インド人の名指揮者、ズービン・メータさんが、先日、被災者支援コンサートを
開いてくれました。(於・東京上野)
その模様は、昨日、4月17日(日)にNHKで放映されましたが、
メータさんの平和に対する思いと、それに音楽をシンクロさせる情熱に
感動致しました。
バッハ作曲の「G線上のアリア」は、平和の音を丁寧に紡いでいくように
演奏するよう指揮しているように感じ、「音楽=平和」という氏の思い入れが
伝わってきました。メータさんというと、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートの
指揮者で登場した際、ユーモアとウィットにあふれる方だという印象を強く受けましたが、
今回の支援コンサートでは、そういう余裕は見せず、真剣そのもの!
顔がこわいくらい硬直し、1音1音の大切さを伝えていく意気込みを感じるほど
迫力がありました。
圧巻は、ベートーベン作「第9交響曲の第4楽章」・・・・あの年末恒例となっています
”合唱”で締めくくりました。
メータさんの平和に対する情熱と思い入れが、そのままオケや合唱団に
乗り移ったように、オケが躍動し合唱団が、津波の力に匹敵するくらい
地鳴りが鳴るくらい雄たけびを挙げて歌い切る様は、これぞ音楽魂!!と
感じさせてくれました。平和への雄たけびとでもいいましょうか?
「平和が音楽の中にこそある」という氏の思いは、しっかりと伝わってきました。
先月のダニエル・バレンボイムといい、今回のメータさんといい、
戦争や紛争で苦しんでいる人々へのメッセージとして、
この音楽は最高のものではないでしょうか?
日本へ来たがらない、あるいは、日本から退去しようとする外国人が多い中、
被災者へのいたわりの思いと、被災地へのイマジネーションの力には
感服いたします。こういう方々が、音楽の真髄を伝えてくださっている
ことに感謝したいと思います。