読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

スポーツへの関わり方に変化?

2012-11-04 09:10:23 | 健康
wsj日本版から
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが今年9月5-7日に15-69歳の男女各1000人(計2000人)を対象に実施したインターネットによる「スポーツマーケティング基礎調査」によると、昨年の同時期に実施された結果よりやや改善を示した。ただし、スポーツ市場の本格的な回復基調に戻っとはいいにくい。今回の調査では、スタジアム観戦市場が5462億円(2011年5196億円)、用品購入市場が8897億円(同9603億円)、施設利用・会費市場は1兆5155億円(同1兆3844億円)で、スポーツ参加の市場規模全体では2兆9514億円と昨年の2兆8642億円を上回った。

しかし、昨年は東日本大震災で消費や心理面で影響がみられたことを考慮し、リーマン・ショック直後の2008年と比較してみた。その結果、スタジアム観戦、用品購入、施設利用・会費市場の各市場で大きく落ち込んでおり、全体の市場規模も4年前の4兆1198億円から1兆円以上も縮小していることがわかった。

スポーツ観戦や参加について聞いたところ、「参加も観戦も好き」「参加する方が好き」「観戦する方が好き」は、若干ながら、いずれも前年を下回った。反面、「参加も観戦も関心はない」は上昇している。

こうした調査から、日本人のスポーツへの関わり方にわずかながら変化が出てきたことがうかがえる。団体競技や対戦相手のある競技の人気は減少傾向が続く反面、費用がかからず1人で手軽にできるスポーツを好む傾向が鮮明になっている。

例えば、「実際にしているスポーツ」はウォーキングとジョギング、「今後したいスポーツ」はやはりウォーキングがトップだった。逆に費用がかかるゴルフは「実際に–」の第3位だが、「今後–」の中には入っていない。

調査ではまた、もっとも最も好きなスポーツは野球となり、よく観るスポーツでは、サッカーが野球を抜いた。

好きなスポーツ選手は9年連続でイチロー選手が1 位となり、今年のロンドン五輪で活躍した体操の内村選手が2 位に躍進した。また、英国プレミアリーグに移籍した香川真司選手は4位に入った。

総務省が今月7日にまとめた調査でも同様の結果が示されている。それによると、全般的に団体競技や対戦相手のある競技への参加は低下し、男女ともウォーキングや軽い体操をした人の割合が高く、手軽で幅広い 年齢層で行われるスポーツが広がりをみせているという。

総務省のまとめでは、スポーツをした人の割合は20年間で一貫して低下している。ゴルフはバブル末期の1991年をピークに下落傾向がみられる。テニスやスキー・スノーボードも同様だ。また、野球とバレーボールも低下傾向が続いている。逆に、サッカーの人気は緩やかながら上昇傾向を示す。

三菱UFJリサーチでは、メジャーな競技への関心が薄れている要因として、経済の縮小による影響を挙げている。一方、総務省ではウォーキング人口の増加を挙げ、高齢化が背景になっている可能性を指摘する。

記者: 吉池 威