恥ずかしい歴史教科書を作らせない会

改憲で「戦争する国」、教基法改定で「戦争する人」づくりが進められる今の政治が
将来「恥ずかしい歴史」にならぬように…

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

あの事件と、13年前の国会質問

2006年08月18日 | その他
■ ある新人議員の国会質問

 13年前の話をさせて頂きます。
 細川連立政権が誕生し、自民党が野党に転落した1993年の総選挙で、ある自民党議員が初当選を果たしました。
 この新人議員は、その年の10月、国会で質問に立ち、次のような演説を、そのときの与党であった、当時の社会党にぶつけました。

 ・社会党は日米安保条約に対して三十数年間、反対してきた。
 ・日米安保粉砕を叫んだ社会党の姿勢に共鳴して、たくさんの人たちが反対運動に参加した。
 ・樺美智子さんもその一人だが、樺さんは社会党の姿勢に共鳴して命を失った。
 ・それなのに今、社会党が与党としてそこに座っているのはおかしい。

 言うまでもなく、樺美智子さんは「60年安保」に反対するデモに参加して、機動隊に殴り殺された方です。
 樺さんは社会党員でもなく、東京大学に通う大学生でした。

 この樺さんを殴り殺しておいて何の責任もとらない警察当局や、殴り殺させた当時の政府ではなく、安保条約に反対していた政党のせいにしようとするのですから、この新人議員の見識も、嘆かわしいレベルだと言わざるを得ません。

■ 口を閉ざす小泉首相と自民党

 このようなレベルの論理が成り立つのであれば、首相の靖国参拝に苦言を呈してきた加藤紘一議員に対し、その実家に放火した右翼団体幹部の行動についてはどうなるのでしょうか。
 靖国参拝を強く推進してきた小泉政権、そして政党ということになれば、小泉首相が靖国参拝を「公約」として掲げた総裁選において、これを支持した自民党が責任をとるのが筋、ということになります。

 まして、樺さんはデモに参加して殴り殺された被害者、そして今回の右翼団体幹部は放火犯であり、一方的な加害者、さらに言うならば「テロリスト」です。当然、自民党は「与党としてそこに座っているのはおかしい」となるでしょう。

 しかし、小泉首相は事件の少し前から「夏休み」をとり、事件のことにも口を閉ざしたままです。
 自民党も、元幹事長が狙われたというのに、公式見解すら出そうとしません。
 
■ 「おじいちゃま」の言葉

 さて、例の新人議員はその日の質問で、次のようにも語っています。
 
「当時総理大臣であった岸信介の私邸を十重二十重にデモ隊が取り巻いたわけであります。私はそのときに塀の中にいたわけでありますが、恐らく社会党初め皆さんは塀の外側で攻め立てていたのではないかと思うわけであります。そのときに総理大臣は、もう少し冷静になって、恐らく勉強すればいつかわかるときが来ると独白をしたわけであります。」

 もうお分かりだと思いますが、この新人議員は、安倍晋三氏です。

 この1年後の1994年10月、岸信介元首相が「60年安保」の前後数年間にわたり、米国から多額の秘密資金をもらい続けていたことが明らかになりました。
 交渉相手の米国から金をもらいながら、米国の言いなりに、日本の軍事負担を増す条約を締結し、大勢の機動隊を動員し、反対する国民を権力と暴力で叩き潰していった「おじいちゃま」は当時、幼い「晋三君」にそのように語ったのでしょう。

 その「晋三君」は、来月の総裁選で難なく自民党総裁になり、10月の首班指名で、「おじいちゃま」と同じ首相の席に着くことでしょう。安倍氏の姿勢に共鳴する右翼を増長させ、「国内テロ」を誘発した自分自身の責任すら省みずに。

■ 祖父と孫を釣る「外貨」

 そう言えば、安倍氏の当日の国会質問の前半は、「企業からの政治献金を受け取れるようにせよ。」というものであり、当時の与党が提案していた「企業・団体献金の禁止」に反対するものでした。

 当時は、自民党や民社党(=当時、現在の民主党の一部)への汚職事件が相次ぎ、政治腐敗を嫌った国民が、これに「NO」を突きつけ、細川連立政権が誕生することとなったにもかかわらず、安倍氏は「金」に執着しました。
 
 来年5月からの、改定「会社法」施行により、政党が外資からも企業献金を受け取れるようになります。一方、外資は日本企業を買収しやすくなります。

 あのデモ隊が取り囲んでいた岸信介家で、「おじいちゃま」が語ってくれた「もう少し冷静になって、恐らく勉強すればいつかわかるときが来る」という言葉。

 そこに安倍氏が冷静に学んだこととは、「権力を握って、日本という国と国民を米国に売り飛ばし、外貨を得ろ。」ということなのではないでしょうか。

 本来ならば、かつての「連合国」の中心的存在として、真っ先に日本の軍国主義への回帰に異を唱えてもおかしくないはずの米国政府が、この「靖国参拝」について逸早く「黙認」を決め込んだことも、この私の疑念を強くさせています。

コメント (4)   この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小泉首相の動きに見る「大騒... | トップ | 安倍政権が目指すのは「美し... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (さき)
2006-08-18 22:04:22
goo-needsさん、いつも貴重な情報をありがとうございます。毎度ですが、転載させて頂きました。安倍氏はほんとに怖い人なんですね。正体を広めなければと思います。

樺美智子は「殴り殺された」? (深沢明人)
2006-08-19 01:18:06
初めてコメントします。通りすがりの閲覧者です。

安倍氏に対するあなたの評価にはかなり疑問を覚えますが、それはさておき、

1.樺美智子は「機動隊に殴り殺された」んでしたっけ? 私の記憶では「圧死」だったと思いますが。

調べてみると、朝日新聞社が1977年に刊行した『現代人物事典』に、久野収が樺美智子の項を書いていますが、「警官隊におそわれ、圧死させられ」とあります。学生側に同情的なスタンスの高木正幸(朝日新聞編集委員=刊行当時)『全学連と全共闘』(講談社現代新書、S60)には、「警察側の警棒による圧死-虐殺と主張する全学連側と、衝突の中での群衆の圧迫による事故死と主張する警察側の言い分の対立は、現在に至るも決着がついていない」とあります。「殴り殺された」と何をもって断定されるのか、疑問です。

なお、「「60年安保」に反対するデモに参加して」「殴り殺された被害者」とありますが、正確には、樺ら全学連は、国会内で集会を開くために国会への突入を試み、警官隊はそれを阻止しようとしたのです。ですから、あなたの言う「加害者」「被害者」という区分に従えば、「加害者」に当たると思います。平和的なデモを警官隊が襲って女学生を撲殺したのではありません。

2.私は93年の安倍の質問なるものを知りません。したがって、あなたの文章だけで判断しますが、それでも、安倍は樺の死を社会党の「せいにしようと」しているとは読めません。安倍は、樺の死に象徴されるような激越な安保反対の姿勢を当時とっていたのにもかかわらず、何の反省も総括もなく、政権欲しさだけのために、突如として自衛隊も安保も容認して与党の座におさまった社会党を批判しているにすぎないのではないですか? 樺のことを思えば、あっさり安保を認めたことに恥ずかしさは覚えないのかと。私には、安倍の言い分は理解できます。

加藤邸を襲った右翼は批判されるべきだとは思いますが、それはまた、別の話です。この93年の安倍の質問をもって、右翼批判の材料にしようというのは、無理がありすぎますよ。
さき様 (goo-needs)
2006-08-21 22:30:30
 ご無沙汰いたしております。

 拙い文章をご評価いただき、恐縮致しております。

 しかも拙いだけでなく、文章的におかしなところもあり、2箇所直しました。

 さて、安倍氏ですが、質問・答弁含めて当選以来232回、国会で発言しています。

 まだ半分くらいしか目を通しておりませんが、そこから私が受けた印象は「怖い人」というより、「あまり賢くない人」、もしくは「あまりにも賢くない人」といったところでしょうか。

 日本の首相は、前職も現職も相当ひどいものでしたが、次期はもっと嘆かわしい人物のようです。
深沢明人様 (goo-needs)
2006-08-21 22:32:12
 はじめまして。よくお調べのことと拝察します。

 ご指摘の通り、樺美智子さんの死因には謎が多く、諸説あります。

 私の知る限りの情報を総合しますと、樺さんが受けたのは「①頭蓋骨・鼻骨・顎骨・胸骨の骨折」「②首を絞められ、窒息」「③膵臓破裂および出血」「④その他の外傷」などです。

 具体的に書けば良かったのかもしれませんが、私は人間のダメージとして、①に注目しました。

 まず、機動隊(警官隊)との「衝突」については、誰も異論のないところだと思います。

 問題はそのときの「楯(金属製ですので、本来は金偏に盾と書くべきかもしれません。)」と「警棒」です。

 樺さんの遺体の骨折箇所は、頭・鼻・顎・胸と全て上半身に集中しています。盾を前に押し出しながら、相手を殴ることができるのは上半身に限られます。

 ですから、③が先ではないと思うのです。

 一方、③が先で、踏まれたとしても、人骨の強度を考えた場合、比較的弱い鼻骨・胸骨はともかくとして、人間の脳を守る頭蓋骨は靴底で踏んだ程度で折れるものではありません。まして二十代の頭蓋骨です。一点に集中させた、よほど硬いものでないと、これを折るのは困難です。これは「警棒」によるものだと私は思います。

 問題は「顎」です。人間は倒れたとき、本能的に首をすくめ腕を前に寄せ、顔を庇います。腕は無事で顎だけが折られるというのは、「意識を維持しながらの被殴打」あるいは「昏倒」しない限り、考えられません。

 ②については、これは正直申し上げて分かりません。女性の細首とはいえ、このときの警官は左手に楯、右手に警棒、と両手が塞がっています。警棒を捨て、あるいは警棒を一旦、楯の裏側か、腰に収納して、絞め上げることは不可能ではありませんが、相手は彼女一人ではありません。後ろにもあり、左右にもいます。そこで警棒を捨てる、しまう、という行為はあまり現実的ではないと思うのです。

 「扼殺の形跡」と呼ばれる頚部の外傷は、衝突当初に警棒を首に押し当てられた跡ではないかと考えます。

 結論としては、樺さんは①機動隊による警棒による頚部への圧迫の後、その強打を頭部・顔面・顎・胸部に浴び続けて昏倒し、②その後の揉み合いの中で踏まれ続けたことによる膵臓の破裂で腹部内出血を起こし、③その中で内外傷を負った、と見るべきではないかと思います。

 この内の、どの時点で樺さんが命を落とされたのかは知る由もありません。

 ですから、今なお死因が謎とされているのではないでしょうか。

 しかし、樺さんが亡くなったことは事実です。その「死因」の初めは「機動隊による殴打」でした。殴られなければ彼女は命を落とすことはなかったと思いませんか。

 国民主権の国家。政府にではなく、国民に主権があるのに、政府がそこに機動隊を動員し、国民を殴らせました。そこで、一人の大学生が命を落としました。

 その責任は誰に求めれば良いのでしょうか。

 

 次に、私は「警察比例の原則」を重んじます。

 先日、北方領土の貝殻島付近で悲しい事件がありました。私と同年代の男性が命を落としました。

 「密漁」という「微罪」によって銃撃を浴び、命を落とされました。

 「密漁」は国内法では「3年以下の懲役又は200万円以下の罰金」とあります。ロシアの法律は分かりませんが、拿捕された船長さんは「罰金刑」で済むようですから、同程度の罰則だと推察します。

 では先日、殺された方は「加害者」でしょうか。私は行き過ぎたロシアの警察権力による「被害者」ではないでしょうか。

 樺さんも同じです。 彼女の罪状を問おうとするならば、「兇器準備集合」「公務執行妨害」あとは、未遂罪として「傷害」くらいでしょうか。

 最も重いもので「3年以下の懲役」、すなわち前述の「密漁」と同程度です。

 それで彼女は警察に殴打され、命を落とすことになりました。

 彼女が「加害者」だというご指摘は、私にはどうしても受け入れられません。

 もし彼女が「加害者」だと主張なさるならば、「被害者」は誰でしょうか。



 さて、当時の社会党には、私も不満を持ちます。ただ、国会内の「数の論理」も分かります。

 当時、自民党が佐川事件などの「お金」の問題で批判を浴びて過半数割れに陥りました。

 その時点での社会党・共産党を除けば、自民党が223議席を維持し、他の7会派を集めても、自民党が第一党を維持していました。

 社会党がそっぽを向けば、「非自民政権」の実現はありません。

 政策は「外交」「防衛」だけではありません。当時でいえば「厚生」「労働」「税務」「文部」「法務」などなど多岐にわたります。

 私が「政治家」であれば、「小異」を残したまま「非自民政権樹立」という「大同」につきます。

 もちろん、「外交」「防衛」は「小異」ではありませんが、自らが与党内にいる限り、本当に守り通したかった「憲法」に指一本触れさせませんでした。

 これは「自社さ」のときでも同じです。改憲や自衛隊海外派遣強化を標榜し、自民との「大合併」を模索した、小沢一郎氏率いる新進党の思惑を止めるための策としては、最善の方策であったと評価しています。

 「政権欲しさだけのため」とのご指摘ですが、「政権」以上に、彼らと私たち国民にとって大切なものを守り通してくれたものと理解しています。

  その後、社会党(96年から社民党)が政権を離れ、抑えていた流れが自自公政権以後、噴出したことも思い出されません。



 長くなりましたので最後にします。

 私も、加藤紘一氏の実家を襲った右翼団体幹部の犯行で、「右翼批判」などするつもりはありません。

 私は、特に意識して「右翼」の人々を批判することはありません。本文中でも、かなり「控えめ」にしています。

 ですから個人名も、所属団体名も、その団体がこれまでどのような「テロ」行為を行い、それによって被害者をどれほど苦しめ、そしてその「黒い資金源」がいかなるものか、ということについては一切書いておりません。

 もし私が「右翼批判」を本気で書くならば、このような程度で収まるものではありません。

 ただ、私が批判の対象としているものと、彼らでは、責任の重さが違い過ぎます。

 私が批判しているのは岸信介氏と安倍晋三氏です。

 そこをお読み取り頂けなかったのは、私の文章の拙さによるものかもしれません。その点、失礼致しました。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

その他」カテゴリの最新記事