読書など徒然に

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グーグル、iPhone向け地図アプリを準備

2012-11-19 16:23:29 | パソコン
wsj日本版から

グランドキャニオンで地図ソフト用画像を収集するグーグルプロダクトマネジャーのライアン フェラー氏
アップル AAPL +0.39% とグーグル GOOG -0.01% が携帯端末向け地図アプリケーションをめぐり、直接対決を繰り広げる日が近づいている。

 グーグルは、アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)iPhone(アイフォーン)向けの新しい地図アプリケーションのテスト版を社外の一部の人々に配布している。これについて直接知る人物が明らかにした。グーグルはアップルのiTunes(アイチューンズ)ストアへの申請を前に、アプリの最終調整を行っている。ただし申請の正確な時期は明らかでないという。グーグルの新しい地図アプリは、アイチューンズストアでの配信が認められれば、アップルの携帯端末にプレインストールされている新しい地図アプリと直接対決することになる。

 アップルの広報担当者は、承認申請されていないアプリについてのコメントはしない方針だと述べた。アップルは最近、グーグルの新しいアプリやアップデート版をいくつか承認している。

 グーグルの広報担当者は、「グーグルマップが世界で最も包括的で、正確で、使いやすい地図だと信じている。グーグルの目標は、どの端末、ブラウザー、基本ソフト(OS)を使用していても、希望する人すべてがグーグルマップを使えるようにすることだ」と話した。

 両社は最近、地図アプリをめぐって争っており、携帯端末からデジタルメディアの販売に至るあらゆる分野で対決姿勢を強めている。地図は端末使用の将来において最も重要な要素の一つだと考えられている。地図は行き先や買い物場所を見つけやすくするためなどに使う次世代アプリの下地となるからだ。

 アップルは9月半ば、アイフォーンと多機能端末iPad(アイパッド)向けの最新ソフトであるiOS6を発表し、端末にプレインストールされていたグーグルマップをアップル独自の地図アプリに入れ替えた。アップルはグーグルの動画サービス「ユーチューブ」のアプリも排除した。このアプリも地図アプリと同様、全ての端末にプレインストールされていた。プレインストールされていたグーグルのアプリはともに、グーグルのデータを基にアップルが作成したものだった。

 しかし、アップルのグーグルマップを排除する動きは裏目に出た。多数の消費者からアップルのアプリのデータに不正確な点が多すぎるとの不満の声が上がったからだ。騒動を受け、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は公式に謝罪した。アイフォーン向けソフトの責任者、スコット・フォーストール氏は公式に謝罪するのを拒否した。これはフォーストール氏と他のアップル幹部との長年にわたる対立を際立たせるきっかけになり、クックCEOは先月、フォールストール氏を同社から追い出す決定を下した。

 アップルは引き続き地図ソフトのバグの修正に取り組んでいる。地図チームは現在、エディー・キュー上級副社長(インターネットソフトウエア・サービス担当)の指揮下にある。関係者によれば、キュー氏は地図チームと直接関わり、ソフト改善のための定例の会合にも参加している。

 関係者によると、新しいアイフォーン向けのグーグルマップアプリには、ターンバイターン方式のナビゲーション機能が含まれるとみられている。これは運転中、携帯端末をGPS機器のように使えるようにする機能だ。これまでのアップル端末向けソフトにはターンバイターン・ナビ機能が入っていなかった。このソフトの他の側面をめぐり、両社の意見にさまざまな食い違いがあったことが一因だった。

 ナビゲーションは、グーグルのOSであるアンドロイドを搭載する携帯端末向けのグーグルマップで最も人気の機能の一つだ。アンドロイド端末には、検索エンジン、電子メールのGメール、それにユーチューブといった他のグーグルのサービスと一緒に、グーグルマップがプレインストールされている。

 さらに、グーグルは新しいアイフォーン向けアプリからより多くの収益を上げられる可能性がある。地域企業の広告をより多く表示させたり、収益を生むグーグルの他のサービスと連携させたりすることが可能になるからだ。

 グーグルは、より信頼できる地図サービスを提供することによって、アップルの地図アプリの現況に不満を持つ一部のアップル製端末ユーザーの心を新たにつかめる可能性がある。

 これと同様に、アップルのユーチューブを外すという決定は、グーグルにかなりの収益増をもたらすとみられている。

 アップルがアイフォーンとアイパッド向けの最新ソフトへのアップデート版を提供する前であったにもかかわらず、グーグルは9月にダウンロード可能なアイフォーン向けユーチューブアプリを公開している。アイパッド向けも現在開発中だ。アップルが承認して以降、アイフォーン向けユーチューブアプリはアイチューンズストアでダウンロード可能な無償アプリの中で最も人気のあるものの一つになっている。

 アップルにコントロールされていた古いユーチューブアプリと違い、新しいアプリには収益性の高い動画広告が入っている。こういった広告は、ユーチューブがグーグルにとって数十億ドル事業に育つ推進力になってきた。

記者: Amir Efrati、Jessica E. Lessin