日々の恐怖 10月10日 タヌキ(3)
土曜日に、北海道に住んでる父方の伯父夫婦が定年退職したということで、家に遊びに来た。
家で2泊し、来週一杯、各地を旅行するらしい。
伯父の家は父の実家であり、俺や姉貴も何度も夏休みに遊びに行っていた。
だけど、伯父が家に来たのは記憶に無い。姉貴も覚えが無いと言う。
伯父に、
「 珍しいね。」
と聞いてみると、家の新築祝いの時以来だそうだ。
当時俺は2才、姉貴は4才なんで、記憶が無いのも当然だ。
滞在中は和室で休んでもらうことにして、片付けついでに案内した。
伯父は、
「 懐かしいな~。」
なんて言っていたんだが、伯母のほうが神棚を、
“ ジーッ。”
と見ている。
この伯母は福島出身で、かなり霊感が強い。
ちょっとしたエピソードはあるんだが、それはまた機会があれば書く。
しばらく見た後、ケラケラ笑いながら、
「 皆に教えておきたいから、呼んで来て!」
と言う。
和室の神棚の前に全員集まると、伯母さんは話し出した。
「 面白いねえ。
こんな事もあるんだね。
私も良い勉強になったわ。
普通は神様が怒るんだけどねぇ、見逃してくれたのかな・・・・?」
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