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辻能

2013-11-04 | 日本語百科

辻能というので、辻芸、大道芸のことかと思って、辞書を確かめたら、   

つじ‐のう 【辻能】[名〕町なかや路傍などで行なう能。乞食能。

と、日本国語大辞典にあって、乞食能とは、これいかに・・・

基礎知識によれば、辻謡や辻能役者に身を転じて食いつないでいくものもいた、とか、書かれるので、そういうことがあったのだろう。

博物館の催しのパンフレットに、町人と能楽として、
    
> 江戸時代には武家だけでなく、町人も辻能や勧進能、町入能などお城の内外で能楽を見物する機会がありました。また、山車に乗るからくり人形は、能楽の曲を題材としたものもありました。現在にいたるまで、名古屋では多くの人々の間に能楽を支持する基盤があったことを紹介します。
  
と紹介されたりしている。

辻能はいざ知らず、それに合わせた狂言があったかどうかとなると、それは定かではない。やっとかめ文化祭で、   

>そして「辻狂言」とは、江戸時代、一般庶民を対象に、人が大勢集まる街角や道端、寺社の境内などで行われていた辻能にならって、狂言を現代のまちなかに復活させようというものです。
   
と宣伝し続けるのは問題だろう。




日本国語大辞典、辻能の項、用例より。
*浮世草子・好色敗毒散〔1703〕三・二「辻能(ツジノウ)する小娘までも、接物喰に反箸し給はぬ」
*随筆・翁草〔1791〕五六「辻能抔は畢竟心を留る物に非ず、誠に其形に似たる事をして、間を合して置物也」
*続春夏秋冬〔1906~07〕夏〈河東碧梧桐選〉「辻能の班女が舞や夏柳〈碧梧桐〉」

辻能役者の項
辻能を演ずる役者。
*草茅危言〔1789〕九・戯場「大坂にては宴会の席へ、辻能役者を招等云事も絶て無」


世界大百科事典内の辻能の言及
【辻芸】より
…大道芸の旧称。人が大勢集まる町角や道端,寺社の境内などで行ったもので,辻能,辻放下(つじぼうか),辻狂言,辻談義,辻咄,辻講釈,軽口物真似などがある。野天で演じたものと小屋掛けのものとがあった。…


能・狂言の基礎知識 - 38 ページ - Google ブック検索結果
books.google.co.jp/books?isbn=4047034401
石井倫子 - 2009 - ‎Kyōgen
大坂を拠点に活動する堀井仙助一座は本格した武士や商人らの中にはかって嗜んだ謡や能の腕前を頼りに、辻能役者に身を転じたり、辻謡をまた、フリ―の演能集団がいわば大道芸として「辻能」を興行し、好評を博していました。零落が多く、頻繁に演能が行


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www.museum.city.nagoya.jp/nouraku.html‎
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