「高山先生! どうしました!? 大丈夫ですか!」
*
「高山先生おられますか?」
「高山先生は具合が悪くて今朝内科に入院しました」
「えっ?」
「どうしたの? どこが悪いの?」
「そんな血相変えて飛び込んでくると誰かに見られたら僕達の仲疑われちゃうでしょ(笑)」
「もう~茶化さないで、心配したんだから」
「軽い胃潰瘍だから心配しないで」
「いろいろとストレスだったのね、それにあなたは働き過ぎ、いい機会だから少しゆっくりして」
「うん、医者の不養生てやつで恥ずかしいけどな(苦笑)」
「恥ずかしくないです。高山先生の力になれるように僕はもっともっと頑張ります」
「そっか 新堂、期待してるぞっ」
「はい! 高山先生が僕に期待してる、期待してる、僕に期待してる(何度も繰り返します)」
「わかったから^ ^ ところで俺になんか用事でも?」
「あっこれ 高山先生の携帯を持ってきました」
「新堂先生、いつからいたの?」
「大丈夫です。僕は二人の仲を疑ってません。疑うというのは悪い言葉です。理事長と高山先生はとても仲良しです。仲良しなのはいいことです」
「そうね、仲良しなのはいいことよね。でも私と高山先生が仲良しなのは内緒にしてね」
「わかりました」
わかったのか?
「大人の事情ってやつですね」
成長したな新堂・・・
「新堂先生も仲良しな女性はいるの?」
「夏美先生と仲良しになりたいです」
「瀬戸とは仲いいだろ?」
恋愛に疎い高山先生です^ ^
病室を出ていく湊に小さな声で・・・
「新堂先生、私でよかったら相談にのるわよ」
「ありがとうございます(にっこり)」
「新堂先生て純粋で可愛いわね、私ひとりっこで兄弟がいないから可愛い弟や妹が欲しかったな」
「夏美先生! 高山先生が僕に期待してるそうです!」
えっ高山先生がそんなことを?
「凄く凄く凄く嬉しいです! 僕はもっともっと頑張ります」
「よかったわね」
病気になって気が弱くなった ‥‥じゃなくて優しくなったのね^ ^
*
「高山先生~」 と子供たち。
「こらっ 入院してるのに内科病棟なんかに来ちゃだめだろ」
しゅんとする子供たち
「みんなどうしてもお見舞いしたいって言うから少しならいいって私が許可して連れてきたんです。みんなと言っても元気のいい子たちだけですけど」
「みんなごめんな怒ったりして」
「高山先生にお花もってきたよ」
「それって自分の花瓶から抜いたお花でしょ」
「シー!」
「ありがとう(笑)」
「私、高山先生の顔書いたよ」
「どれどれっ 上手に書いたね」
「高山先生はもっと眼が大きくて鼻が高いよ」
「うっせー」
「私は折り紙で鶴折ったよ」
「ありがとう」
「高山先生、早くよくなってください!」
「うん(笑顔)」
「じゃあみんな帰るよ」
「はーい」
病室を出ながら子供たち・・・
「高山先生、笑ってたね。喜んでくれてよかった~」
「久々に高山先生の笑顔を見ましたよ(看護師長)」
「えっ?」
「昔はよく笑ってたのにね。今は抱えるものや責任も大きいでしょうが昔のようにもっと笑ってくださいよ、素敵な笑顔なんですから」
「はい(微笑)」
コンコン・・・
「どうぞ」
「高山先生、お久しぶりです。その説はお世話になりました」
「近藤くん!? 今日はどうしたの」
「知人の見舞いにきたら廊下で看護師長に会って」
「ああそれで」
「急だったんで手ぶらですみません」
「寄ってくれただけで嬉しいよ。近藤くんはもう大学生?」
「はい、今春から大学に通ってます」
「元気そうでよかった、背も伸びてイケメンだからモテるだろ?」
「先生ほどでは(笑)」
「(笑)そんな冗談も言えるようになったか、大人になったな」
「あの頃の僕は子供で先生にも突っかかりましたね」
「仕方ないよ、子供の頃から描いていた夢を病気で断念せざるを得なかったんだから」
「凄く難しい手術で先生がオペしなかったら死んでたかも知れないんですよね、本当に感謝してます」
「患者を助けるのが医者の仕事だから」
「僕将来はラジオパーソナリティになりたいんです」
「ラジオ?」
「手術の後で先生がラジオ持ってきてくれたでしょ。身体がしんどいからゲームも疲れるしテレビも見れないし漫画読む気にもなれなくて音楽も飽きるほど聴いたし、ラジオなんてと思ったけどラジオなら寝ながらでも聞けるから暇つぶしに聞いてみたらこれが案外面白くてためになる話もあるし、人生相談みたいなの聞きながら、馬鹿野郎!そんなことで死ぬなって思ったり」
「へー」
「サッカーのU15に選ばれてたのに出れなくなって俺の人生15で終わったなんて言ってた俺が言うのもなんですが(苦笑)」
「そうだったな」
「あのとき先生に‥‥君の人生、私がどうこう言うことじゃないがここは小児病棟、15まで生きられるかどうかわからない子だっている。思うのは自由だが声に出して言うな、黙ってろって言われました。君の人生はまだまだこれからだ、いいことだって沢山あるから頑張れって言われたら反発したかも知れないけど、自分のことしか考えられなかったときに周りを見たら愕然としました」
「15はまだ子供だ、ちゃんと理解した君が偉いよ。ラジオパーソナリティか、いいな。君がいつかラジオ番組を持つのを楽しみにしてるよ」
「はい!」
たまに入院するのも悪くないな(微笑) ときには立ち止まって自分の人生を振り返ってみるというというわけでもないが、暇すぎて昔のことを思い出していた。
患者の死に涙した研修医の頃、泣きながら医学書を読み漁った。地方大学出ということで見下されて悔しい思いをしたこともあったっけ(苦笑)
尊敬していた教授にいい医者とはどんな医者だと思いますかと尋ねたら、教授は「私は常にいい医者とは?と自問自答する医者でありたい」と応えた。
そのうち新堂に聞かれそうだな(笑)なんて応えよう。パクるわけではないけど、今なら教授の言ったことがよくわかる(微笑)
*
「退院おめでとう」
「ありがとう」
「仕事は来週から?」
「またバリバリ仕事するぞっ わかってる、医者の不養生にはならないように気をつけます。だからそんな怖い顔しないで(笑)
「まっ 失礼ね」
「怒った顔も可愛いけど」
ここはほっぺにちゅうでしょうか。
「明日空いてる?」
「うん」
「行きたいところがあるから付き合って」
「ええ」
お彼岸にお墓参りです。
「君に雅也のことを話せなかったのは自分の仲でまだ整理がついてないというか、雅也の死を乗り越えられてなかったのかも知れない」
「うん」
「雅也は俺が医者になったのをとても喜んで自閉症も治してねと言っていた。小児外科医を選んだのは雅也の死がきっかけで病気の子供たちを大人にしたいと思った。今でも何もしない方が雅也は死なずにすんだかも知れないのにと後悔の念は尽きないが、新堂を見てるとしばらくでもやりたいことをやれて良かったのかも知れないと少しだけ思う。俺のエゴかも知れんが(苦笑)」
「雅也くんはあなたのことを見守って応援してる、それにきっと新堂先生のことも応援してるわよ」
「うん(微笑)」
雅也・・・今日はお兄ちゃんの大切な人を紹介します。
奇麗な人だね・・・
風が囁いた。。。
*
「高山先生おられますか?」
「高山先生は具合が悪くて今朝内科に入院しました」
「えっ?」
「どうしたの? どこが悪いの?」
「そんな血相変えて飛び込んでくると誰かに見られたら僕達の仲疑われちゃうでしょ(笑)」
「もう~茶化さないで、心配したんだから」
「軽い胃潰瘍だから心配しないで」
「いろいろとストレスだったのね、それにあなたは働き過ぎ、いい機会だから少しゆっくりして」
「うん、医者の不養生てやつで恥ずかしいけどな(苦笑)」
「恥ずかしくないです。高山先生の力になれるように僕はもっともっと頑張ります」
「そっか 新堂、期待してるぞっ」
「はい! 高山先生が僕に期待してる、期待してる、僕に期待してる(何度も繰り返します)」
「わかったから^ ^ ところで俺になんか用事でも?」
「あっこれ 高山先生の携帯を持ってきました」
「新堂先生、いつからいたの?」
「大丈夫です。僕は二人の仲を疑ってません。疑うというのは悪い言葉です。理事長と高山先生はとても仲良しです。仲良しなのはいいことです」
「そうね、仲良しなのはいいことよね。でも私と高山先生が仲良しなのは内緒にしてね」
「わかりました」
わかったのか?
「大人の事情ってやつですね」
成長したな新堂・・・
「新堂先生も仲良しな女性はいるの?」
「夏美先生と仲良しになりたいです」
「瀬戸とは仲いいだろ?」
恋愛に疎い高山先生です^ ^
病室を出ていく湊に小さな声で・・・
「新堂先生、私でよかったら相談にのるわよ」
「ありがとうございます(にっこり)」
「新堂先生て純粋で可愛いわね、私ひとりっこで兄弟がいないから可愛い弟や妹が欲しかったな」
「夏美先生! 高山先生が僕に期待してるそうです!」
えっ高山先生がそんなことを?
「凄く凄く凄く嬉しいです! 僕はもっともっと頑張ります」
「よかったわね」
病気になって気が弱くなった ‥‥じゃなくて優しくなったのね^ ^
*
「高山先生~」 と子供たち。
「こらっ 入院してるのに内科病棟なんかに来ちゃだめだろ」
しゅんとする子供たち
「みんなどうしてもお見舞いしたいって言うから少しならいいって私が許可して連れてきたんです。みんなと言っても元気のいい子たちだけですけど」
「みんなごめんな怒ったりして」
「高山先生にお花もってきたよ」
「それって自分の花瓶から抜いたお花でしょ」
「シー!」
「ありがとう(笑)」
「私、高山先生の顔書いたよ」
「どれどれっ 上手に書いたね」
「高山先生はもっと眼が大きくて鼻が高いよ」
「うっせー」
「私は折り紙で鶴折ったよ」
「ありがとう」
「高山先生、早くよくなってください!」
「うん(笑顔)」
「じゃあみんな帰るよ」
「はーい」
病室を出ながら子供たち・・・
「高山先生、笑ってたね。喜んでくれてよかった~」
「久々に高山先生の笑顔を見ましたよ(看護師長)」
「えっ?」
「昔はよく笑ってたのにね。今は抱えるものや責任も大きいでしょうが昔のようにもっと笑ってくださいよ、素敵な笑顔なんですから」
「はい(微笑)」
コンコン・・・
「どうぞ」
「高山先生、お久しぶりです。その説はお世話になりました」
「近藤くん!? 今日はどうしたの」
「知人の見舞いにきたら廊下で看護師長に会って」
「ああそれで」
「急だったんで手ぶらですみません」
「寄ってくれただけで嬉しいよ。近藤くんはもう大学生?」
「はい、今春から大学に通ってます」
「元気そうでよかった、背も伸びてイケメンだからモテるだろ?」
「先生ほどでは(笑)」
「(笑)そんな冗談も言えるようになったか、大人になったな」
「あの頃の僕は子供で先生にも突っかかりましたね」
「仕方ないよ、子供の頃から描いていた夢を病気で断念せざるを得なかったんだから」
「凄く難しい手術で先生がオペしなかったら死んでたかも知れないんですよね、本当に感謝してます」
「患者を助けるのが医者の仕事だから」
「僕将来はラジオパーソナリティになりたいんです」
「ラジオ?」
「手術の後で先生がラジオ持ってきてくれたでしょ。身体がしんどいからゲームも疲れるしテレビも見れないし漫画読む気にもなれなくて音楽も飽きるほど聴いたし、ラジオなんてと思ったけどラジオなら寝ながらでも聞けるから暇つぶしに聞いてみたらこれが案外面白くてためになる話もあるし、人生相談みたいなの聞きながら、馬鹿野郎!そんなことで死ぬなって思ったり」
「へー」
「サッカーのU15に選ばれてたのに出れなくなって俺の人生15で終わったなんて言ってた俺が言うのもなんですが(苦笑)」
「そうだったな」
「あのとき先生に‥‥君の人生、私がどうこう言うことじゃないがここは小児病棟、15まで生きられるかどうかわからない子だっている。思うのは自由だが声に出して言うな、黙ってろって言われました。君の人生はまだまだこれからだ、いいことだって沢山あるから頑張れって言われたら反発したかも知れないけど、自分のことしか考えられなかったときに周りを見たら愕然としました」
「15はまだ子供だ、ちゃんと理解した君が偉いよ。ラジオパーソナリティか、いいな。君がいつかラジオ番組を持つのを楽しみにしてるよ」
「はい!」
たまに入院するのも悪くないな(微笑) ときには立ち止まって自分の人生を振り返ってみるというというわけでもないが、暇すぎて昔のことを思い出していた。
患者の死に涙した研修医の頃、泣きながら医学書を読み漁った。地方大学出ということで見下されて悔しい思いをしたこともあったっけ(苦笑)
尊敬していた教授にいい医者とはどんな医者だと思いますかと尋ねたら、教授は「私は常にいい医者とは?と自問自答する医者でありたい」と応えた。
そのうち新堂に聞かれそうだな(笑)なんて応えよう。パクるわけではないけど、今なら教授の言ったことがよくわかる(微笑)
*
「退院おめでとう」
「ありがとう」
「仕事は来週から?」
「またバリバリ仕事するぞっ わかってる、医者の不養生にはならないように気をつけます。だからそんな怖い顔しないで(笑)
「まっ 失礼ね」
「怒った顔も可愛いけど」
ここはほっぺにちゅうでしょうか。
「明日空いてる?」
「うん」
「行きたいところがあるから付き合って」
「ええ」
お彼岸にお墓参りです。
「君に雅也のことを話せなかったのは自分の仲でまだ整理がついてないというか、雅也の死を乗り越えられてなかったのかも知れない」
「うん」
「雅也は俺が医者になったのをとても喜んで自閉症も治してねと言っていた。小児外科医を選んだのは雅也の死がきっかけで病気の子供たちを大人にしたいと思った。今でも何もしない方が雅也は死なずにすんだかも知れないのにと後悔の念は尽きないが、新堂を見てるとしばらくでもやりたいことをやれて良かったのかも知れないと少しだけ思う。俺のエゴかも知れんが(苦笑)」
「雅也くんはあなたのことを見守って応援してる、それにきっと新堂先生のことも応援してるわよ」
「うん(微笑)」
雅也・・・今日はお兄ちゃんの大切な人を紹介します。
奇麗な人だね・・・
風が囁いた。。。
タイトルが思いつかなくて英語でカッコつけました(笑)感想等頂けると嬉しいです。