ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』

ゴルゴ13の全ストーリーを解説

ゴルゴ13第126巻-2ゼロ・ミッション 排ガスゼロ

2009-01-03 23:47:38 | 第126巻~第130巻

■ゼロ・ミッション 排ガスゼロ(第419話) 発表1997年9月

評価   ★★★★

依頼人  不明(石油メジャー?)

ターゲット 自動車会社”エミュー”の水素エンジン搭載新型モデル

報酬    不明

今回弾丸発射数       2/ 通算弾丸発射数 2,305

今回殺害人数      2/ 通算殺害人数   4,600

今回まぐわい回数     0/  通算まぐわい回数   107

<ストーリー>
日本大手自動車メーカーを退職した二人が排気ガスを排出しない水素エンジンを開発、フランスの自動車メーカーに売り込んだ。各国の自動車メーカーは・・・

<この一言>
この依頼を受けることはできない。断る・・・

<もう一言>
理由を聞きたい・・・と言うのか?

<解説>
日本の大手自動車メーカー”サワダ自動車”を退職した二人のエンジニア『立石誠』と『乾信次郎』が排気ガスを排出しない水素エンジンを開発した。彼らはフランスの自動車メーカー”エミュー”にエンジンを売り込む。エミューの出した回答は、テスト走行を無事に終えれば契約する、というものであった。

サワダ自動車社長『沢田』は立石と乾のもとを訪れ、水素エンジンの技術ををサワダ自動車に販売するよう懇願するも、彼らの意志はエミューへの売却で固まっていた。沢田は水素エンジンの技術が国外に流出した場合、日本の自動車産業の発展はないと考え、ゴルゴに接触を行う。しかし、沢田の依頼をゴルゴは受諾しない。沢田はアメリカ最大の自動車メーカー”WM(ワールドモータース)”を訪れ、ゴルゴへの接触の有無を聞く。沢田のゴルゴへの依頼は、水素エンジン自動車をテスト走行時に狙撃してほしいというものであったが、沢田に先んじてWMがゴルゴに依頼したと考えたのである。しかし、WMの答えはNOであった。

果たして水素エンジン自動車のテスト走行が始まった。最高速240Kmに達した瞬間ゴルゴの銃口が火を噴き、水素エンジンを捉える。テスト車は水素爆発を起こし炎上、水素エンジンは不完全な技術として葬られることとなった。ゴルゴへの依頼は、石油利権を維持したい石油メジャーが水素エンジン排斥のために行ったとのサジェストがなされて幕を閉じる。

1997年発表の本作、2008年の石油価格乱高下、世界同時不況、自動車産業不振を思うと、非常に示唆的である。見せかけのカネ余り=バブルから石油価格が高騰、消費者の自動車離れが世界的に進み、その後のサブプライム問題に端を発した世界的な景気後退により自動車離れに拍車がかかった。今後の自動車業界の将来は全くの視界不良であるが、水素エンジン自動車、電気自動車のような脱石化エネルギーへと業界の方向が進むことは間違いない。リアル社会に『立石』と『乾』そしてゴルゴがいてくれたら、日本の将来も明るいのだが・・・

ズキューン

ゴルゴ13 (126) 巻掲載
ゴルゴ13 (151) 巻(最新刊)
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