「疑い」とされてしまうのもどうかと思いながら対応するのですが、
実際には診察してみないとわからない場合が多いので仕方ないですね。
サッカーなどの大会で救急車で数人が一度に受診されて大混乱なんてこともありましたね。

一口に熱中症と呼ばれますが、その病態は色々です。
①熱けいれん(こむら返り)や熱失神(日射病を含む)までの軽症から
②やや重症の熱疲労、
③そして重症で迅速・的確な対応が必要となる熱射病まで。

基本的には暑い環境で水分・塩分摂取不足などにより起こると考えていいでしょう。
それほど暑くなくても起こることもありますから油断は禁物です。

熱中症!?と思ったら、まずは涼しいところに移動。
服をゆるめにして、安静とし、飲めるならスポーツドリンクや薄い食塩水などを。
体温が上がっているようなら、タオルで汗を拭き、氷などで冷やしつつ様子を見ます。
扇風機やうちわなどで風をあてるのもいいでしょう。
筋肉がけいれんした場合はマッサージは有効だと思います。
その上で受診の手配を。

何より予防が大事です。
暑い時期は当たり前ですが、それ以外の時期でも注意してもらえたらと思います。

体重(肥満)(その2)

2010年03月18日 | 診療
(その1)から続きです。

みかん1個で30kcalくらい、
牛乳200mlで140kcalくらい、
りんごジュース200mlで85kcalくらいだそうです。
ごはんは100gで170kcalくらいですね。

3、4歳で身長90cmの場合、1日のエネルギー所要量は1000kcalくらい、
7歳で身長が120cmの女の子だと1日所要量は1400kcalくらいです。
3食と間食、ジュースなどの飲み物すべて含めた1日摂取カロリーを考えないといけません。
ものすごく活発に動き回る子とおとなしい子ではまた違いますが。
ちなみに体重60kgの大人が時速6kmで30分歩いたときの消費カロリーは
120kcalくらい(ごはん70gぽっち。。。)だそうです。

マキノの4つの小学校と中学校の保健委員会に出席するとやはり肥満児の話がでます。
栄養教諭を中心にかなり頑張っておられるので頼もしい限りです。
ただ、この前こんなことをおしゃっていました。
「小学校入学前から介入しないといけないのかも」
その通りだとおもいます。
2,3歳からしっかりやって、しかも続けていかなければならない。

多少ぽっちゃりしているほうがいいとか、少しくらい太っていても気にしないとか、
それはそれで考え方として否定はしませんよ。
肥満対策に小児科医ができることはあまりないのかもしれません。
血圧や血糖のチェックはむしろ小児の生活習慣病の監視ですからね。

そうはいっても、実際にある程度体重が増えてしまってからどうしたら?も大事です。
大人と違い、子どもは身長が伸びていきますので、体重の現状維持が第一の目標と言われます。
でも結局食べる量を制限しない限り、背が伸びるとともに体重も増えていきます。
食欲は制限するのは本当に大変です。
ご飯もダメ、おやつもダメと言われるとストレスですから上手に加減したいものです。

小さいうちは難しいですが、それでもひたすら
「よく噛んでしっかり味わう」を教えることが大事です。
満腹になるまで食べさていたらいつまでも改善しないでしょう。
でも週1回は今日は好きなだけ食べてよい日なんて悪くはないかも。。。

あとはある程度大きい子の場合は必ず風呂上りなど時間を決めて毎日体重測定。
そして「自分で」記録させる。
楽しくやらないと子どもが続けるのは不可能ですね。

そして最後に。。。
子どもに頑張らせるためには親もどうするかはわかりますよね?
親にできないことは子にはできません。。。

おたん○ナース

2010年03月17日 | その他
なんとこのブログ、われらが看護部長もご覧になっておられるとかで、
とてもではありませんが、うちの優秀なナースたちに登場していただくわけには参りませぬ。
はなはだ残念ですが、過去の小ネタでお許しを。

笑いすぎて肋骨痛めた例の某病院整形病棟。
ヒビが入った原因のナースがおりました。
毎日ケタケタよく笑う明るくおもろいナースでした。
ある日、整形の入院患者は骨折などで動けない人も多いため、便秘の話になりました。
突然爆笑しながら暴露話を始めるナース。
となりのベッドを指差して
「こないだな、か○○たくんな、800もうん○したんやで!!800(グラム)!!
おまるからあふれると思ってどうしようかと思ったわ!!」
もう大部屋は爆笑です。
プライバシーもへったくれもなし^^;

こんなナースに浣腸されてはたまらんとトイレに行く途中で異変に気づきます。
胸が苦しい!?
まさか恋?。。。なわけもなく、トイレで息が苦しくなってしまいます。
なんとか病室に戻り、ナースコールしたら大騒ぎになってレントゲンへ直行。
しっかりヒビが入ってたっちゅうことでした。
墜落した際にこっそりヒビが入っていたのがひどくなったんだろうとのこと(T-T)
笑わせるの禁止!!はそのせいです。。。
あやつめ、「河原くんな、○んこして肋骨折ったんやで!!」と言ってたに違いない(`Д´)

医者4年目のときにその病院に外来をしに行った際、
2歳?のお子様をつれて受診したそのナースと再会しました。
ちゃんとお母さんしておられるようでした^^


おまけ。
研修医1年目。
大学の側にあるとある研修施設に出向いておりました。
インフルエンザシーズンを前に職員に予防接種をすることに。
新米のわたくしめも借り出されます。

看護師がずらっと並んで接種を待っています。
ぷすぷすやっていると、新人ナースにあたりました。
むっちむっち二の腕をむぎゅっとつまんで注射しようとすると、
「ちょっと先生!そんなにつままないでくださいよっ!はずかしいやん><」
とでかい声で怒られます。
「あ○っ、皮下注(皮下注射)はちゃんとつままんと痛いやろがっ」
「え!?ピカチュウ?(`・ω・´)」
「ド○ホっ!、ホンマに資格持ってんのかっ!看護師免許見せやがれっ!!」

あんなトンでもナースでも今頃は中堅ベテランナースになっているんでしょうかね。。。

カウプ指数/ローレル指数/BMI

2010年03月16日 | 診療
カウプ指数は乳幼児の体重と身長から算出します。
体重(kg)を身長(m)で2回割りましょう。
健診でたまに聞くのではないでしょうか。
一応標準は15~19の間と考えましょう。
ただ、乳児は15を少し切るとか、
19をちょっと越えるのはまあよくあることです。

一人目の子は泣けばすぐおっぱい/ミルクと思ってしまい
結果としてぷくぷく気味。。。はよくあること。
2人目以降は飲んで静かになってくれたらありがたいと
やっぱりよく飲ませることになりぷくぷくに。。。^^;
ぷくぷくで困るのは、保護者の肩こり腰痛と、
点滴する事態になったら小児科医が泣くことくらいでしょうか?

まあ。。。
ハイハイ以後にさんざ運動してもらいましょう。
成長曲線からよほど上下にはずれる増え方、減り方でない限りは許容範囲内かと思います。

ちなみに学童にはローレル指数というのがありますね。
体重(kg)を身長(m)で3回割って10を掛けましょう。
標準が116~144です。
内緒ですが、個人的にはほとんど気にしていません。
体型みたらわかりますし。。。

あとは大人でよく聞くと思いますがBMI。
体重(kg)を身長(m)で2回割りましょう。
おや?カウプ指数と一緒だったりして^^
標準は22.0。
日本では18.5~25までが一応基準内ですかね。
隠れ肥満とか筋肉質な人だとあまりあてにならないこともあります。。。

どの指数もあくまでもひとつの目安ということですね。