〔音楽療法〕男女のサガならコジファントゥッテ!

2010-07-20 08:24:42 | 音楽療法
久しぶりにオペラの話です。モーツァルトの『コジファントゥッテ』は、
実に美しいメロディの合唱で始まります。女性の外見の
美しさと貞操を表現しているのでしょうか?
ヨーロッパアルプス近くの湖畔に穏やかな風が吹き、湖面がゆらゆら揺れている、
そんなのどかな風景画が浮かんできます。湖上には、羽の白がまぶしい
白鳥が飛び交っているような、穏やかで美しい旋律です。

でも、オペラのストーリーの方は、この音楽のように一筋縄ではいきません。
恋人(船で遠くへ行くことになった3人の男性)に貞操を誓った年頃の女性3人が、別の男性の誘いを最初は拒み続け、貞操を守ろうとしていました。
ところが、時間が経ち、恋人たちはなかな帰ってこず、生活に飽きがくると、次第に新たな男性のほうに徐々に心が傾きかけていったのです。
やはり、距離と気持ちは比例するのか?

実は、その新しい男性たちは、恋人たちの心を確かめようと変装して現れていたのですが、
最後には、女性群は恋人を裏切ってしまう。なんとも、男女のサガの
悲しいことでしょう。
モーツァルトと脚本を書いたダ・ポンテは実に女心を理解しているようです。これが
現実!?
こんなドロドロしたサガを示しながら、音楽の方は、男声と女声が見事に
溶け合って美しいハーモニーを奏でています。なんという矛盾!と感じながら
聴き入っていますと、現実を受け入れるのも成熟した大人の証という
ことでしょうか?
ストーリーと音楽のギャップを感じながら楽しめる(?)曲です。
くれぐれも男声陣はご用心といったところでしょうか。