
2020年12月11日
ダニエル・スティールの長い家路(上)(下)巻を読み終わった。
子どもが実母に虐待をされて、それでも気持ちが曲がらず成長し、やっと自分で心の家を見つける小説だった。
ダニエル・スティールの小説は初めて読んだ。
内容が子どもの虐待と聞いた時、嫌だなと思ったが、最後まで読んでとても良かった。
裕福な夫婦だけれど、母親は生まれたときから子供を虐待のし通しだった。
父親は手が出せず、遠くからただ見ているだけで、何もできない人間だった。
母親はものすごい美人で、それに騙されて結婚したようだが、子供も自ら欲しかったわけではないらしい。
読んでいて、自分の子供にこんなに虐待をする親がいるのだろうかと不思議に思った。
ガブリエラという女性が主人公だが、9歳の時、父親が家出をし、母親に修道院に入れられた。
修道院では優秀で、みんなにかわいがられたが、神父と恋に落ちた。
妊娠までし、神父は自殺し、ガブリエラは修道院を追い出された。
ほとんど何も持たない状態で追い出されたけれど、下宿屋に入ることが出来た。
親切な教授と親しくなり、本屋の店員の仕事もできた。
ところが下宿屋でとんでもない悪い男 スティーブが近づいてきた。
ガブリエラは教授からたくさんの遺産を相続することになった。
それを知ったスティーブはガブリエラから金を盗ろうと、半殺しにする。
何とか助かったガブリエラは、助けてくれた医者のピーターと親しくなる。
それから自分を捨てた、両親を訪ねる旅に出る。
父親にあった。
再婚をしていた父親は、ガブリエラは邪魔者のように思っていた。
娘にたいする愛情は感じられなかった。
母親の住所に行ってみた。
母親にどうして、自分に愛情が感じないのかを聞いてみたかったからだった。
再婚をしていた母親は死んでいた。
けれど、再婚相手の男性はとてもやさしい人だった。
そして、ガブリエラの母親のことを「腐ったへびのような人間」で、優しい心は持っていない人だったと話してくれた。
世の中には本当の母親でも、子供に愛情を感じない人がいるのだなと思う。
皆、同じではないのだ。
ガブリエラは両親のことがわかり、気持ちの整理をし、やっと自分の家路を見つけたという話だった。
自分を助けてくれた、医師のピーターと未来に向かって進んでいくのだと思う。
読み終わって、良かったなと思った。
ひどい母親のもとで虐待されても、心がまっすぐに育って、偉い人だなと思った。