読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

アイパッドミニの製造コストは約188ドル

2012-11-07 09:35:02 | 経済
wsj日本版から

米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」の新たな製品ライン「iPad mini(アイパッドミニ)」が2日、発売された。列に並んでアイパッドミニを手に入れた世界中の多くの人たちの中には、上から落としたり、水に浸したりして早速、耐久性や耐水性を試す人もいれば、アイパッドミニをテレビのお笑い番組のネタに利用している人もいる。さらに、この小さなかわいらしい端末をバラバラにすることを待ち切れなかった人たちもいる。米調査会社IHSアイサプライのアナリストたちだ。アイサプライはIHSに買収される前から、その「解体」分析リポートで広く知られているが、アイパッドミニに関しても早速リポートを作成した。その結果は次のようなものだ。Wi-Fiのみ対応の記憶容量16ギガバイトの基本モデルは、最低小売価格329ドル(約2万6500円)だが、その製造コストは188ドル。記憶容量32GBと64GBのモデルも用意されており、それぞれメモリー容量が大きい分だけコストも増えるが、利益もかなり増える。32GBモデルの追加コストは90ドルで、64GBモデルの追加コストは162ドル。

 解体分析によって、材料コスト―製造業界用語で言うところの部品構成表(BOM)―以外にも、一部の主要サプライヤーも明らかにされている。

 そのうち、最も目に付く部品が7.9インチのタッチ式ディスプレーだが、韓国のLGディスプレイと台湾の友達光電(AUオプトロニクス)が供給元であることが分かった。ディスプレー関連の部品コストは約80ドルでBOM全体の約43%を占める。GF2という前世代の機種よりも薄型化を可能にする新しい技術が採用されている。IHSのアナリストで、解体分析チームを統括するアンドリュー・ラスウェイラー氏によると、その新技術は差し当たりディスプレーのコストを押し上げる結果になっており、製造会社にとってやや頭の痛い問題となっている。だが、いずれ製造プロセスの不備が解決されれば、そうしたコストも下がるだろう。

 今回も韓国のサムスン電子がA5プロセッサーを供給している。サムスンとアップルはここ最近は特許をめぐって世界各地で激しい法廷争いを繰り広げているが、そうなる前から両者は長年にわたって提携関係を維持している。

 ただし、サムスン以外にもサプライヤーを選択できる部分に関しては、そうしているようだ。基本ソフト「iOS(アイオーエス)」を搭載したこれまでの世代の機種については、メモリーチップとディスプレーの両方をサムスンから購入していたが、アイパッドミニでは別のサプライヤーのものを採用しているようだ。これは、やはり今年発売されたアップルのスマートフォン(高機能携帯電話)の最新版「iPhone(アイフォーン)5」にも当てはまるようだ。

 IHSが調査したアイパッドミニは、フラッシュメモリーは韓国の別の半導体メーカー、SKハイニックス製のものが、システムメモリーは日本のエルピーダメモリ製のものが採用されていた。IHSによると、メモリーチップのコストは約15.50ドル。

 ラスウェイラー氏によると、その他の部品はこれまでの機種にも採用されていたメーカーのものだ。オーディオチップは米シーラスロジック製で、加速度センサーはスイスのSTマイクロエレクトロニクス製。加速度センサーとはアイパッドの動きを検知するためのもので、ディスプレーの縦横の表示の切り替えに使用されている。いつも通り、カメラに関しては供給元の特定はほぼ不可能だった。無線チップは米ブロードコム製で、チップが組み込まれた無線モジュールは村田製作所製。

記者: Arik Hesseldahl