雨畑湖の西岸に沿って進むと、またトンネルがありました。このトンネルが雨畑地区中心部への連絡ルートで、原作コミック第7巻86ページ4、5コマ目で志摩リンが走り抜けた場所にあたります。
コミックの該当シーンと大体同じアングルで撮ってみました。奥に見える建物は、旧硯島小・中学校の体育館です。
トンネルを出て左に進むと、上図の場所に出ます。体育館の建物以外は、旧硯島小・中学校の建物とは違うような感じの施設がありました。
駐車場入り口の看板です。日帰り温泉および宿泊施設の「ヴィラ雨畑」です。ここで志摩リンが休憩し入浴して、電気マッサージ椅子に横たわりつつも、各務原なでしこの動向を案じていた様子が、原作コミック第7巻96ページから101ページまで6ページにわたって描かれます。それで、施設の内部空間もかなり詳細にわたって知ることが出来ます。
ガイド類では、旧硯島小・中学校の建物を改装した旨が述べられますが、改装だけでこのような完全な観光施設には変えられません。建物自体も新しい感じですので、旧校舎を体育館だけ残して撤去した後に、この施設を新たに構えたのでしょう。
とりあえず、休憩を兼ねて入浴利用しようと中に入ったところ、既に終了時刻まで間が無いとの事で、早くも仕舞いにかかっていました。それで入浴は諦めましたが、「ゆるキャン△」聖地のひとつ雨畑エリアにこのような宿泊施設があることは今回初めて知りましたので、次に計画している早川エリアの奈良田行きとあわせて再訪し、ここに泊まってみるのも良いかな、と思いつきました。
それで再度カウンターへ行き、宿泊の基本情報を伺い、パンフレットもいただいてきました。公式サイトもあります。こちらです。
「ヴィラ雨畑」の隣には、道をはさんで「硯匠庵」という施設があります。江戸期より現地の特産品として知られる雨畑硯の歴史と作品を公開展示するショールームの一種です。ここ雨畑の渓谷で採れる蒼黒色の原石を材料とする、雨畑ブラックシリカと呼ばれる硯や装飾品などの石製品群が見られます。
隣の富士川町の鬼島地区にて、ここの原石を用いて作られる硯が「甲州雨畑硯」と称されて平成6年に県の伝統工芸品に指定されていますが、雨畑硯そのものは、書家の間では古くから知られていて、書道愛好家の間では必須アイテムにもなっているそうです。
そういえば、書道の師範資格を持っていた私の母も、立派な彫刻装飾のついた雨畑硯を愛用していました。子供の時からその硯をずっと見ていて、「これは山梨県で作られた高級品なのよ」と教えられ、書道の硯とはこういうものだと思い込んでいた私でしたから、この施設での見学はとても感慨深いものがありました。
「硯匠庵」の公式サイトはこちら。
その「硯匠庵」の横の道を、志摩リンが走り抜けています。上図のアングルで、原作コミック第7巻87ページ3コマ目に出ています。
そして4コマ目がこの景色です。ここから道は再び雨畑湖の周囲を巡って南へ続きます。
南側は、こんな感じで長く延びています。
レンタカーは「ヴィラ雨畑」の駐車場に停めたまま、徒歩で回りましたから、志摩リンがバイクで進んだ地点まではちょっと時間がかかりました。
湖面の景色は、南側が広く感じられます。
もと来た道を引き返しているうちに、「硯匠庵」の建物の右手の湖面上に吊り橋が見えました。ああ、あれが志摩リンが渡った橋か、と気付きました。「硯匠庵」の裏手に位置するため、来た時には山肌や建物の陰に隠れていて見えず、位置が把握出来なかったのでした。
吊り橋への道は、「硯匠庵」の横から上に登る小路でした。
とりあえず、原作コミック第7巻を片手に、記念の自撮り。
なんだか、寂れた感じです。あんまり利用する人も無さそうな雰囲気です。
五人以上で渡ると危ない、とあります。そんなに脆弱な吊り橋なのか、と不安になりました。風の強い時は渡るな、ともありますが、これは当たり前です。あおられますからね・・・。
では、と渡り始めました。
10メートルほど進んだところで、いきなり橋全体がグラッと右に傾きました。カメラを構えながら進んでいたので、「うおっ!」となって身体の平衡も崩してカメラを落としましたが、ストラップワイヤーを首に掛けていたため、湖面に転落水没という最悪の事態は免れました。そして、グラッときた瞬間にシャッターボタンも押したようで、上図の画が記録されていました。
風も無いのに、真ん中へ行くほどグラグラ揺れるのでした。志摩リンの「おおおおお」「真ん中はゆれるるる」が大変によく実感出来ました。
これは五人以上どころか、一人で渡っても危ないぞ、と思い、ジッとしていたら、揺れがおさまりました。その瞬間におそるおそる記念の自撮りをやったところ、途端にまたグラリと来ましたので、「うわっ!!」の瞬間が記録されてしまいました。
はたから見ていると「アホが何やっとんねん」状態かもしれませんが、マジでこの吊り橋は揺れて危なっかしいのです。君もいっぺん渡ってみ?と言いたいですね・・・。
吊り橋の揺れに耐えつつ、上から何枚か撮りましたが、上図の一枚以外はブレまくって使い物になりませんでした。 (続く)