ちょっと前までは誰か食事を一緒にしてくれる女性が大勢いたが(見栄)、今は一人か二人しかいない。特に朝御飯となると皆無に近い。そりゃそうだ。わざわざ朝御飯だけを食べに来てくれる女性はいない。昔だって「情事より情事の後の朝御飯」という俺が作った諺の様に「情事」が優先した。情事がなければ朝御飯もない。勿論この時も朝御飯は俺が作っていた。ベッドから抜け出て二人の為に朝御飯を作るのがだんだん楽しみになってきて、情事が目的なのか朝御飯が目的なのか自分でも分からなくなっていた。でもそれは昔。今は情事の相手も朝御飯の相手もいない。母が存命中は老老ブレックファーストと称してこの日記でも母と食べる朝御飯を公開していたけど、今はそれもできない。今出来るのは息子のAが週に一度俺の仕事を手伝いに来るもんだから彼の為に朝御飯を用意してやることだ。今日のメニューは豚こまとナスの天ぷら、塩鮭ときゅうりの浅漬け、蛤の味噌汁。昨日は買い物にいけなかったので、あるものだけで用意した。朝御飯はそれでいい。食後、息子の運転で広尾の銀行→白金の郵便局→白金のスーパーと回って貰う。かなりの食材を買い求めることが出来て満足。但し、その時買い求めた五つパックのコロッケ、三つ入りの餡ドーナツを帰宅直後に食べだしたもんだから、それは止まることなく、アッと云う間に全部食べてしまったもんだから、お酒も飲まないのに嘔吐感に襲われ、ひっくり返っていた一日となった。当然夕御飯はパス。別役実の「やってきたゴドー」を再読しつつベッドの中の温かみに身を包む。