日々の出来事 6月6日 I can fly!
今日は、俳優の窪塚洋介がマンション9階にある自宅から約26m転落し、頭蓋骨骨折の重傷を負った日です。(2004年6月6日)
所属事務所は、“鯉のぼりを設置中の事故”と発表しましたが、警察やマスコミは、建物から離れた所に落ちたことなどから、この発表が事実ではない可能性を指摘しました。
後に、窪塚洋介自身が、“これまで生きてきた中で、自分は死にたいと思ったことは無い”と自殺を否定しました。
真相は分からないまま現在に至っています。
マンションから落ちた翌日にテレビ放映された映画“ピンポン”には川にダイビングする窪塚洋介のシーンがありました。
そして、このシーンの窪塚洋介のセリフ。
「 I can fly !! 」
I can fly!
☆今日の壺々話
映画撮影
監督「 じゃぁ、次のシーンはここから飛び降りてもらえるかな?」
俳優「 えっ!?ここから?死んじゃいますよ!!」
監督「 大丈夫、これがラストシーンだから。」
こんにちは
高層マンション。
靴を揃え、遺書を添え、今にも飛び降りようとする中年。
高層マンション。
仕事をサボり、気分転換に、煙草を噴かしに来たオレ。
高層マンションの屋上でこんにちは。
オレは言う。
「 どうせ死ぬなら金をくれ。」
中年は言う。
「 もったいないから金はあげない。」
オレは言う。
「 金に執着するなら死ぬんじゃねえ。」
中年は言う。
「 それなら自分で何か買う。」
オレは言う。
「 欲しい物があるなら死ぬんじゃねえ。」
中年は言う。
「 それなら家族の為に残す。」
オレは言う。
「 家族の事を想うのなら死ぬんじゃねえ。」
中年は言う。
「 死ねないじゃないか。」
オレは言う。
「 死ぬ理由が無いじゃないか。」
中年は言う。
「 なるほどな。」
オレは言う。
「 納得したなら金をくれ。」
中年は言う。
「 ふざけるな。」
オレは言う。
「 ふざけるな。」
中年は言う。
「 頭に来たから家に帰る。」
オレは言う。
「 いいな幸せで。」
マンション
私は大学進学のため、鹿児島から京都へ住まいを移した。
マンションの駐車場横には墓地があったが、特に気にはしなかった。
1年後の夏、学生生活にも慣れ、夏休みを利用して鹿児島に帰省することにした。
自分の部屋を出るときに違和感を感じたことを覚えている。
が、時間のこともあり、さっさと部屋を後にした。
ふたつきではあったが実実家では幸せなひと時をすごせた。
が、そのあと訪れる恐怖を誰が予測できただろう。
夕方にマンションに着き、墓地がオレンジ色に染まっている。
部屋前につく。
鍵をあけ部屋へ入る。
その瞬間、身も凍える冷たい空気が私の周りを漂った。
雰囲気が違う。
なんなんだ!
耳をすますと微かだがゴォォと音が聞こえる。
恐る恐る部屋の中に入ると、そこには。。。。。
つけっぱなしのクーラーが全力で頑張っていた。
本気で泣いた。
箱
ある男の所に、見知らぬ紳士が箱を持ってやってきた。
その箱にはボタンが付いていて、それ以外には何も仕掛けらしきものは見あたらなかった。
その紳士は穏やかな口調で男に言った。
「 あなたがこのボタンを押すと、どこか遠い場所で、あなたの知らない人が死にます。
そのかわり、このボタンを押して頂けましたら、あなたに100万ドルを現金で差し上げましょう。」
そう言うと、紳士はボストンバックを開き、中に詰め込まれた札束を見せた。
男が躊躇うと、紳士は3日後に箱を取りに来るから、それまでに決心して欲しいと言って去っていった。
男は悩んだが、誰も知らない人間なのだからと、最後の日にボタンを押した。
翌日、紳士が現れ、男に礼を言って100万ドルと引き替えに箱を回収した。
紳士が会釈して去ろうとしたとき、男は紳士に尋ねた。
「 本当に人が死んだのか?」
すると紳士は答えた。
「 はい、確かに昨晩、遠い場所で、あなたの知らない人が死にました。」
男は良心が痛んだが、目の前の札束を見て自分を納得させた。
「 もう一つ教えてくれ」
「 はい、何でございますか?」
「 その箱はどうするんだ?」
すると紳士は微笑んで言った。
「 どこか遠い場所の、あなたの知らない人の所へ届けます。」
いわく付き物件
俺の妹がいわく付き物件に住んでいる。
平屋の一軒家なんだけど、その家の一室で人が首吊ったらしい。
亡くなった部屋では、たまにその家人がぶら下がってたりするんだと。
格安の賃料と、ペットいくらでも可(妹は三匹の猫飼い)の条件に妹が食いついた形。
ある日、妹の家に遊びに行くと猫が三匹、その部屋の中央をぴょんぴょん跳ねていた。
猫じゃらしとかで遊んでいる動画みたらわかるけど、あんな感じ。
何もない部屋の中央辺りに向かって、ぴょんぴょん飛びかかっている。
妹に聞いてみると、どうやらぶらさがっている人で遊んでるらしい。
普段使いする部屋じゃないから放置していたら、いつのまにか猫が玩具にしていたそう。
今は三匹だが、異様に猫を引き付ける性である妹宅には飼い猫以外に八匹ほどの通い猫がいて、爆釣れの時は十匹以上の猫がぶらさがっている人に向かってぴょんぴょんするのだそうだ。
妹に、ぶら下がっている人は大丈夫なのか?と尋ねたところ
「 知らん。やられるのが嫌ならぶら下がるのをやめたらいい。」
とクールに言い返された。
今のところ妹自身に害はなく、ぶら下がっている人は静かに猫じゃらしとなっているらしい。
マンション
三年程前に、一人暮らしをしていたマンションで怖い体験をした。
7階建てで、1フロアに5部屋というこじんまりとしたマンション。
俺は403号室に住んでいた。
間取りは2DK。
玄関を入ってすぐ右側の部屋を俺は寝室に使っていた。
仕事から帰ってきて寝るまでの時間は、ほとんどダイニングでPCを使ったり、TVを見たりして過ごしていた。
俺は飲食店で働いてるから、自宅に帰るのは早くても午前1時過ぎくらい。
マンションの周りは住宅街で、少し歩けば大通りもある。
静かだけど、深夜でも特別寂しいという雰囲気ではない。
帰宅してからの俺の行動パターンは大抵こんな感じ。
寝室で寝巻きに着替える→TVとPC起動→飯食う→風呂→3時ごろ就寝。
毎晩寝床に入ってウトウトしていると、部屋の窓の向こうから「ガガーッ」という、エレベーターの開く音がする。
そして「コツコツコツ・・・」という足音が聞こえる。
これはほとんど毎晩だった。
少し深夜にしては足音がデカイかな?と少し気にはなっていたけど、次の日の朝にはそんな事忘れていた。
そんな感じで、特に何の問題もない毎日を送っていたんだ。
そして、ついにその日が来てしまった。
俺は、いつものように深夜3時過ぎに寝室のベッドに入っていた。
また、エレベーターの開く音が聞こえた。
「コツコツコツ・・・」足音が聞こえた。
俺の部屋の窓には厚いカーテンがしてあるので、シルエットは見えないけど、足音で、自分の部屋を通り過ぎたのがわかった。
恐らくハイヒールを穿いた女性で、「404号室か405号室の住人だろうな・・」と何となく考えていた。
何だか寝付けなかったので、TVをつけてボケーっとしてると、こんな事を思った。
「 そういえば、足音は聞こえるのにドアを開けたり鍵を閉めたりするときの音って聞こえないよなぁ・・。」
そんなに造りがしっかりしたマンションでもないし、隣近所のドアの開け閉めや鍵の開閉の音はいつも聞こえていた。
あんまり気にして聞いていた事はないけど、今回に限っては深夜なので「絶対に聞こえるはずなのにな・・」と、少し気になってしまった。
深夜にもかかわらず、結構な足音を出す女だ。
ドアや鍵の開け閉めに気を使うとも思えない。
そこまで考えてしまっていた。
TVを消して外の気配を伺った。シーンとしていて、たまに外を走る車やバイクの音が響くだけだった。
自分でも少しバカらしくなってきて、すぐにTVを付けた。
わざわざ人んちのドアの開く音なんか意識しないよな・・、って自分で呆れた。
何か目が冴えて眠れなくなったから、タバコを取り出して窓のほうに向かった。
カーテンを開けて、磨りガラスになっている窓の鍵を開けて、タバコに火を付けた。
いつもはキッチンの換気扇の下で吸うんだけど、この日は就寝前という事もあって
キッチンまで行くのが面倒くさかったんだと思う。
風の流れで煙が部屋に逆流してきたので、網戸を開けてタバコを持った手を外に出して、口元も窓の外に出すような形で煙を吐いていた。
すると、フッと視界に何か不自然な物が映った。
さっきまで死角になっていて見えなかった窓の外に、髪の長い女が立っていた。
耳を壁に付けたまま顔を横に向けていた。
ベージュか白のコートを着ていたと思う。
俺は心臓が止まりそうなくらいびっくりした。
タバコを手に持ったまま、窓を閉めるのも忘れて、一目散にダイニングへ向かった。
震える手で警察にTELをした。
5分後くらいにドアの向こうで男数人の野太い声がしたので、警官が到着したんだと気付いた。
警官に事の経緯を説明している途中に、女は他の警官に連れられて行った。
マンションの住人、向かいのマンションの住人も何人か野次馬で見ていた。
その日は一睡も出来なかった。
後日、更に気持ちの悪い事実を知る事になった。
警察からは、「後日連絡します」と言われていたが、一切連絡はなかった。
休日に出かけようとマンションのロビーに行くと、管理人さんから声をかけられた。
どうやら管理人さんに、警察からその女についての連絡が行っていたようだ。
管理人さんはマンションの住人や近所の人からも情報を仕入れていたようで、その女の詳細を聞かせてくれた。
どうやら近所に母親と思われる老婆と二人で住んでいるおばさんらしく、気になったものを付け回す癖があるらしい。
近所では深夜に徘徊している姿が目撃されていて、警察にも何度か通報されていたらしい。
向かいのマンションの住人の話によると、深夜にその女が俺の部屋の窓の近くに立っているのを見たらしい。
明るくなってもまだいたので不審に思っていたらしい。
俺の聞いていた足音は、そのおばさんのもので間違いなかったようだ。
ということは、俺はベッドの一枚壁を隔てた向こうに、壁に耳を着けたオバハンがいる状態で毎晩眠っていたんだ。
それに気付いた瞬間、ササーッと血の気が引いていったのを覚えている。
その日から俺は実家に帰り、一ヵ月後に友人をたくさん呼び、手伝ってもらって一気に引越しを決行した。
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