金田久美子の優勝に見た”女神”な風

2011-04-24 17:10:03 | ゴルフウイークリー

フジサンケイレディスで金田久美子が念願の初優勝を

達成しましたが、この最終日にゴルフの面白さを凄く感じました。

と言いますのは、5打差を逆転できたのは、”風”のサポートが

あったからだと思うからです。どういうことかと言いますと、

同組みで回った藤田幸希とのゴルフスタイルの違いを見て分かったのです。

藤田は、ご存知、女子プロ界屈指のロングヒッター。片や、金田は、

飛距離は出ないほうで、ショートウッドを多用する非力系ゴルファーです。

ふたりの最終日、藤田のドライバーは冴えまくり、飛ばしながらフェアウェイを

ことごとくキープ! 片や、金田は、ティショットをセミラフに入れたりフェアウェイを

キープしたりのそこそこの出来でした。それに、ふたりのセカンド(パー4)で使う

クラブは、3番手かそれ以上の開きがありました。

普通に考えれば、藤田の楽勝パターンということになるのでしょうが、

川奈というコースは、ティショットだけでは主導権を握らせない

ゴルフの面白さを演出するコースの典型です。

最終日、金田の優勝を演出したのは、”風”だと感じました。

グリーンを狙う、ティショットやセカンドショットで、

金田が7番ウッド、藤田が5、6番アイアンというホールもありました。

終盤の17番、18番が、そうでした。でも、ここがミソです。

風の中、18番、7番ウッドで先に金田がグリーンをとらえると、それよりはるかに

短いクラブで狙う藤田のオン率は、金田より高いはず。でも、ピンの右か、左か、

奥めか手前か・・・・・こんなねらい目が風の中、シビアに要求される

川奈は、先に乗せられると、いくら短いクラブでもプレッシャーがかかる

コースです。藤田は、この日、何ホールもはるかに短いクラブで

グリーンを狙う状況がありながら金田より内側につけられなかったのです。

結論・・・・・・「風の中で、大きい番手(ロングアイアンではなく7番ウッドなどの

ショートウッド)の方が、ミドルアイアン(5番~7番アイアン)よりもスピン量が

かなり少なく、風の影響を受けにくく、しかも、グリーンに止めやすいということ。

この最終日は、金田が長い距離を長い番手で先に乗せることが多く、

藤田のプレーリズムが狂ったのでは? ということです」。

もちろん、パットの出来不出来も結果に大きく影響しますが、この日は、

プロ同士ですからグリーン上の勝負に入るまでに、精神面で微妙な

アドバンテージが金田のほうに加勢していたような気がします。

こうやって見ていきますと、コースのレイアウト、風、芝目(順目か逆目か)に

よる難度によって、ゴルファーにとって飛距離だけがアドバンテージに

なるわけではなく、他の要素が絡み合えば、逆に飛ばない人の方が

有利な展開になることもあるということで、これがゴルフの面白さです。

特に、”風”が吹くと身長の低いほうがコンペで優勝しやすい・・・・・という

話もたまに聞きます。

今日のフジサンケイレディスでは、風の女神が金田久美子に初優勝を

もたらした。そんな風に感じます。これだから、ゴルフって

面白いですよね。