【カンアオイ・寒葵】ウマノスズクサ科カンアオイ属
カンアオイのお仲間の「タマノカンアオイ」には、昨年の4月に不思議空間で出会いを果たしました。
ネットでカンアオイの存在を知って以来、是非とも花を見てみたいと思っていましたのでね、ユニークな花を見ることが出来て、ほんとうに嬉しかったです。
今回は本家ともいえる「カンアオイ」の花を見ることが出来ました。
実は株自体には、こちらのカンアオイのほうに出会ったのが先だったのですよ。
名札付きでしたので間違いありません。
花の時期ではありませんでしたが、葉っぱだけで充分存在感のある植物だと思ってました。
事実江戸時代には、葉に出る斑紋(はんもん)を観賞するため、好事家たちにより盛んに栽培されていたんだそうです。
今考えればですが、昨季は花の咲いていたのを見逃してしまったようです。
花時期がいつなのかの知識が、まったくありませんでしたのでね。
その後も知識のほどは芳しくありませんが、今期は花を見ることが出来ました。
これは一重に、偶然の賜物です。
たまたま通りかかったら、花が見えたという、それだけのことです。
カンアオイ(の仲間)は日本の固有種で、関東から近畿、四国に分布する常緑の多年草です。
耐寒性は強いのですが、とにかく成長が遅いので生育範囲を広げることが難しくて(移動速度は「1万年に1㎞」との説があります)、地方によりさまざまな種にわかれています。
もともとは同じものだったのが、長い年月を経たことで少しずつ変化してしまったということでしょうね。
こんな状態を「種分化」というらしいですよ。「変異」とは違います。
日本には50~60種のカンアオイがあるそうです。
昨年出会った「タマノカンアオイ」も、そのひとつです。
地面に埋まったように咲く花は、かなりユニークです。
それでもこちらのカンアオイは、まだ花茎が確認出来ます。
3裂した花びらのように見えるのは、萼です。
釣鐘状の筒のなかに、雄蕊や雌蕊があるんでしょうが、見えませんね。
名前の「アオイ・葵」はアオイ科の植物のことではなく、徳川家のご紋に使われているフタバアオイのことです。
(フタバ)アオイに似て、冬にも枯れない常緑の葉であることから、「カンアオイ・寒葵」と命名されました。