ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第93巻-3 Kデー・カウントダウン

2007-09-04 23:45:57 | 第091巻~第095巻

■Kデー・カウントダウン(第316話) 発表1991年5月

評価   ★★★★★

依頼人   ①不明 ②アメリカ国防長官

ターゲット ①コロンビア麻薬組織のブレーン S・ルキャーノ ②PLFテロリスト/エルンスト・ヒルシュ博士

報酬    ①不明 ②不明

今回弾丸発射数       7/ 通算弾丸発射数 1,737

今回殺害人数         9/ 通算殺害人数   3,888

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
1990年8月サダム・フセイン率いるイラクがクウェート侵攻。翌91年1月国連決議に基づくイラク撤退期限後、多国籍軍がイラクを攻撃。歴史の裏でゴルゴは・・・

<この一言>
俺は・・・仕事を引き受けると言ったが、スケジュール管理を頼んだ覚えはない・・・

<もう一言>
チャンスは一瞬でいい・・・

<解説>
1990年8月2日、サダム・フセイン率いるイラクがクウェート侵攻。90年11月29日、国連安保理は、91年1月15日をイラク撤退期限とし、イラク軍が撤退しない場合、武力行使をとることを決議した。

イラクは「エルンスト・ヒルシュ博士」の開発した『石油を分解』する微生物を用いて他国の石油を燃料として使用できないようにする計画を企てる。イラクが石油利権を握ることで世界制覇を目論もうというのだ。

イラクの陰謀を察知したアメリカ政府はゴルゴにエルンスト・ヒルシュの殺害を依頼する。しかし、同時期にソ連では保守派の実力者「バルゼーエフ」がPLFテロリストに人質にとられる事件が勃発。テロリストは国連安保理決議の白紙撤回を要求する。ゴルバチョフ大統領はブッシュ大統領にゴルゴによるバルゼーエフ救出作戦を実施するよう協力を要請する。米ソトップ会談により、ゴルゴはバイカル湖畔でPLFテロリストを狙撃した後、イラク国内でエルンスト・ヒルシュ博士を狙撃するという短期間に長距離移動を必要とするミッションを引き受けることとなった。

バイカル湖畔に到着したゴルゴは、爆破スイッチを持ってたてこもるテロリスト3名を夜間長距離狙撃で秒殺。ジープ→ジェット機→ヘリと乗り継いでヒルシュの乗るジェット機を捕捉する。着陸直前のジェット機の下にヘリを潜らせ、着陸用車輪の主軸を狙撃、胴体着陸を余儀なくされたジェット機は燃料を減らすために上空を旋回する。この間、ゴルゴは飛行場を見下ろす岩場をフリーハンドクライミングで登りきり、ジェット機からヒルシュが降りるのを待ち構える。ジェット機が胴体着陸に成功し、ヒルシュがタラップに降り立つやゴルゴの銃弾がヒルシュを捉え、さらに漏れ出したジェット燃料を狙い機体もろとも『石油を分解する微生物』を焼き払う。

ゴルゴがミッションを完遂させたのを受け、イラク撤退期限を19時間過ぎた後、父ブッシュの「Now,Go Ahead」という掛け声とともにイラク空爆が開始され、湾岸戦争の火蓋が切って落とされた・・・

湾岸戦争開始までの息詰まるような展開を描いた名作。事実と虚構が交錯し、各国首脳陣とゴルゴが絡み合うストーリーは読み応えがある。サダム・フセイン/ゴルバチョフ大統領/PLOアラファト議長/父ブッシュ大統領/コリン・パウエル/ラムズフェルドなどが登場、混沌とした世界の幕開けとなる湾岸戦争をテーマにしており、読み返すたびに新たな発見がある。

ズキューン

ゴルゴ13 (93)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第93巻-2マンモスの牙

2007-09-02 23:44:18 | 第091巻~第095巻

■マンモスの牙(第315話) 発表1991年2月

評価   ★★★

依頼人   カナダ財界人クロフォード

ターゲット KGBの実力者チェルネイフスキイ

報酬    不明

今回弾丸発射数       5/ 通算弾丸発射数 1,730

今回殺害人数         3/ 通算殺害人数   3,879

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
ペレストロイカ後、急速に自由経済化が進行するソ連。外貨獲得のためマンモスの牙を巡る暗闘が繰り広げられる・・・

<この一言>
これは・・・戦争だ・・・

<解説>
ペレストロイカ後、急速に自由経済化が進行するソ連。官僚組織ごとの採算が問われ、外貨獲得が至上命題となっていた。北方石英貴石公団はカナダ財界と組んで合弁会社を設立、マンモスの骨格や牙を売買する計画を立てる。同じくソ連の科学アカデミーもKGBと組んで、マンモス利権を確保するために貴石公団の発掘したマンモスを横取りしようと企てる。

カナダ財界人「クロフォード」はKGBの「チェルネイフスキイ」が貴石公団の利権を侵すことを恐れ、ゴルゴに「チェルネイフスキイ」の狙撃を依頼する。

ゴルゴは貴石公団の発掘隊に帯同するも、KGBの妨害工作により武器を失い丸腰でチェルネイフスキイとその用心棒「ヘルムート」に対峙する。氷結した湖に丸腰で佇むゴルゴであるが、湖面に身を隠すやマンモスの牙を削った石器を拾い、ヘルムートに投げつけて殺害、銃を奪ってチェルネイフスキイを殺害する。

ソビエト連邦崩壊後の経済混乱を記した作品。計画経済から自由経済への急激なシフトがもたらす負の側面がリアルに描かれている。クロフォードのセリフ「ペレストロイカの成功よりも、どれだけの”資本”を自分の手の中に納められるか・・・」が、今日のロシアの社会と経済の混沌とした状況を予見している。
プーチン大統領に連なるKGB人脈は今日も着々と資本を蓄えて権力を握り、放射性物質によるリトビネンコ暗殺や真実を暴こうとするジャーナリスト殺害を企てているのだろう・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (93)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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ゴルゴ13第93巻-1クロスアングル

2007-09-01 18:05:49 | 第091巻~第095巻

■クロスアングル(第314話) 発表1991年8月

評価   ★★

依頼人   不明

ターゲット 武器商人”僧侶”

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 1,725

今回殺害人数         1/ 通算殺害人数   3,876

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数    95

<ストーリー>
スキャンダル・カメラマン「ビクター・ランス」。世界中の著名人のスキャンダルを写真で暴いてきた彼が、ゴルゴに対し”知る権利”を行使しようとする・・・

<この一言>
科白なし

<解説>
世界42カ国で250名以上の著名人のスキャンダル写真をものにしてきた「ビクター・ランス」。引退を考えていたランスに、雑誌編集長「パトリー」がゴルゴの狙撃写真を撮影すれば大きなスクープになると吹き込む。

カメラマンとしてのプライドをくすぐられたランスは、情報屋からゴルゴの行動予定を入手し、武器職人”僧侶”の狙撃の瞬間を撮影することを企てる。狙撃と撮影に共通点が多いことに着目、ターゲットのアジトを元にゴルゴの狙撃地点を割り出す。

ビルの窓ガラスに写った狙撃体制のゴルゴををファインダーに捉えるランスであるが、カメラレンズの反射に気付いたゴルゴは、窓ガラスを射抜きランスの撮影を阻止、ターゲットである”僧侶”の狙撃を敢行する。ゴルゴの注意深さに脱帽するランス。撮影機材をしまい帰路に就くランスは、待ち受けていたゴルゴを見ての己の最期を悟る・・・

カメラマン・ランスとゴルゴの知恵比べだが、レベルが違いすぎる。ランスは愛すべきキャラではあるがゴルゴの敵ではない。ゴルゴが自らの狙撃シーンを窓ガラスに晒してしまうという失態もいただけない。物足りなさを感じてしまう短編。

ズキューン

ゴルゴ13 (93)巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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