「だってー、年にいっぺん、また年を取れましたって、神様に感謝する日じゃないの。私はするよ。創ちゃんを、今年もまた生かしてくれてありがとうって!」
「自分の誕生日もそう思う訳?」
「そうだよ」
「そんなに年とっても、まだ、誕生日が嬉しいんだ?」
「いくつになっても誕生日が嬉しい人でいるつもりだよ、私は」
おれの皮肉が癪に障ったのか、真知子は、口を尖らせて、ぷいと横を向いた。若い女が拗ねるのとは違って可愛らしさはないが、平気で見くびれるユーモラスな感じが漂い、おれは楽しくなる。
「その口、土瓶の口とかみたい」
以上、「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」からの無断引用です。
「自分の誕生日もそう思う訳?」
「そうだよ」
「そんなに年とっても、まだ、誕生日が嬉しいんだ?」
「いくつになっても誕生日が嬉しい人でいるつもりだよ、私は」
おれの皮肉が癪に障ったのか、真知子は、口を尖らせて、ぷいと横を向いた。若い女が拗ねるのとは違って可愛らしさはないが、平気で見くびれるユーモラスな感じが漂い、おれは楽しくなる。
「その口、土瓶の口とかみたい」
以上、「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」からの無断引用です。