掛川城下を辞して、県道38号線を御前崎方面へと進み、途中で上図の「茶菓きみくら」に寄りました。原作コミック第5巻37ページにて、志摩リンが立ち寄ったお店です。
作中では、お店の従業員のお姉さんが、かつて志摩リンが夜叉神峠で会った方である、ということで再会している場面がありますが、実際に登山が趣味の方が居られるのかもしれません。
作中での店舗名は「たかくら」となっていますが、それを聞いてこのお店の名前に思い当る方も多かったそうです。その特徴ある外観からも、ファンの間ではすぐに知れ渡っていたそうです。浜松の縁戚も、「掛川に行ったら時々立ち寄るオシャレなカフェ」と話していましたから、静岡県下では知られた有名店であるようです。
志摩リンがこのお店に行ったのは、母の咲に「掛川でお茶買ってきて」と頼まれたからですが、山梨県民の志摩家がよく知っているもんだなあ、と思います。
上図は、原作コミック第5巻39ページ3コマ目のアングルです。
こちらは原作コミック第5巻37ページ3コマ目のアングルです。手前の道路が県道38号線です。
玄関です。ここも原作コミック第5巻39ページ2コマ目に出ています。
今回は休憩が目的でしたので、すぐに二階のカフェにあがりましたが、階段の踊り場に接して庭があり、見事な盆栽が置かれていました。こういうしつらえによってカフェの雰囲気が一段と引き立ちます。私自身も室内ガーデニングをやりますから、こういうのには興味があります。それで、しばらく立ち止まって見ていました。
カフェ内です。けっこう広くて三つの部屋に分かれており、志摩リンは奥の部屋に通されましたが、私は道路側の部屋に案内されました。なんでも奥の部屋はレディースルームであるそうで、時々女性専用になったりするそうです。この日も奥の部屋は女性客ばかりでほぼ満席のようでした。
店員さんに、ゆるキャン△巡礼で来た旨を述べると、心得たように笑顔になり、素早くメニューの該当ページを開いて差し出してくれました。
作中で志摩リンが選んだのは「抹茶ティラミスと緑茶セット」でしたが、上図のメニューは「ケーキセット」になっていました。違うメニューなのかな、と驚いていると、店員さんが「ハイ、実際にはこちらのケーキセットでございます」と教えてくれました。
「するとあの、この抹茶ティラミスというのが、そうなんですか?」
「ハイ、さようでございます。志摩リンちゃんが食べていたのが、こちらのセットになります」
「では、それで」
「ありがとうございます。しばらくお待ち下さいませ」
しばらくどころか、1分も経たないうちに運ばれてきました。おお、これか、と感動しました。完全に原作コミック第5巻40ページ1コマ目の「抹茶ティラミスと緑茶セット」そのものでした。
「そのまんまですねえ・・・」
「ハイ、さようでございます。ファンの皆さん全員が、これをですね・・・・」
でしょうな。分かりやすいです。
このお店が出来てから今年で10周年になるそうです。それで、作中のケーキには無い記念のミニPOPが付いていました。
どうも食べるのがもったいない気がして、写真を撮ったり、角度を変えて眺めたりしましたが、カウンター内で店員さんがクスクス笑っているので、一気に食べました。
実を言うと、こういう甘いものは苦手なのですが、今回はケーキにまぶされた抹茶の渋味が程良く甘味をおさえていてさっぱりした味わいになっていたので、むしろ美味しくいただけました。
「茶菓きみくら」を辞して、県道38号線を南下、国道150号線まで行ってそれを東へ進みました。約一時間ぐらいで、上図の御前崎灯台の駐車場に着きました。
後で分かったのですが、多くの観光客は灯台下の湾岸道路沿いの広い観光駐車場のほうに入るそうです。そこが灯台巡り散策路の起点になっており、作中で志摩リンがビーノを停めたのもそちらでした。
なので、こちらは裏側から入った観光客用の駐車場で、10台も入れば一杯になってしまう狭さでした。しかし、灯台のすぐ横ですので、最短距離で行けます。
駐車場の向かいに旅館があります。原作コミック第5巻33ページ3コマ目にて、志摩リンの背景に建物が描かれています。
原作コミック第5巻33ページ4コマ目の景色です。志摩リンが「こっちか」と。
遠州灘の大海原が見えました。
灯台下の広い観光駐車場から登ってくる散策路です。志摩リンが登ってきたのもこの道なので、後で逆にたどってみることにしました。
海岸地域の常で、潮風がかなり強く吹いていましたので、それまで身体を包んでいた蒸し暑さが吹き飛んでゆきました。天気予報では午後から下り坂になるということでしたが、実際に空には雲が次第に広がりはじめていました。 (続く)