前回の記事で入院を拒否した入居者は昨日無事に入院することが出来ました。
やっと語ってくれた拒否の理由は「そんなことだったの?」と思うことでした。
入院すると「家族に洗濯物を取りに来てもらわならなくなって迷惑をかけるから」というのです。
洗濯については費用が発生するけれども施設側で対応できると説明し納得して入院となりました。
他人は「そんなこと?」と思ってもいろんな思いが詰まっているんでしょう。
ずっと息子と二人で生きてきて、離れていても息子を案じながら生きている母親の気持ちは分かる気がします。
もちろん、理由はそれだけではないとは思うけれど、もっと早く聞けて対応できれば良かったと思います。
人の気持ちに分け入るのは難しいですね。
辞めてやる! と思う反面、もう少し役に立ちたいとも思うし、深みにはまりたくはないのだけれど、自ら足を入れている自分もいるし、あーだこーだ思いながら日々が過ぎていきます。
昨日は入居者の病院受診に付き添った。
予後も良くない病気で食事もあまり食べられず、2年で20キロくらい痩せた。
もうフラフラで見ていられないけれど、本人は頑として入院しようとしない。
3日がかりの説得で何とか病院に行くまでこぎつけたけど、点滴だけして帰ってきた。
医師が言っても誰が言っても「入院はいやだ」と硬い表情。
認知症もなくしっかりした方なのでそこは無理やりとはいかない。
医師からも「押し問答するほど暇ではないので廊下で話し合ってきて」と言われ、説得を試みたけれど。
やっぱり意志は変わらなかった。
これほど言ってもどうしてわかってくれないのか。
なんだか情けなくもあり泣けてきたけど何とかこらえた。
「ごめんね」と言われた。
でも、今日になってあれで良かったと思う。
医師の考えや一般的な考え方ではなく、やはり本人の意思に沿わなければ。
取り返しのつかないことだってある。
自分の命だもんね。