上図は、以前に何かで見かけたものですが、あんこうチームの全員が秋山優花里の家に遊びに来ているシーンです。全員が寝間着姿なので、お泊り会なのでしょう。
西住みほ、秋山優花里、五十鈴華の三人は、戦車のプラモデルを作っています。秋山優花里は既にマウスを完成させ、両手で高く持ち上げて眺めています。五十鈴華は、真剣な眼差しでパーツをニッパーで切り出しにかかっています。華道のスタンスと余り変わらないので、違和感もさほどに感じないのでしょう。西住みほは、今まさにパッケージの蓋を開けたところです。何の戦車を作ろうとしているのでしょうか。
プラモデルを作る女の子のことを「モケジョ」と呼びます。西住みほ、秋山優花里、五十鈴華も「モケジョ」なのでしょう。「モケジョ」については以前にNHKが特集を組んで放送したのが契機となって知名度が上がり、「モケジョ」の人口も年々増加しているそうです。
私の参加している模型サークルにも「モケジョ」が三人いると聞きますが、まだ会ったことはありません。三人ともガンプラが専門らしいです。作品だけを見たことがありますが、プロモデラーみたいな上手な出来栄えに驚かされました。細かいパーツの組み合わせや、カラフルな色彩の表現にこだわりが感じられ、女性ならばでのきめ細かな製作スタンスがよく発揮されているように思いました。
プラモデルというと、従来は男の世界でしたが、細かな作業であるところが女性にもともと向いているらしく、男性モデラーを圧倒するような作品が、交流作品展やイベント展示などで目立つようになってきています。
先月の会合にて、新たに入会してきた20代の女性会員の方が挨拶のスピーチをやっていました。ガンプラだけでなく軍艦や飛行機や軍艦などのミリタリー物も色々作ってみたい、と熱っぽく述べていましたが、それに続けて「悩んでいることがあります」と言いました。
「実は、プラモデルを作るうえで、女性であることが時には弱点になるんです、男性の皆さんがプラモデルにおいて考えておられる「カッコいい」という感覚が全然分からないんです・・・」ということでした。
それを聞いて、A氏やI氏などは「なるほどねえ」と呟いては大きく頷いていましたが、私は「カッコいい」という感覚が全然分からなくてもいいのではないか、と思いました。
男性の感覚に合わせるよりも、女性ならばでの感性、表現法でストレートに楽しんでいくほうが無理がないのでは、と考えます。「モデラー」に対する「モケジョ」独自の制作スタンスや作品世界を開拓してくれた方が、プラモデルという趣味世界の広がりを更に大きく楽しいものに発展させてくれそうな気がします。
ところで、秋山優花里の部屋って、改めてみても凄い雰囲気がありますね。砲弾も転輪もあるし、軍服もかけてあるし、机の上には無線機が置いてあります。この無線機、どう見てもドイツ軍戦車の搭載機器に見えるのですが・・・。もしかして、Ⅳ号戦車D型に装備されている機種かな・・・。
そうだとすれば、武部沙織はその操作は慣れているはずですね・・・。
模型の楽しみ方は人それぞれ、女性には女性の楽しみ方があって当然でしょう。無理に何かに合わせることもないと思います。
子供には子供の、女性には女性の感性を大事にしてもらいたいです!
その20代の女性会員の方と先日話したのですが、拙ブログを以前から読んでいたそうです。恐縮の至りでしたが、「ガルパン戦車って一つの哲学ですよね」と言われました。
ガイドブック通りに作らない、
アニメ劇中車にリサーチをかけるころから楽しみが始まる、
アニメ仕様を可能な限り再現することの面白味、
既存の戦車プラモデルの常識とは別方針でいく、
の諸点がすでに哲学的だと思う、と話していました。
哲学的、ですか・・・。そういう見方は初めて聞きましたね・・・。これもモケジョならばでの視点、感性でしょうか。