ナショナルモール閉鎖か 米大統領就任式、異例の措置
20日に行われるバイデン米次期大統領の就任式の際、警備強化のために首都ワシントン中心部の緑地帯「ナショナルモール」の閉鎖が検討されていると、複数の米メディアが14日に報じた。大統領就任式ではナショナルモールに何万人もの聴衆が集まって演説を聞くのが慣例で、閉鎖されれば極めて異例となる。
大統領就任式は、連邦議会議事堂前に設けられたステージで行い、隣接するナショナルモールで観衆が見る形が取られてきた。バイデン氏の就任式は、新型コロナウイルス対策のため、ほとんどオンラインで行われるが、議事堂前の演説は実施される予定だ。
しかし、6日にトランプ大統領の支持者による議事堂襲撃事件が起きたうえ、連邦捜査局(FBI)は就任式に合わせてワシントンなどで武装集団が抗議活動を計画している情報を入手。就任式実行委員会は警備上の観点から、ナショナルモールを閉鎖することも検討しているという。
ワシントン中心部では現在、迷彩服姿の州兵が警備にあたり、厳しい車両規制が行われている。今週末からは地下鉄の駅も一部閉鎖され、警備する州兵が増強される。ワシントンのバウザー市長は米市民に「首都を訪問しないように」と呼びかけている。(ワシントン=園田耕司)