ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第85巻-1イタリアン・コネクション

2007-07-23 23:56:56 | 第081巻~第085巻

■イタリアン・コネクション(第289話) 発表1989年10月

評価   ★★★

依頼人  ファッションデザイナー「ジュリオ・コルドーニ」の母コルドーニ夫人

ターゲット マフィア幹部ドン・チェザーレ

報酬     不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,620

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,786

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
イタリアの若手ファッションデザイナー「ジュリオ・コルドーニ」が殺された。息子を殺された母親はゴルゴに接触し・・・

<この一言>
本当の事を・・・話してもらおう、か・・・

<もう一言>
わかった・・・”話”に、うそはないようだ・・・

<解説>
イタリアの新進デザイナー「ジュリオ・コルドーニ」はヨーロッパ・アメリカで人気を博していた。これに目をつけた日本の商社「全日商事」はコルドーニと商談、コルドーニブランドの日本での独占販売権を獲得する。コルドーニはマフィア幹部ドン・チェザーレの庇護の下に人気を拡大してきたが、コルドーニはチェザーレの傘下にいることを快く思わず、またチェザーレもコルドーニが独自の行動を取ることを苦々しく思っていた。そのような折、イタリアの麻薬密輸ルートを調査していたDEA(アメリカ合衆国麻薬取締局)ダリオ・ソシエールは、チェザーレが取り仕切る麻薬密売を内偵、日本でチェザーレの部下を逮捕する。

チェザーレは部下が逮捕されたのはコルドーニの裏切りによるものと誤解し、コルドーニを殺害する。ソシエールはかつて自分の息子をコルドーニに助けられたことがあり、コルドーニ殺害は自分のせいであるとの呵責から、コルドーニの母親と共にゴルゴチェザーレの殺害を依頼する。

依頼通り、ゴルゴは成田空港でチェザーレを殺害する。チェザーレの愛人アンジェリーナの肩パットに隠してあった麻薬が発見され、日本への密売ルートは閉ざされた。

登場人物の欲望が生々しく描かれている。マフィアの後ろ盾ではなく自身の力でのしあがったと思いたいコルドーニ。麻薬密売で権力と富と女をものにするチェザーレ。コルドーニの恋人「アンジェリーナ」が、実はチェザーレの愛人という設定がエグい。また、コルドーニの母親にチェザーレ殺害の報酬を支払わせながら、自身の復讐も相乗りさせてしまうソシエールもなかなかの腹芸を見せている。
1989年発表の本作にはバブル絶頂の日本が描かれている。
『金儲けのためなら地獄の底にだって行く、という日本の商社』
『恋の時間まで”円”で買われちゃかなわない!』
「武道館で開催されるファッションショー」
世界を買い漁っていたバブルマネー、今は昔の物語だ・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (85) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
★ゴルゴ・グッズ紹介 デイブ・マッカートニーの店★

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ゴルゴ13第84巻-3ロンサム・ジョージ

2007-07-22 23:16:44 | 第081巻~第085巻

■ロンサム・ジョージ(第288話) 発表1988年11月

評価   ★★★

依頼人  サー・ウインストン・ロス

ターゲット ゾウガメを殺しに来るKGB工作員

報酬     $500,000

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,619

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,785

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
ガラパゴス諸島ピンタ島でゾウガメが絶滅の危機に瀕していた。サー・ウインストン・ロスはメスのゾウガメを探した者に懸賞を出すと発表、ピンタ島に懸賞目当ての人々が群がる・・・

<この一言>
国外に来ている本物の日本人記者なら、頭を下げると言う日本流の挨拶を、わざとらしくはしないものだ・・・

<解説>
ガラパゴス諸島ピンタ島では、ゾウガメが絶滅の危機に瀕していた。サー・ウインストン・ロスは、メスのゾウガメを探した者に懸賞金を出すと発表、ピンタ島にはゾウガメ目当ての人々が大挙して押しかけてきた。やがてメスのゾウガメが発見され、ゾウガメ絶滅は回避されるかに思われた。

一方、歴史的に生物学に弱いソ連は、キューバの若手生物学者がゾウガメの研究に乗じて西側に亡命することを恐れ、ピンタ島にゾウガメ暗殺の刺客を送り込む。

ソ連の動きを察したウインストンはゴルゴにゾウガメの”警備”を依頼する。ゴルゴはピンタ島にやってきた日本流のお辞儀をする男をマークし、ウガメの飼育小屋に忍び込んだ男を始末。

ガラパゴス諸島の自然と絶滅種をテーマにした作品。ガラパゴス諸島とダーウィンの進化論、ソ連の遺伝学・生物学の考え方が詳述されている。ゴルゴはあくまで脇役で、珍しく警備の依頼を受けている。

ズキューン

ゴルゴ13 (84) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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ゴルゴ13第84巻-2偽りの報道番組

2007-07-20 22:53:28 | 第081巻~第085巻

■偽りの報道番組(第287話) 発表1989年8月

評価   ★★★

依頼人  CIA長官

ターゲット コロンビア麻薬王カルロス・サントス

報酬     不明

今回弾丸発射数      3/ 通算弾丸発射数 1,618

今回殺害人数        4/ 通算殺害人数   3,784

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
アメリカでは麻薬が蔓延、社会問題となっていた。テレビクルーがコロンビアの麻薬王「カルロス・サントス」の取材を試みるが・・・

<この一言>
アジトの正確な位置は確認済みか?

<解説>
アメリカではドラッグが蔓延、社会問題となっていた。テレビプロデューサー「キース・サイモン」は、南米麻薬密輸ルート解明をテーマとしたドキュメンタリー番組を制作、コロンビア政府に取材を申し入れる。しかし、コロンビア政府関係者は麻薬王「カルロス・サントス」について口を閉ざし、更にはテレビ局に対して圧力をかけ、番組制作をストップさせる。憤慨したサイモンはジャーナリスト魂に火をつけ、単独取材を敢行するもサントス側に捕らえられてしまう。

一方のサントスは、過度の演出を施したやらせ番組を作ることで有名な「ジム・パターソン」と組んで、ニセの引退宣言を含むドキュメンタリー番組を作ることを画策。番組の最後に自殺シーンを入れ、視聴者にサントスが死んだと思わせ、整形手術を施し引き続き麻薬王として暗躍する計画を立てる。

CIAはサントスの逮捕を試みるがことごとく失敗、長官自らゴルゴにサントスの殺害を依頼する。サントスがニセの自殺シーンを撮影する時を見計らって、ゴルゴはサントスの眉間を撃ち抜く。

テレビ局の”やらせ”に焦点を当てた作品。視聴率至上主義のテレビでは過剰な演出による捏造とやらせが横行しているが、一向に改善する気配はない。バラエティ番組とニュース番組の境界が曖昧な昨今の傾向からすると、ニュース番組にも過度のフィルターがかけられていると考えて差し支えないだろう。

ズキューン

ゴルゴ13 (84) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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ゴルゴ13第84巻-1レバント・トライアングル

2007-07-19 23:58:50 | 第081巻~第085巻

■レバント・トライアングル(第286話) 発表1989年11月

評価   ★★★★

依頼人  ロイズ保険組合幹部会員 ミルトン・ランドール卿

ターゲット 犯罪組織のボス マキシミリアン・クレシス

報酬     $750,000(¥100,000,000)

今回弾丸発射数      7/ 通算弾丸発射数 1,615

今回殺害人数        9/ 通算殺害人数   3,780

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
レバノン・ベイルート・ロードス島を結ぶ三角地点で貨物船が次々と蒸発。保険会社の損害は1億2000万ドルに達していた・・・

<この一言>
俺の”仕事”の邪魔になりそうな相手・・・それだけで十分”ムダ”ではないはずだ・・・心理学的に言ってもな・・・

<解説>
レバノン・ベイルート・ロードス島を結ぶ三角地点で貨物船が次々と蒸発。保険会社の損害は1億2000万ドルに達していた。ロイズ保険組合幹部会員の「ミルトン・ランドール卿」は、貨物船強奪を繰り返す犯罪組織のボス「マキシミリアン・クレシス」の殺害をゴルゴに依頼する。

ゴルゴは日本人商社マンを装って、クレシスのアジト”要塞島”に上陸。ちなみに今回のカバーストーリー(変装用の人物背景)は、トウゴウ・ダイジロウ/妻マユミ/息子ケンイチ。マユミとケンイチの写真も携行している。
クレシスの愛人「マリア」はソルボンヌ大学出身の心理学者だが、ゴルゴを見るやただ者ではないと気付き、”バルビツール”を噴霧する。さすがのゴルゴも突然の噴霧に驚愕の表情を浮かべ、直後に意識を失う。完全に薬に支配されたゴルゴであるが、無意識化でもカバーストーリーを堅持し、マリアの質問に対してトウゴウ・ダイジロウを装い続ける。
しかし、撃鉄を起こす音を聞いたゴルゴは無意識化で反応を起こし、ショックの余り眼を見開いて倒れ込んでしまう。

両手両足を縛られたまま見張りをなぎ倒し、マリアに迫るゴルゴ。マリアは全裸になりゴルゴを誘惑するが、ゴルゴは躊躇することなくマリアに銃弾を撃ち込む。見張りを次々と始末し、クルーザーで戻ってきたクレシスを仕留め依頼を完遂する。

本作の見所は、無意識下でも深層心理まで自己コントロールできるゴルゴの精神力だ。目の下にはクマが色濃く張り付き、クスリが効いて完全にイッてしまっているゴルゴだが、マリアの質問に対し完全にトウゴウ・ダイジロウを演じきっている。精神力の強さでいえば、我々凡人が全裸のマリアに反応するなというのは”心理学的に”絶対ムリなのだが、いかなる状況下でも動じないゴルゴ、男の中の男である・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (84) 巻掲載
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ゴルゴ13第83巻-4モスクワ・プラトーン

2007-07-18 23:39:44 | 第081巻~第085巻

■モスクワ・プラトーン(第285話) 発表1989年4月

評価   ★★★

依頼人  KGB

ターゲット アフガン帰還兵の母親アンナ

報酬     不明

今回弾丸発射数      1/ 通算弾丸発射数 1,608

今回殺害人数        1/ 通算殺害人数   3,771

今回まぐわい回数    0/  通算まぐわい回数    92

<ストーリー>
ソ連では麻薬に冒されたアフガニスタンからの帰還兵が社会問題になっていた。アフガン帰りの麻薬中毒の息子を失ったアンナは亡命を企てるが・・

<この一言>
彼女の”水”を手に入れてくれ・・・

<解説>
アフガニスタンから撤退を決めたソ連。しかし、アフガン最前線の兵士達は恐怖から逃れるために麻薬に溺れ、ソ連に帰還後も麻薬中毒から抜けることができず、社会問題となっていた。

「アンナ」の息子も、アフガニスタンから帰還後、麻薬に冒されて手をつけられない状態であった。アンナの夫は荒れ狂う息子を殺害、自らも命を絶った。残されたアンナはソ連に絶望し、息子の残したアフガンで麻薬に浸る兵士達のビデオを手に西側への亡命を決意する。

アメリカ人ジャーナリストがアンナの亡命意志を嗅ぎつけ、アンナへの接触を試みるが、KGBはこれを阻止せんと実力行使に出る。証拠が残らないような方法でアンナ殺害を依頼するKGBに対し、ゴルゴは「彼女の”水”を手に入れてくれ・・・」と返答。
医者を通じてアンナの”水(体液)”を採集したKGBはゴルゴに水を託す。ゴルゴは体液を凍らせて弾丸を作りアンナを狙撃、証拠を残すことなく全てを葬ったのであった。

アフガニスタンの戦争渦を描いた作品。ベトナム戦争を描いた『プラトーン』をタイトルに冠し、アフガン後遺症を描いた社会性の強い作品。作中で激しい銃撃戦の描写が話題になった『フルメタル・ジャケット』も紹介されているが、本作でのゴルゴは一発の氷の弾丸を放つのみで、黒子に徹している・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (83) 巻掲載
ゴルゴ13 145巻(最新刊)
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