公益財団法人「笹川平和財団」などが主催する自衛隊と中国軍の佐官級交流事業で来日した中国軍の訪日団が17日、防衛省で小野寺五典防衛相を表敬訪問した。同事業は日中関係悪化を受けて2012年に中止されたが、今回は関係改善に合わせて6年ぶりに再開された。

 小野寺氏は「日中平和友好条約40周年の節目に事業が再開されたことは大変意義がある」と語り、防衛交流強化に意欲を見せた。また、北朝鮮情勢について「朝鮮半島の非核化は日中共通の目標。北朝鮮に最大限の圧力を維持することが必要で、中国とも連携していきたい」と述べた。これに対し、団長の慈国巍(じこくぎ)陸軍少将は「交流を通じて理解し合い、信頼を醸成し、友情を育てたい」と応じた。

 交流事業は01年に開始。自衛隊と中国軍が年1回相互訪問し、部隊や防衛関連の教育研究機関への訪問を行ってきた。しかし、12年の沖縄県・尖閣諸島の国有化を巡って日中関係が悪化し、中止された。再開して初めてとなる今回は、中国軍の25人が15日から8日間の日程で来日している。【秋山信一】