白山火山帯

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東京五輪 米ニューヨークタイムズ紙「中止可能性ある」 海外有力紙悲観論続く

2021-01-16 15:45:12 | 日記

東京五輪 米ニューヨークタイムズ紙「中止可能性ある」 海外有力紙悲観論続く

東京五輪 米ニューヨークタイムズ紙「中止可能性ある」 海外有力紙悲観論続く

 国立競技場と五輪モニュメント

(デイリースポーツ)

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からない中、1年延期され今年7月に開幕予定の東京五輪にも暗雲が漂っている。東京では2度目の緊急事態宣言が発令され、各種世論調査でも約8割が中止、再延期という今年の開催に否定的な意見。年明けから海外メディアも悲観的な論調が相次いでおり、15日の米「ニューヨーク・タイムズ」紙も「見通しは暗くなってきた」と報じ、中止の可能性にも言及した。

 同紙は「東京五輪の計画は日ごとに不確実になっている。日本全土と欧米の大国でコロナの症例が増加するにつれて、東京と国際オリンピック委員会双方の当局者は、安全な大会を開催することは不可能である可能性があることを認め始めている。第二次世界大戦以降、初の五輪中止を余儀なくされる可能性がある」とし、「これは五輪準備のために120億ドル以上を費やし、さらに延期で数十億ドルを費やしてきた五輪組織と日本にとって大きな財政的打撃になる」と報じた。否定的な国内世論にも触れ、IOCなどが期待するワクチンについても、同紙は「ワクチンの展開は予想よりも遅く、人類の多くはこの夏までにワクチン接種を受けないままになる」と指摘した。

 21年に入り、IOCの最古参委員であるディック・パウンド氏が「大会ができる保証はない」と話したことが報じられ、ボートの元名選手で4個の五輪金メダルを獲得したマシュー・ピンセント氏(英国)はツイッターで「東京五輪は2024年まで延期すべきだ」と主張するなど、各関係者からも危機感を滲ませるコメントが増えてきた。

 海外紙による東京五輪への悲観的な見方は続いており、英高級紙「ガーディアン」は1日付けで「五輪当局者はあらゆる場面でウイルスに足場を崩されていることに気付いた。安倍首相が想定した(ウイルスに打ち勝った)祝賀会とはほど遠い、厳しい現実により期待を下げざるを得なくなっている」と報じ、IOCのバッハ会長などが主張する「東京五輪は人間がウイルスを打ち負かした証拠になる」との声を「希望的観測」とバッサリ。日本の状況を「人々が五輪の夢を放棄する準備ができているようにみえる」とした。緊急事態が出された7日のAP通信は「ウイルスの急速な広がりが五輪の計画を危うくしている」と報じるなど、中止や再延期を否定するIOC、政府、組織委と国内世論との温度差を指摘する報道も目立っている。

コロナが重症化する人、しない人 その差は? 血栓と免疫に注目

2021-01-16 01:00:00 | 日記

コロナが重症化する人、しない人 その差は? 血栓と免疫に注目

コロナが重症化する人、しない人 その差は? 血栓と免疫に注目

※写真はイメージです (GettyImages)

(AERA dot.)

 医療崩壊を招く要因の一つが重症化だ。厚生労働省によると、重症化率は50代以下は0.3%と低いが、60代以上は8.5%。70代の重症化リスクは30代の47倍にもなる。

 もう一つの要因は、基礎疾患。特に慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)や腎臓病、糖尿病、高血圧、心臓病、肥満でリスクが上がる。昨年末に53歳で新型コロナで亡くなった立憲民主党の羽田雄一郎参議院議員も、糖尿病や高脂血症といった基礎疾患があったという。

「なぜ基礎疾患や高齢が重症化のリスクになるのか。“血栓の形成”と“免疫の暴走”という二つの現象が関わっていると考えられています」

 と話すのは、感染症に詳しい関西福祉大学教授の勝田吉彰医師。血栓とは血液の塊のことで、かさぶたのようなもの。感染して炎症が起こると血液が固まりやすくなり、血栓ができやすい。しかも新型コロナは血管の内側の内皮細胞にも感染するため、余計に血栓ができやすいのだという。

「血栓で血管が詰まると、そこから先には血液が流れないので、栄養も酸素も途絶えてしまう。その結果、組織が壊死(えし)するなどで機能低下に陥ります。特に基礎疾患がある人や高齢者の血管は動脈硬化が進んで血管の内皮が荒れているので、血栓ができやすい。重症化しやすいのです」(勝田教授)

 免疫の暴走について、「T細胞」に注目するのが、前出の宮坂医師だ。

 免疫には生まれたときから備わっている自然免疫と、病原菌にさらされてできる獲得免疫がある。T細胞は後者で、ウイルスに感染した細胞を殺したり、ウイルスが増えるのを抑える抗体をつくるよう指示したりする。我々の免疫には欠かせない存在だ。

「実は国内外のいくつかの研究で、重症化した人ではこのT細胞に異常が見られることがわかってきたのです」(宮坂医師)

 例えば、海外の研究では、軽症者の体内で活性化していたのは反応性の強いT細胞だったが、重症者では反応性の弱いT細胞が活性化していた。このためウイルスが排除されずに増殖し、重症化につながった可能性があるという。

 そして、このT細胞に影響を与えているのが、肥満や糖尿病などの基礎疾患だ。宮坂医師は言う。

「基礎疾患がある人の体内では常に小さな炎症が起きていて、炎症性サイトカインという物質が異常につくられています。これがT細胞に過剰に作用すると、強いT細胞が減って弱いT細胞が増えるなどの問題が起こります。免疫システムが狂うので重症化しやすいだけでなく、新型コロナにもかかりやすくなるのです」

 幸いなことに、生活習慣の改善や薬などで持病をコントロールできれば、炎症が鎮まって炎症性サイトカインは減り、正常な免疫に戻るという。感染対策と同様に気にかけていただきたい。(本誌・山内リカ)

※週刊朝日  2021年1月22日号