音楽の真髄を伝えてくれたズービン・メータさん

2011-04-18 18:02:26 | 音楽療法

インド人の名指揮者、ズービン・メータさんが、先日、被災者支援コンサートを

開いてくれました。(於・東京上野)

その模様は、昨日、4月17日(日)にNHKで放映されましたが、

メータさんの平和に対する思いと、それに音楽をシンクロさせる情熱に

感動致しました。

バッハ作曲の「G線上のアリア」は、平和の音を丁寧に紡いでいくように

演奏するよう指揮しているように感じ、「音楽=平和」という氏の思い入れが

伝わってきました。メータさんというと、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの

指揮者で登場した際、ユーモアとウィットにあふれる方だという印象を強く受けましたが、

今回の支援コンサートでは、そういう余裕は見せず、真剣そのもの!

顔がこわいくらい硬直し、1音1音の大切さを伝えていく意気込みを感じるほど

迫力がありました。

圧巻は、ベートーベン作「第9交響曲の第4楽章」・・・・あの年末恒例となっています

”合唱”で締めくくりました。

メータさんの平和に対する情熱と思い入れが、そのままオケや合唱団に

乗り移ったように、オケが躍動し合唱団が、津波の力に匹敵するくらい

地鳴りが鳴るくらい雄たけびを挙げて歌い切る様は、これぞ音楽魂!!と

感じさせてくれました。平和への雄たけびとでもいいましょうか?

「平和が音楽の中にこそある」という氏の思いは、しっかりと伝わってきました。

先月のダニエル・バレンボイムといい、今回のメータさんといい、

戦争や紛争で苦しんでいる人々へのメッセージとして、

この音楽は最高のものではないでしょうか?

日本へ来たがらない、あるいは、日本から退去しようとする外国人が多い中、

被災者へのいたわりの思いと、被災地へのイマジネーションの力には

感服いたします。こういう方々が、音楽の真髄を伝えてくださっている

ことに感謝したいと思います。