多くのがんに共通する危険信号

2018年07月27日 | 病気 余命を考える 死を迎える準備
多くのがんに共通する危険信号

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問診する男性医師
がんは、頻度の差はありますが、体中のほとんどの臓器にできる可能性があります

がんは、体内の様々な臓器にできる可能性があります。それぞれの症状も当然異なるため、「早期発見が大切とは言うけっれど、注意すべき初期症状も多種多様だということ?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れません。

中には、一体いくつの初期症状を知っていればよいのかと疑問を持たれる方もいらっしゃるかも知れません。しかし、がんの特性を考えれば、多くのがんに共通する初期症状の特徴があります。今回はがんの早期発見に役立つ「多くのがんに共通する危険信号」について解説します。

血痰・血尿・血便など突然の出血症状とがんの関係
出血もしくは、血が混じる"
がんの表面には、もろい新生血管が豊富に存在します。これらの血管は、簡単な物理的な刺激によって出血しやすいのが特徴です がん細胞は急速に増殖するので血管が非常に豊富です。これらの血管は「新生血管」と呼ばれ、がんの増殖には欠かせない大量の酸素と栄養素をがん細胞に届ける役割をします。この新生血管は、通常の血管と少し構造が異なり血管壁がもろく、ちょっとした物理的刺激で破綻し出血します。

食道や胃、大腸などの消化管では、食べ物や便が通過するときの刺激でがんの表面から出血、気管や気管支では、怒責による血圧の上昇でも出血します。そうなると、当然のことながら、便や痰に血が混じってきますし、症状が進行した場合には、血液そのものが下血や喀血となって出てくることがあります。

特に痛みもないのに尿に血が混じる「無症候性血尿」は腎臓がん、女性の場合には月経周期とは関係なく出血する「不正出血」になると、子宮がんの可能性が考えられます。いずれも、体から血液そのものや血液が混じったものがでてくるということは、通常では見られない現象です。もちろん、何の心配も無い場合もありますが、がんの初期症状の可能性も少なからずありうると考えておいた方がよいでしょう。

腸閉塞や黄疸、水腎症が初期症状の1つになることも
管が詰まることによる症"
がんは固いできものを形成していきます。非常に初期の場合には出ませんが、少し進んでくるとそのできものによる通過障害が出てきます がんはその増殖によって固いできものを形成していきます。このできものが大きくなるに従って、通過障害を来す場合があるのです。

たとえば、大腸ではがんによって管が細くなり、便がつまってしまうことがあります。また、少しわかりにくいかも知れませんが、肝臓や膵臓からの消化液の流れが膵臓にできたがんによって閉塞してしまうことも。尿の流れが妨げられるような位置にがんができると、腎臓から尿がうまく流れない状態になってしまいます。

これらの結果、腸閉塞や皮膚が黄色くなる黄疸、腎臓が腫れてしまう「水腎症」を引き起こす恐れがあるのです。これらはいずれも、ある程度の進展によって起こってくることが多いですが、できた場所と状態によっては、初期症状の1つとして見られることがあります。

気になる症状があれば医療機関受診を
がんの早期発見のために
がんの早期発見のためには、出血や閉塞など、特徴的な症状に注意しておくことが大切です。しかし、非科学的ですが、意外に頼りになるサインもあります ご説明したように、出血や閉塞といった症状はがんの部位によらず共通のものですので、そのような症状が出た場合には、医療機関を受診し、医師に相談されることをお勧めします。

それともう1つ、気をつけていただきたいことがあります。

極めて非科学的なことではあるのですが、私自身が患者さんとお話していて感じるのは、「何となくいつもと違う感じがした」「今回はまずいと思った」といった風に、患者さんご自身が何かしらの不安を強く感じられて受診されたケースも少なからずあるということです。

もちろん心配しすぎる必要はありませんが、こういった第六感も時と場合によっては、早期発見の隠れた特徴かも知れません。症状にしても、こうした不安感にしても、気になることがあれば、是非、お近くの医療機関にご相談下さいね。

初期症状について解説しましたが、がんの早期発見にはやはり定期的な検診や人間ドックが有用です。「健康診断で肺に影があると言われたら…再検査?病気?」や「検便でわかること・便潜血検査で異常があったら」、「要精密検査?健康診断で「便潜血陽性」になる病気」をあわせてご覧ください。
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