恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

米兵の犯罪から国民を守れ

2008年05月16日 | 基地・有事体制
 2月に沖縄県で14歳の女子中学生を暴行した米兵が、米軍キャンプ瑞慶覧内で16日に行われた軍法会議において「有罪」となり、懲役3年の刑が言い渡されました。

■ 不起訴

 この事件は、日本の検察は「不起訴」になっています。それは、被害者やそのご家族が「そっとしてほしい」と告訴を取り下げたためでした。

 捜査段階では、被害者の少女は、警察や検察に詳しい事情を語らなければなりません。裁判ともなれば、検察側から、そして米兵の弁護側から、事件の詳細を質されます。「二度と思い出したくない」ことを何度も思い出し、証言しなければなりません。これは大変な苦痛を伴います。

 また、この事件直後、一部の保守系新聞には、被害者やその家族を責めるような論評が掲載されました。インターネット上ではもっと悪質な意見も散見されました。ホームページ上に、そのような意見を掲載する与党の国会議員もいました。このように、打ちひしがれた犯罪被害者を、さらに鞭打つような心無い人々から逃げたかったということもあるでしょう。

 加害者である米兵への怒りもあるでしょうし、処罰も望んでいたでしょう。しかしそれ以上に、もうこれ以上傷つきたくないという思いがあったことは、察するに余りあります。

■ 抗議さえ

 この事件後、在日米軍は「綱紀粛正」を行ったはずですが、今なお米兵による犯罪は跡を絶ちません。
 そのような状況にあって、日米両政府は米軍再編への影響を気にするばかりでした。
 年端も行かぬ被害者を守ることもできなくて、何のための政府でしょうか。何のための日米同盟でしょうか。

 先月には国会で、野党議員から福田首相に対して、一連の米兵の犯罪について「総理から(米国側に)抗議しましたか。」と問われたとき、福田首相は次のように答弁しました。

 「私からですか。・・・外務大臣からシーファー大使に抗議をし、そしてシーファー大使は謝罪をしたということであります。」

 つまり福田首相自身は抗議していませんでした。国内で繰り返される犯罪に対し、抗議さえもまともにできないような首相では、国民の不安が解消されるとは決して思えません。

■ 米兵の犯罪から国民を守れ

 今回の事件は、この軍法会議で終わりではありません。
 米兵がこれまでに起こした事件や事故は累計で二十数万件、死者数も4ケタにのぼります。これ以上、米兵の犯罪による被害者を生み出さないために、何が必要かを真剣に考えなければなりませんし、「米兵の犯罪から国民を守れ」という声を、政府に強く突きつけていくことも必要だと思います。
 日本に米軍基地がある限り、こうした声を上げることを止めてはならないと思います。


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2 コメント

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米兵は日本を守らない (尹東柱@月夜の雨)
2008-05-17 04:21:43
 このようなことは僕が生まれる前からわかっていたことです。米軍再編で地方自治体に塗炭の苦しみを味あわせてばかりです。今回の被害者の告訴取下げは本当に残念ですがこのような環境に追い込んだほうに責任があります。このようなときにこそ日本政府は声を上げなければなりません。
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政府を動かすために (goo-needs)
2008-05-17 23:07:26
尹東柱@月夜の雨 様

コメントを頂き、ありがとうございます。
私も、被害者やご家族が、心無い人々の攻撃や揶揄によって二重・三重の苦しみと沈黙を強いられたことに、やるせない思いでいっぱいです。
さて、こうした事件を受けて、いま民主・社民・国民新の野党3党から、日米地位協定の抜本的改定案が提案されています。
国会で、これに対する意見を求められた福田首相は、「今後の参考にする」としながらも、「政府としては、今後とも目に見える『運用改善』の成果を一歩一歩積み上げていくように最大限努力していく」との答弁でした。
つまり、「運用改善」のみで、地位協定自体には手を着けませんよ、というわけです。
いま政府は、本来守らなければならない国民よりも、「日本を守らない」米軍を守ることに必死な様子です。
このような「弱腰」の政府を動かすためには、国民の側からもっと政府を突き上げていかなければならないと考えています。

goo-needsより
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