ことばの広場、英語で自己紹介 朝日新聞記事より。
英語で自己紹介、との見出しで、姓名表記を話題にしている。
英語表記の場合は、名前をまず書くと教えられた世代からすれば、英会話、英文などでの必要があると思ってきた。
それが、記事によれば、それについて2002年度からすべての教科書で、姓―名 中心の表記となっているそうだ。
英語学習のことであるから、その理由のあるところだと思われるが、文科省が進めていることだとすれば、英語と日本語との文化の捉え方にかかわって、学習には不適であると言わざるを得ない。
1st name ということ、family name ということ、なかには、middle name の順序ということがあって、英語表記にある英語学習として誤解を作っていくことになる。
そのことを、郷に入れば郷に従うというようなことを言うではなくて、英語文化を日本語文化で見たままにしようとするのであって、その表記法を英語文化、英語社会の了解を変えて、異なった文化での、違った事実を教えるということになる。
たぶん、日本語では姓名と書くからという日本語表記を、そのままにしようとする主張となって、日本語文、日本語の会話ではそれでよいものの、英語会話、英語文では日本人の異なった印象を作っていく結果となる。
表記法での解決はその工夫であるから、ローマ字名のサインを必要とする書き方を注意すべきである。
1865年 幕末洋学者欧文集に 名―姓 の表記 現存する資料でもっとも古いか
1889年 年文部省が最初に英語の教科書をつくった
1904年ごろ 和歌山大学、江利川春雄教授の調査、教材の中に「名―姓」の表記が現れ始めた
1999年 年文化庁、国語に関する世論調査
英文における日本人の姓名表記
> 姓-名 の順で通すべきだ(34.9%)
名-姓 の順に直すのがよい(30.6%)
どちらとも言えない(29.6%)
1992年 国連総会、少数者の権利宣言 採択
2000年 国語審議会 日本人の姓名については、ローマ字表記においても 姓―名 の順とすることが望ましい、との答申
(1)YAMADA Taroのように姓をすべて大文字にする(2)Yamada,Taroのように姓と名のあいだにコンマを打つ、といった例
2002年 中学校、英語科目すべての教科書で、姓―名 中心の表記
>戦後40年をすぎた1987年に、教科書の姓名表記を見直す動きが出てきます。三省堂のNew Crownが「姓―名」の順を取り入れたのです。名前はアイデンティティーを示すものであり、英語表記の中でももともとの順序が尊重されるべきだ、というのが変更の理由でした。
http://digital.asahi.com/special/kotoba/danwa/SDI201510246963.html
> 文部省が最初に英語の教科書をつくった1889年、日本人の名前は「姓―名」の順で表記されていました。和歌山大学の江利川春雄教授の調査によれば、教材の中に「名―姓」の表記が現れ始めたのは1904年ごろ。その後、徐々に主流となったようです。
この表記を見直す教科書が増えたのは、90年代のことです。江利川教授は、その背景に「90年代~2000年代の、民族それぞれの文化を尊重する世界的な流れがある」といいます。国連総会では92年、「少数者の権利宣言」が採択されます。00年には、国語審議会が「日本人の姓名については、ローマ字表記においても『姓―名』の順とすることが望ましい」との答申を出しました。
答申はまた、誤解を防ぐ工夫として、名前を書く際に(1)YAMADA Taroのように姓をすべて大文字にする(2)Yamada,Taroのように姓と名のあいだにコンマを打つ、といった例を示しています。
英語で自己紹介、との見出しで、姓名表記を話題にしている。
英語表記の場合は、名前をまず書くと教えられた世代からすれば、英会話、英文などでの必要があると思ってきた。
それが、記事によれば、それについて2002年度からすべての教科書で、姓―名 中心の表記となっているそうだ。
英語学習のことであるから、その理由のあるところだと思われるが、文科省が進めていることだとすれば、英語と日本語との文化の捉え方にかかわって、学習には不適であると言わざるを得ない。
1st name ということ、family name ということ、なかには、middle name の順序ということがあって、英語表記にある英語学習として誤解を作っていくことになる。
そのことを、郷に入れば郷に従うというようなことを言うではなくて、英語文化を日本語文化で見たままにしようとするのであって、その表記法を英語文化、英語社会の了解を変えて、異なった文化での、違った事実を教えるということになる。
たぶん、日本語では姓名と書くからという日本語表記を、そのままにしようとする主張となって、日本語文、日本語の会話ではそれでよいものの、英語会話、英語文では日本人の異なった印象を作っていく結果となる。
表記法での解決はその工夫であるから、ローマ字名のサインを必要とする書き方を注意すべきである。
1865年 幕末洋学者欧文集に 名―姓 の表記 現存する資料でもっとも古いか
1889年 年文部省が最初に英語の教科書をつくった
1904年ごろ 和歌山大学、江利川春雄教授の調査、教材の中に「名―姓」の表記が現れ始めた
1999年 年文化庁、国語に関する世論調査
英文における日本人の姓名表記
> 姓-名 の順で通すべきだ(34.9%)
名-姓 の順に直すのがよい(30.6%)
どちらとも言えない(29.6%)
1992年 国連総会、少数者の権利宣言 採択
2000年 国語審議会 日本人の姓名については、ローマ字表記においても 姓―名 の順とすることが望ましい、との答申
(1)YAMADA Taroのように姓をすべて大文字にする(2)Yamada,Taroのように姓と名のあいだにコンマを打つ、といった例
2002年 中学校、英語科目すべての教科書で、姓―名 中心の表記
>戦後40年をすぎた1987年に、教科書の姓名表記を見直す動きが出てきます。三省堂のNew Crownが「姓―名」の順を取り入れたのです。名前はアイデンティティーを示すものであり、英語表記の中でももともとの順序が尊重されるべきだ、というのが変更の理由でした。
http://digital.asahi.com/special/kotoba/danwa/SDI201510246963.html
> 文部省が最初に英語の教科書をつくった1889年、日本人の名前は「姓―名」の順で表記されていました。和歌山大学の江利川春雄教授の調査によれば、教材の中に「名―姓」の表記が現れ始めたのは1904年ごろ。その後、徐々に主流となったようです。
この表記を見直す教科書が増えたのは、90年代のことです。江利川教授は、その背景に「90年代~2000年代の、民族それぞれの文化を尊重する世界的な流れがある」といいます。国連総会では92年、「少数者の権利宣言」が採択されます。00年には、国語審議会が「日本人の姓名については、ローマ字表記においても『姓―名』の順とすることが望ましい」との答申を出しました。
答申はまた、誤解を防ぐ工夫として、名前を書く際に(1)YAMADA Taroのように姓をすべて大文字にする(2)Yamada,Taroのように姓と名のあいだにコンマを打つ、といった例を示しています。