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足による投票

2021-03-31 | 新語・社会現象語

日経コラム記事、大機小機、足による投票という一文が興味深い。このコラムは、いつもそうなのだが、東京都が失ったもの とあるので、タイトルでオリンピックのことかと思って読むと、それが違うとわかる、その妙がある。足による投票、と言っている。何か。すぐに検索をかけてヒットする。 vote with their feet と見えるから、これは翻訳によるとわかる。社会学用語で、ウイキペディアの解説、

>住民が、自分にとって好ましい行政サービスを提供してくれる地方公共団体の地域に、住所を置く形で選択することによって、地方公共団体の納税収入等が変動し、地方自治体間の競争メカニズムが発生するという理論である。
従来の公職を誕生させるために、選挙で投票する「手による投票」に対する言葉であり、1956年にチャールズ・チボー(英語版)が提唱した。

と見える。となると、その文献をまた見ることになるが、居住地に足を置くかおかないか、そこに足を運ぶことで、行政サービスに係るコロナカ渦中で、禍で以って、東京を離れるとした現象を評論して、失ったものとなる。
それで、財政学にある、足による投票、ティボー「公共選択論」の一類型であるようである。

ふるさと納税が時代に逆行する「規制強化」された理由
高橋洋一:嘉悦大学教授
>社会学ではチャールズ・チボーの「足による投票」という言葉がある。 好ましい行政サービスを提供してくれる自治体に住民が移動して、住民税などを払い自治体の財政収入が上がる。それで住民サービスもまた充実する
>ふるさと納税は、「足による投票」を推進するもの

これは、何か、面白そうである。足による投票は、めぐりめぐって、東京都は何もしてくれないということの表れだろう。

コロナ第4波、大阪に、マンボウあらわる、か。
ドクトルマンボー、青い空の下をボロ船に乗って海外旅行に出かけた、ひょっこりひょうたんじーま 、ふざけている場合ではない。
まったく、なんだか予想通りの、波風なみかぜ、 風波である・・・



マーケット総合2
大機小機 コロナで東京都が失ったもの
924文字
コロナ危機で東京都の人口動態は劇的に変化した。これまで長い間、人口の転入超状態が続いていたのだが、2020年5月以降は転出超が続いている(同6月除く。総務省「住民基本台帳人口移動報告」)。これは確かに画期的なのだが、本当に画期的なのは、これが「足による投票」によって実現したことだ。
人々は、出生地、人生設計、経済環境などを考慮して居住地を選択し、その結果として地域ごとの人口が変化する。これを住民の「足による投票」だと考えると、コロナを機に、東京都の人口が流出超に転じたのは、東京都が「集票力」を失ったからである。都心での感染リスクの高まり、テレワークにふさわしい居住空間を求める動きなどが原因だろう。このことは次のような重要な意味を持つ。
一つは、それが政策的な下支えなしに実現したことだ。これまで政府が東京一極集中の是正を目指しても東京への集中傾向が一向に止まらなかったのは、東京の足による投票の集票力が強力だったからだ。これからも、いくら政策努力を重ねても、それが足による投票結果を変えるものでない限り効果はないだろう。
足による投票は一人一人の自主的な判断によるものだから、それをもたらした環境変化が持続する限り、政策の下支えがなくても、都からの人口流出は今後も続くだろう。
もう一つは、働く人の福祉の向上につながっていることだ。足による投票結果が変化したのは、一人一人が、自らの居住環境が改善すると判断したからである。勤務先はそのままで、自宅での作業能率は高まり、ワークライフバランスは改善する。働く人の福祉は向上しているはずだ。
ただし、これで東京一極集中が是正されると期待するのは早計である。20年5月から21年2月までの累計では、東京都は約2万5千人の流出超だが、東京圏(東京都プラス埼玉・千葉・神奈川県)では約4千人の流入超過である。
このことは、居住地の変更が東京都から周辺県への移動にとどまっており、東京圏の外にまでは及んでいないことを示している。人々は東京一極集中を是正するために移住しているわけではないのだから、これは当然である。逆に、東京圏としての魅力はさらに高まるかもしれないが、それは素直に受け入れるべきものである。

(隅田川)


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