国語語彙論と国語意味論と、この二つを挙げると、これは分野として語彙論と意味論の対になるようである。語彙の議論と、語の意味の議論である。実はこの二つには、それぞれ専門書のタイトルとして見ることができるので、それによれば、その著述によるところにもなる。国語語彙論は、計量語彙の進められる中で語彙とは何かを集約した、いわば、図版を多く入れた図説のはしりにもなる便利な書である。国語意味論は国語構文論の著述に続く。出版年でいえば、2002年で、1971年の国語構文論のあと、時を経てまとめられた。国語語彙論と国語意味論は時間経過に対照をなすようである。国語学と日本語学と、そこに語彙論か、意味論かというながれを、現代はつくっている。
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国語語彙論
田中章夫
明治書院, 1978 - 355 ページ
単行本: 355ページ
出版社: 明治書院 (1978/02)
言語: 日本語
ISBN-10: 4625420199
ISBN-13: 978-4625420191
発売日: 1978/02
書誌情報
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書籍名 国語語彙論
著者 田中章夫
出版社 明治書院, 1978
書籍の提供元 カリフォルニア大学
デジタル化された日 2008年1月31日
ページ数 355 ページ
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国語意味論 単行本 – 2002/8/24
渡辺 実 (著)
商品の説明
内容紹介
日本語の意味研究の進歩は近年目ざましいが、意味というものの性質上、その研究は多種多形であり得る。
著者は意味を、経験と言葉をつなぐものと把握し、また日本語は対象的意義のみならず主体的意義に温かな言語だとも把握し、独自の意味論を展開する。
内容(「MARC」データベースより)
意味論に関する論文集。意義の構造、日本語の意義傾向、用語と表現、意義記述、副用語への試行錯誤、副用語の振舞いの6章から成る。
登録情報
単行本: 402ページ
出版社: 塙書房 (2002/8/24)
言語: 日本語
日本語の意味研究の進歩は近年目ざましいが、意味というものの性質上、その研究は多種多形であり得る。
著者は意味を、経験と言葉をつなぐものと把握し、また日本語は対象的意義のみならず主体的意義に温かな言語だとも把握し、独自の意味論を展開する。
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国語意味論
渡辺 実 著
A5判 402頁
2002年発行
定価 8,640 円 (本体8,000 円+税)
ISBN 978-4-8273-0087-1
発売日 2002/06
【目次】
第一章 意義の構造
1 意義・言葉・経験
2 意義特徴および類義対義・比喩
3 多義の様相
4 意義内項・意義外項
第二章 日本語の意義傾向
5 対象的意義・主体的意義
6 認識の言語、伝達の言語
7 わがこと・ひとごと
第三章 用語と表現
8 日本語と和歌
9 日本語と散文
10 日本語と小説
第四章 意義記述
11 指示語彙「こ・そ・あ」
12 不快語彙「すさまじ」「にくし」など
13 心状語彙「にくむ」「ねたむ」など
14 時間空間語彙「さき」「あと」など
第五章 副用語への試行錯誤
15 「もっと」
16 「よほど」
17 「多少」
18 程度副詞の体系
第六章 副用語の振舞い
19 「せっかく」
20 「つい」
21 「なかなか」
22 「さすが」
【著者紹介】(発行当時のものです)
渡辺実(わたなべ・みのる)
1926年京都府生まれ。
京都大学文学部卒業。
博士(文学)。
京都大学名誉教授。
著書に『国語構文論』『国語表現論』など。
現代日本語百科
日本語語彙論 語の構成
2013-09-29 | 語と語彙
日本語語彙論 語の構成
語の構成は語構成論として文法論になる。国語語彙論は1950年代以降に論じられるようになり、語論とは分ける。
しかし文法論の国語に対して言語の考え方が日本語学として1980年代から盛んになる。
そのため、語を言語記号として説明し、形態としてとらえようとする。
したがって語彙論に言語記号また形態を説明するのは、議論が違う場合が出てくる。
言語記号はソシュール学説による。形態はブルームフィールドの文法論による。
語彙論を行うには語としての定義から出発するとよい。語は意味の最小単位である。
言語記号は概念と聴覚映像を説明し、その後にウルマンによって音声、形式と、意味、概念の結びつきを意味の三角形とするようになった。
語と言えば音声に意味が表裏一体となるコインのようにたとえることができる。
形態は形式として語の音による形式を自立と結合の部分に分ける。接辞を考えればわかりよい。形態論の文法において語よりも、ひくいレベルの単位に語基をおき、語となるときの複合を説明する。
近代言語学の祖、ソシュール学説は多くの理論を示し学説としている。言語記号については、その恣意性を唱えたことにより、中世以来、歴史言語学を経て言語と意味のかかわりについて概念作用のあることを明らかにした。所記と能記の翻訳語は小林英夫の一般言語学講義による。言と言語と言語活動の区別についても、その考え方はひきつがれている。通時と共時の研究についての示唆に富んだ内容は今日、理論の基礎となった。語の連想はその語の意味についての研究を進めた。
語の意味については辞書義のことがあり、語にまつわる情報は文脈による解析が進んでいる。
語彙は集合としての見方を立てると、語彙論にはもうひとつ、まとまりとして体系の見方がそれまでに行われていたことがわかる。位相による語彙は歴史的な女房言葉に代表されるようにその応用範囲は広い。作家、作品、地域、そして時代や言語によるなどの語彙はその定義によってまとまりを見出すことになる。
計量語彙論は計算言語学の手法を用いる。