3年前。私は、離婚した直後だというのに、再婚を切に望んでいました。
「あんたまだ離婚したばっかりじゃない。そんな軽薄な男、サイテーだよ、せめて1年くらい時間をおきなよ」と、ゆみたぬき。
「あのさ。全然冷静ではありません。でも、現実は見えていると思います。ただ、お子さんたちには会ったことがないし、見えない現実もたくさんありますけれども。結婚はとても焦っています。早く籍を入れたいです。でもそれは、その相手があなただからです。結婚を焦っていない(そのくらいわかります)あなただからです。あなたはいいですよ。お子さんたちがいるんだから。だからこそ、がんばれるんでしょ。寂しくないんでしょ。オレも同類なのに、誰もいないんだもん。自分のためになんて、力が出ないもん。それと、同じ過ちを繰り返したくない、という個人的な事情もあります。成長を待つのは辛いです。皆で成長したいです。別居は嫌です。現実的に、そのリミットは、来年の3月末が好ましいということは前回お伝えした通りです。だからこそ、あえて強引にでもお子さんたちを巻き込んでしまおうと提案をしています。当初は、お子さんたちの理解は得られなくても仕方がありません。私の最大限の譲歩は名前です。私が苗字を変えてもかまいません。娘さんたちの結束、団結力を今はまだ怖いとは思っていません。それよりも何よりも言いたいのは、本来の盾は、あっちゃんのお父さんです。いいですか?しっかり理解していますか?もし仮にお父さんがご健在でしたら、必ずその義理、筋だけは通します。」
上記の意味不明な作文は、当時の恋人(あっちゃん)へのラブレターのひとつです。あっちゃんとは、もちろん、離婚した後に知り合いました。あっちゃんには、娘さんがふたり、息子さんがひとり、いらっしゃいました。が、残念なことに、ご両親は既に他界していました。更に、あっちゃんには兄弟姉妹もいませんでした。ですから、3人のパパになることを妄想していた私が危惧していたのは、もしもあっちゃんに万が一のことがあった時に、セーフティネットがなくなってしまう、ということだったのです。ちなみに、「来年の3月末」というタイミングは、お子さん達の進学に合わせたものでした。
このラブレターが興味深いのは、「私の最大限の譲歩は名前です。私が苗字を変えてもかまいません。」と、明言している点にあります。少なくとも私には、失うものが何もありません。名前なんぞ、「まぬけ」でも何でも良いのです。
「千年メダル」ハイロウズ