ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第129巻-1最終暗号

2009-01-30 23:55:37 | 第126巻~第130巻

■最終暗号(第427話) 発表1998年4月

評価   ★★★★

依頼人  なし

ターゲット NSAフリーマン長官

報酬    なし

今回弾丸発射数      13/ 通算弾丸発射数 2,344

今回殺害人数     12/ 通算殺害人数   4,633

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   108

<ストーリー>
アメリカが全世界に張り巡らす盗聴網により、ゴルゴの仕事が妨害される。盗聴対策としてゴルゴが目指したのは決して解かれることのない最終暗号であった・・・

<この一言>
奴らにとって戦術各を使うには、好都合な場所のはず、・・・だ!

<解説>
アメリカ国家安全保障局(NSA)のフリーマン長官は、数学者あがりの俊英。全世界に盗聴網を張り巡らし、テロを未然に防いできた。ライフル協会副会長が、ヒラリー夫人の暗殺をゴルゴに依頼することを盗聴によりキャッチするや、副会長がゴルゴに接触する前に特殊部隊が副会長を始末、ヒラリー暗殺を未然に防ぐ。同様の方法でゴルゴへの暗殺依頼を妨害したNSAは、ゴルゴに3ヶ月もの間、業務遂行ができないよう足止めを食らわせたのである。

クリントン大統領とヒラリー夫人は、フリーマン長官の功績を認めつつ、自身も盗聴されていることに不快感を持つ。ジレンマに悩む大統領夫妻であるが、国家安全保障を優先し、フリーマン長官にフリーハンドを与える。そのような折り、天才数学者「佐久」がスーパーコンピューターでも解読できない暗号理論を極めようとしていた。この”最終暗号”が完成すれば、NSAの盗聴網は機能しなくなるため、フリーマン長官は佐久の殺害を決断、特殊部隊への出撃を命ずる。

依頼人が次々に殺害されていることを調査したゴルゴは、フリーマン長官が糸を引いていると確信、佐久にアプローチし最終暗号の完成に協力する旨を申し出る。佐久を補佐する数学者二人を手配、アメリカ横断列車にスーパーコンピューターを積み込み、徹夜作業で佐久に暗号完成を急がせる。佐久がゴルゴとともにロッキー山脈あたりを列車で移動中との情報をつかんだフリーマンは、大統領に戦術核の利用を進言、クリントン大統領と非ライリー夫人はこれを許可する。ステルス戦闘機から放たれた核ミサイルが、ロッキー山脈上空で爆発するも、ゴルゴと佐久の乗った列車は山脈内の核シェルターに逃れる。最終暗号を完成させた佐久は、インターネットでこれを公開、SNAの盗聴網を無力化する。ゴルゴがフリーマン長官に報復したことは、言うまでもない・・・

盗聴と暗号技術を巡るスリリングな展開が見事。天才数学者佐久の数式を一目見て理解してしまうゴルゴの天才的な頭脳にも驚愕。興味深いのが、アメリカの暴走を描いている点。フリーマンは”アメリカの覇権”を謳い、クリントンはこれに乗じて戦略核を使用!!20世紀後半に描かれた作品であるが、21世紀のアメリカの混迷を予言しているかのようだ。面白いのが、クリントン大統領とヒラリー夫人。モニカ・ルインスキーとの「不適切な肉体関係」が発覚したのが本作発表の3ヶ月前。クリントンは盗聴の陰におびえたに違いない。そして、でしゃばりヒラリーの描写。ヒラリーが、大統領選挙に出馬し敗れるも国務長官に就任しようとは、本作発表時点では、誰も想像できなかったことである。現実のヒラリーが、戦略核の使用に反対することを祈るのみだ・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (129) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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