読書など徒然に

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韓国・現代自動車、燃費を誇大表示

2012-11-08 08:50:53 | 経済
wsj日本版から

米環境保護局(EPA)は2日、韓国の現代自動車 KR:005380 -7.21% と起亜自動車が2010年から米国で販売した約90万台の車について、新車に貼られるラベルの燃費が誇大表示されていたと発表した。

 両社の親会社である現代自動車グループは、燃費推定値がEPAの調査結果と異なることを認め、ラベルに間違った燃費が記載されていた乗用車やスポーツ用多目的車(SUV)を購入した消費者には補償することを発表した。また、両社とも2012・13年モデルの1ガロン当たりの推定走行距離を引き下げた結果、12年モデル全体の平均燃費は1ガロン当たり27マイル(リッター約11.5キロ)から26マイルに低下する。

 宣伝よりも実際の燃費が低い13年モデルは、現代自動車の「アクセント」、「エラントラ」、「ジェネシス」、「サンタフェ」、「ツーソン」、「ベロスター」。起亜自動車では、「リオ」、「ソレント」、「ソウル」、「スポーテージ」。12年モデルでは、これらに起亜「オプティマ」のハイブリッド車と現代「ソナタ」のハイブリッド車が加わる。

 該当車の所有者は、EPAによる総合燃費との相違分に対し、居住地のガソリン価格と実際の走行距離に基づいて算出された金額をデビットカードで受け取ることになる。

 現代自動車では高速道路走行時の燃費が1ガロン当たり約40マイルであることを中心に宣伝してきたため、今回のニュースは手痛い打撃となる可能性がある。ハイウェイ走行時の燃費が40マイルと宣伝されていた現代自動車の「エラントラ」、「アクセント」、「ベロスター」と起亜自動車の「リオ」の燃費は実際には40マイルを下回る。いずれも小型自動車だ。

 EPAによる調整後、現代自動車のベストセラー車の1つ、「エラントラ」の燃費は、これまで宣伝されていた1ガロン当たり市街地29マイル/高速道路40マイルから市街地28マイル/高速道路38マイルに下がる。

 現代自動車はこれまで、ゼネラル・モーターズ GM +0.43% (GM)とフォード・モーター F -0.71% を揶揄(やゆ)した「セイブ・ジ・アスタリスクス(星印倹約)」キャンペーンを展開してきた。これら米自動車会社では1ガロン当たり40マイルの燃費を提供する車種の場合、特別な修正や追加技術を施し、時には広告でそれに星印をつけて強調していることを皮肉ったものだ。現代自動車は、例えば「エラントラ」では特別な燃料節約オプションのない標準装備の車種でも1ガロン当たりの走行距離は40マイルだと宣伝していた。 EPAは、現代自動車と起亜自動車の主張する燃費に関し、他の自動車メーカーからの問い合わせや、ラベル通りの燃費が達成できないとする消費者からの苦情を受けて調査を開始していた。

 フォードは自社のテスト施設にジャーナリストを招待し、高度な燃費モニターを装着したフォード「フォーカス」と現代自動車の「エラントラ」を運転してステッカーで宣伝されている燃費を達成できるかどうか試させるという実験も行なっている。

 一方、現代自動車はこれまで燃費に関する苦情には取り合わず、また、「ポピュラー・メカニクス」や「カー・アンド・ドライバー」といった雑誌はそれぞれ独自にテストした結果、ラベルの燃費は正しいと発表していた。

 各自動車メーカーはEPAに燃費推定値を提出し、認証を受け取ってからラベルを新車のガラスに貼り付けて消費者に燃費情報を提供する。EPAは時に応じて各自動車メーカーをもっと総合的に調査する。

 EPAはその声明で「現代自動車の推定燃費に関して多くの苦情が消費者から寄せられていた。EPA燃料排出ガス研究所(NVFEL)の専門スタッフによる継続的な監査プログラムを通じて、12年型『エラントラ』のEPAによるテスト結果と現代自動車がEPAに提出した情報との間に食い違いがあることが観察された」と述べている。

 EPAはこの数カ月間、ソウル郊外にある現代・起亜自動車の研究開発施設でテストを行い、10年に同社が燃費のテスト方法を変更した際に誤りがあったことを見つけた。ただし米国で現在販売されている一部の車種はEPAが2010年前に承認した条件でテストされているため、影響を受けない。

 同社広報担当者は「反論するつもりはなく、消費者には返金する。燃費と顧客からの信頼が一番大切なことだ」と述べた。

 顧客への補償金のコスト推定値は発表されていないが、数千万ドル規模になるとみられる。

 計画では、現代または起亜の自動車所有者はディーラーへ行って走行距離計をチェックしてもらい、ラベルに記載されていた燃費が正しかったらどれだけ節約できたかを計算する。広報担当者によれば、該当車を所有している限り所有者は補償金を継続して受け取ることができる。

 新車ラベルの推定燃費が訂正された後は、新車の購入者には補償金は提供されない。08年9月に同社は、20年までに標準燃費基準を1ガロン当たり35マイルに引き上げるという米国規制を現代自動車も起亜自動車も15年に達成する計画を発表しているが、広報担当者は、現行車両の推定燃費が引き下げられたことによる目標達成への影響はないとした。

記者: Evan Ramstad、Mike Ramsey