「癒着を疑われるのも当然だ」会食問題で識者 就任1年、デニー知事に火種

2019年10月05日 | 政治社会問題


「癒着を疑われるのも当然だ」会食問題で識者 就任1年、デニー知事に火種


10/3(木) 15:40配信

沖縄タイムス
「癒着を疑われるのも当然だ」会食問題で識者 就任1年、デニー知事に火種

沖縄県の玉城デニー知事

 玉城デニー知事の重要政策「万国津梁会議」の支援業務を受託した業者と知事の関係を巡り、野党の沖縄・自民が疑惑の追及を強めている。契約前日の業者との会食が県職員倫理規程に違反する疑いや、業者の関係者が知事の政治活動の支援者であることを指摘。知事は「問題ない」との認識を繰り返しているが、自民側は一般質問終了後も常任・特別の両委員会などで、追及を続ける構え。4日に就任1年を迎える玉城県政の火種となりかねない。(政経部・仲村時宇ラ)

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 ◆野党は追及を強める

 県は有識者の意見を聞く「万国津梁会議」で、会場設営、委員の日程調整などを担う業務の公募を4月12日に開始した。同17日の説明会に6社が参加。5月10日に締め切り、共同企業体1社から応札があった。

 県は5月17日に選定委員会を開き、同日に内定を通知、同24日に契約を締結した。問題の会食は前日の23日に開かれた。

 共同企業体は山形県の「子ども被災者支援基金」が代表で、県内の旅行代理店など3社と計4社で構成。この基金は1月に沖縄事務所を設置した。知事は事務所の女性職員から昨年9月の知事選で、支援を受けたことを認めている。

 知事は契約前日に、女性職員や基金代表との会食に、県職員3人と参加。自民県議は「山形から代表者が来て一緒に飲食し、万国津梁会議の話が出なかったとは信じられない」と批判する。

 ◆沖縄事務所の住所が同じ

 業者の選定や契約の最終決裁者は文化観光スポーツ部の統括監で、知事に報告はなかったという。知事は「全く知らなかった。私的な会食だった」と否定した。

 県職員倫理規程は「県民の疑惑や不審を招くような行為の防止」を目的に、利害関係のある関係業者との会食などを禁じている。一方、職務に関係のない友人らとの会食を除外する。

 金城弘昌総務部長は、特別職の知事は倫理規程の適用対象でないとし「あくまで友人との私的な会食」と強調。職員3人も文化観光スポーツ部の所属でないため「職務と関係がない」と述べ、いずれも規程に抵触しないとの見解を示した。

 自民側は、知事のもう一つの重要政策「全国トークキャラバン」の業務を新外交イニシアチブ(ND)に委託したことにも注目。NDの代表は玉城知事と面識があり、NDの沖縄事務所と、会食で問題になった基金の沖縄事務所は同じ住所だ。

 自民側は「知事が親しい関係者に委託したか、職員が知事の意向を忖度(そんたく)したか。公金支出の在り方として問題だ」と主張している。

 ◆疑われても仕方がない

 江上能義琉大・早大名誉教授の話 以前からの知り合いが県の業務を受注し、玉城デニー知事がその契約以前に会食していたとなれば、癒着を疑われるのは当然で、あまりに不用意だ。知事は行政の長として疑いを掛けられるような行動は避けるべきだ。

 事業には公金が使われている。知事と関わりがある業者に委託が集中していると疑われている以上、業者選定の経緯と理由を具体的に説明する必要がある。

 知事は会食時、契約について「知らなかった」と答弁しているが、親しい知り合いだ。翌日が県事業の受注契約だとすれば、会食中にその話が出たと考える方が自然で、疑われても仕方がない。

 もちろん県の契約は膨大で、そのすべてを知事が把握しているわけではない。ただ、万国津梁会議は知事の重要政策でもあり、その契約について知らなかったでは済まされない。
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「誠実さがない」「沖縄県が虚偽答弁」 玉城デニー知事の会食問題、野党の追及続く

10/4(金) 8:55配信

沖縄タイムス
「誠実さがない」「沖縄県が虚偽答弁」 玉城デニー知事の会食問題、野党の追及続く

「万国津梁会議」の支援業務を受託した業者と知事の関係について問題点を指摘する島袋大県議(左)=3日、県議会

 県議会会派の沖縄・自民(島袋大代表)は3日会見し、玉城デニー知事が「万国津梁会議」の支援業務を受託した業者側と会食をしていた問題を巡り、県執行部の議会答弁に虚偽があったとして、地方自治法に基づき調査権がある百条委員会設置の要求を検討していることを明らかにした。

 議会で金城弘昌総務部長は万国津梁会議支援事業の選定に当たる部署の職員は会食に同席していないため「利害関係者はいなかった」と答弁した。

 一方、島袋氏は、辺野古新基地問題対策課の職員が同席していたと指摘。この職員は米軍基地問題を全国に周知するための知事肝いりの事業「全国トークキャラバン」の担当で、会食の席には同事業を受注した新外交イニシアチブ(ND)関係者も同席していたとして「明らかな利害関係者だ」と主張した。

 島袋氏は県の議会答弁は「真摯(しんし)さ、誠実さがなかった」と批判。4日から始まる常任委員会で引き続き追及していく考えを示した。

 また、常任委で疑惑が解明できなかった場合には百条委を設置する必要もあるとし、与党最大会派の社民、社大、結連合の照屋大河代表に協議を打診したことも明らかにした。
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玉城知事、受託業者と契約前に会食 自民会派ら追及

10/2(水) 11:17配信

宮古毎日新聞
玉城知事、受託業者と契約前に会食 自民会派ら追及

県議会で答弁する玉城デニー知事=1日、沖縄県議会議場

 玉城デニー知事が、重要施策について有識者が議論する「万国津梁会議」の設置支援業務を受託した事業者と契約前に会食していたことが分かった。県議会(新里米吉議長)9月定例会の一般質問で2日間にわたって取り上げられた。

 
 同業務を受託した企業団体の代表は山形県の社団法人で、同法人の沖縄事業所長は玉城知事の支援者。島袋大氏(沖縄・自民党)は9月30日、会食の写真を示すなどして「知事、知事の特別秘書、受注事業者、万国津梁会議の委員、県庁職員(の会食)だ。倫理的におかしい」と追及した。

 
 玉城知事は、「私的な懇談会だった」「契約がいつであったなどは、部局に任せており一切関知していない」などと答弁した。

 
 金城弘昌総務部長も、「倫理規定は(知事など)特別職が除外されている」「利害関係のある県職員いなかった。知事は、公務以外で政治家として幅広く付き合いがある。あくまでもプライベートの会合と聞いている」として、問題ないとの認識を示した。 

 
 翌10月1日も、山川典二氏(沖縄・自民党)らが同事案について質問を続けた。山川氏が「誰からの連絡で、この会合に参加したのか」「契約など業務に関する話題が出たのではないか」などとただした。


 玉城知事は、「おそらく受注法人の沖縄事業所長からの連絡ではなかったと思う」とした上で、会合の内容について「一時間ぐらい(会合に)いたが、大ざっぱなプライベートな話だった」などと答えた。



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