日本語表記論18
文章様式は文体を分類した。文体を表記と混同することを注意して、表記様式と文体とするとき、日本語の文体は、ことばづかいから見た文章の体裁として、文章の特色をなす言語の様式とすることがあり、和文体、漢文体、文語体、口語体、書簡体、論文体などと分類する。文体は文体論にスタイルの捉え方がある。
次は、日本国語大辞典より。
>文章の語句・語法・措辞などに特徴的に現われている作者の個性。その作者に特有な文章の特色、傾向。スタイル。
*文体論の建設〔1943〕〈小林英夫〉一・三「欧語のstyle なる語は文章に関するときは、我々の理解するやうな意味における『文体』の語をもって写すことが適当である」
文体をこのように見ると、文章様式を日本語の文体史に見ることがある。そこには表記様式があらわれている。現代語では漢字仮名交じり文を表記様式として用いているので、表記上の特徴から正書法がないと指摘されるところである。日本語の文体史に漢文を据えるかどうかは議論の余地があるが、それを訓読する文体と見れば、漢文体となる。
中国語の漢文は中国語音で読まれれば、それは日本語ではない。しかし中国語を日本語音にした仏教経典の音読みもあるので、それは文体に含めるかどうか、声明となれば声楽である。翻訳経典の漢文を訓読することも行われるので、やはり漢文体である。正史を記録するのは漢文であった。また漢字ばかりで書いた記紀歌謡があるが、これは日本語である。
和文体は文章様式でいえば、仮名文字で書かれたものとなる。しかし、仮名専用の文体ではない。書写の状況によるが、最初に書かれたものから転写の過程で漢字を交えることもあるだろうから、変体仮名と漢字を用いた文体となる。仮名文字文章様式とすればわかりよい。片仮名専用ではないが仮名書きとされるものに、片仮名の文章様式もある。
文章様式は文体を分類した。文体を表記と混同することを注意して、表記様式と文体とするとき、日本語の文体は、ことばづかいから見た文章の体裁として、文章の特色をなす言語の様式とすることがあり、和文体、漢文体、文語体、口語体、書簡体、論文体などと分類する。文体は文体論にスタイルの捉え方がある。
次は、日本国語大辞典より。
>文章の語句・語法・措辞などに特徴的に現われている作者の個性。その作者に特有な文章の特色、傾向。スタイル。
*文体論の建設〔1943〕〈小林英夫〉一・三「欧語のstyle なる語は文章に関するときは、我々の理解するやうな意味における『文体』の語をもって写すことが適当である」
文体をこのように見ると、文章様式を日本語の文体史に見ることがある。そこには表記様式があらわれている。現代語では漢字仮名交じり文を表記様式として用いているので、表記上の特徴から正書法がないと指摘されるところである。日本語の文体史に漢文を据えるかどうかは議論の余地があるが、それを訓読する文体と見れば、漢文体となる。
中国語の漢文は中国語音で読まれれば、それは日本語ではない。しかし中国語を日本語音にした仏教経典の音読みもあるので、それは文体に含めるかどうか、声明となれば声楽である。翻訳経典の漢文を訓読することも行われるので、やはり漢文体である。正史を記録するのは漢文であった。また漢字ばかりで書いた記紀歌謡があるが、これは日本語である。
和文体は文章様式でいえば、仮名文字で書かれたものとなる。しかし、仮名専用の文体ではない。書写の状況によるが、最初に書かれたものから転写の過程で漢字を交えることもあるだろうから、変体仮名と漢字を用いた文体となる。仮名文字文章様式とすればわかりよい。片仮名専用ではないが仮名書きとされるものに、片仮名の文章様式もある。